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戦略的税務のススメ

季刊誌「百家争鳴」第2号(2013年1月)

政府は法人税の緩和・優遇策を導入し、日本企業の国際競争力の回復、維持に動き始めたました。しかし、日本企業の多くは、税務に対しては受身的な立場で、「戦略的」に取組む事例が少ないのが実態です。CFOは、いかに企業利益に直結する税に向き合い、グローバルで戦える強い「税務」を目指せるか、そのためのアプローチについて考えていきます。-季刊誌『百家争鳴』第2号(2013年1月)

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Issue - 戦略なき税務が企業価値を棄損する

見劣りする日本企業の実効税率

世界の法人税の法廷実効税率を概観すると、30%台の欧州、20%台のアジア諸国と比べて、日本と米国は高い水準にあります。ところが、連結の実効税率を見ると、米系企業の中には18%や20%台前半と欧州系企業と同水準に抑えているところもあり、日本企業の高さが目立ちます。国により制度が異なり、本拠地をどこに構えるかにも影響を受けるため、一概には比較できませんが、グローバル化が進み、海外投資家も増える中で、「日本の法人税率が高いから」という説明だけで株主を納得させることができるでしょうか?

税務コストは企業利益に直結する

税務に対してどの程度関心を払って、取り組んでいるでしょうか。トップマネジメントへの調査では、税務を経営戦略の1つとして位置づけている企業は30%程度にとどまっています。売り上げを10%増やすことと、実効税率を5%下げることで得られる効果はほとんど変わらないにも関わらず、事業戦略と同様に税務戦略に取り組み、税務コストの適正化を進める企業は少ないのが現状です。

株主への説明責任は果たせるか?

企業価値をはかるROEやPERなどの指標はいずれも税引き後利益で産出されます。投資家は設備投資や研究開発など資金使途と同様に、税務戦略にも目を光らせています。株主と向き合うCFOにとっては、自社がどのような税務戦略を持ち、税負担が利益にどのような影響を及ぼしているか説明責任が問われる重要な課題です。 

Case Study - 企業経営を支える重要戦略機能として位置づけられる税務部門

組織は戦略に従う

グローバル企業では、税務部門を利益やキャッシュフロー、株主価値に影響を及ぼす重要な戦略部門として位置づけています。このため、税務部門にはエキスパートを採用し、グローバルベースで税務コストの最適化とコンプライアンスの順守に取り組む体制を整えています。

税務ビジネスとともに

グローバル化が進み、国をまたがるビジネス展開は今や珍しくなくなりました。先進企業では、ビジネススキームの検討段階で税務の観点を取り込み、整合性を図っています。 

Insight - グローバルで戦える強い「税務」を目指して

「戦略的」税務を実現するには

貴社は自信をもって「戦略的に税務に取り組んでいる」と言えますか?実際には、税務担当が戦略部門として機能している企業はそれほど多くはありません。以下のチェックリストを参考に現状を問い直してみてください。

□ 税務を経営戦略の1つとして認識し、経営トップから現場に至るまで、社内にその考えが浸透している

□ 事業戦略投資とも関連した具体的な税務コスト最適化のためのタックスマネジメントポリシーを整備し、順守を徹底している。

□ 大型投資や事業再編などの重要案件のプロジェクトには、税務部門が初期段階からメンバーとして参画している

□ 本社・地域・各社・事業側などに税務に関する専門家を配置したグローバルベースでの組織体制やネットワークがある

□ 国際税務や当局対応に精通した人材を確保している 

戦略的「税務」実現に向けた成功のカギ

 

1.CFO自ら税務を「戦略」として捉え、アクションを起こす

2.連結ベースの利益概念を浸透させる

3.ビジネスと税務を共に考える体制を確保する 

全文PDFダウンロードはこちら

必要以上の税を集めるのは合法的強盗である
アメリカ合衆国 第30代大統領 カルビン・クーリッジ

多くの企業は、「正しく納税する」義務意識を強く持っていますが、一方で、その適切性について議論したり、考察することは少ないのではないでしょうか。
今日、グローバル化によって多くの海外拠点を持ち、国際的な分業体制を構築している日本企業が増えています。企業グループ全体の機能配置とともに、利益配分(税負担)のあり方もグローバルに最適化を図る必要があると考えます。企業が利益を確保し、競争力を持つことこそが、国の活力の源となるからです。
本号は、経営戦略の一環としての税務にCFOはどう取り組んでいくべきか、考えるきっかけを与えます。 

(2.47 MB,PDF)

CFOの“the Trusted Advisor"となるために

デロイト トーマツ グループでは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指したサービスを展開しています。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供し、CFOにとっての“the Trusted Advisor"となることを目指します。

 

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CFOプログラム
CFOプログラムは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指すデロイト トーマツ グループによる包括的な取り組みです。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供します。

CFOサービス
CFO及びCFO組織の変革のみならず、企業にとって必要なCFO機能の進化をサポートします。

インターナショナルタックスサービス
安定的で持続可能な成長のため海外に進出している、または、これから進出を予定している日系企業が、事業運営上の目的と整合した形でバランスをとりながら、グローバルな観点から適切な税務リスクの管理・税金コストの最適化を図れるよう、税理士法人トーマツはデロイトのグローバルネットワークを活用し、日系企業の海外投資に関する国際税務問題についてワンストップのサービスを提供します。

 

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