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データを価値に変える - 企業経営の羅針盤たるCFO

季刊誌「百家争鳴」第3号(2013年4月)

企業を取り巻く環境の複雑性・不確実性が増し、将来の予測に基づいて、あらかじめ有効な対策をすることがますます重要となっています。ファイナンス組織は、いかに事業環境の変化をいち早く捉え、ビジネスに有効な提言を出来るのでしょうか。CFOが「羅針盤」として機能するためのアプローチについて考えていきます。-季刊誌『百家争鳴』第3号(2013年4月)

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Issue - 企業経営の道筋を照らすことができるか?

ビジネスに分析を活用できる企業ほど業績が良い?

MITの調査によると、業績上位の企業の方が下位企業よりも、ビジネスの意思決定に分析を多く活用しているという結果が出ました。戦略策定や日常業務の実行における分析の利用状況は上位企業と下位企業で大きな開きがあります。

後塵を拝する日本企業

一方、多くの日本企業では、本社から海外子会社の財務情報を常時見ることすらできずにいるのが現実です。ビジネスに分析を活用する以前の問題として、何がクリティカルなデータなのか、それをどのように収集するのか、また、収集したデータをどのように有用な情報へと変換するのか、具体的なビジョンが描けずにいます。

「一寸先は闇」ー 不確実性の高い競争環境下でいかに将来を予測できるか?

事業計画や予算策定、投資判断・・・ファイナンス組織として、企業の将来の重要な意思決定に関わる上で、必要な「情報力」を備えているでしょうか。10年先、50年先といった超長期的のビジョンを描くのは直感や意志によるところが大きいかもしれません。しかし、現在/過去を正確に把握することなく、その先を精度高く予測することなどできません。めまぐるしく市場が変わり、先行きが不透明であるからこそ、CFOとして足元の情報基盤を固め、将来の道筋を照らすことが求められています。 

Case Study - 独自のインサイトでビジネスに貢献する

重要な意思決定の陰にファイナンス組織あり

先進的な企業では、外部の情報を活用し、各事業部門から上がってくる情報にカウンタをあてながら、投資など企業経営の重要な意思決定に深く関与しています。

事例:A社の場合
A社では、数値報告にとどまらず戦略的な提言を行っていくため、CFO配下に専門部隊を組成し、情報インフラを整えました。分析結果やそれに基づく提言をベースに、各事業部門と定常的に議論の場を設け、投資の実行や撤退、プライシングに関与するなど、企業経営になくてはならない存在となっています。
【組織・人材】
・CFO直下に戦略的な分析を行う専門チームを組成
・各事業部門から「ビジネスを理解し、データを読み解き、提言ができる人材」をアサイン
【プロセス】
・社内外のデータを分析し、業績に与える因子を特定
・影響因子を先行指標としてシナリオに組み込み、予測モデルを構築
・四半期ごとに業績予測とその結果をレビュー(予測精度を向上)
・各地域、各事業ごとに分析。導き出された結論が全社レベルでも通用するものか、各部にまたがるそれぞれの情報を共有し、見極め
・得られた結論は役員会で討議し、具体的なアクションへ反映
【システム】
・分析チームでは、全社のデータには横断的にアクセス可能
・マクロデータなど社外のデータも集約 

Insight - 「データ」+「分析力」+「提言力」=次世代ファイナンス組織

CEOとともに経営を支えるCFOにとって、企業内外にあふれるデータをとらえ、分析し、収益性や企業価値を高めるために提言することが最重要のミッションのひとつです。
しかし、それを実現するためには、中長期的な視点で取り組む覚悟が必要です。例えば、ファーストステップともいえる、グローバル共通のデータベース構築。グローバル企業では、10年から15年の歳月を経て完成させています。また、Case Studyで示したA社では、仕組み作りと並行して人材を強化し、7年がかりで現在のように有機的に機能する組織を築きました。
遅きに失することのないよう、今こそ、企業経営の羅針盤として機能する次世代ファイナンス組織づくりに取り組むべきときです。これをリードすることは、現CFOの大きな役割です。 

企業経営の羅針盤たるCFOの心得

 

1.データを集約する

2.意思をもって読み解く

3.伝え、動かす 

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神ならば信じよう。神でない人はデータを持ってきなさい。
統計学者 ウィリアム・エドワーズ・デミング

事業環境が複雑化し、先行きが不透明になる中で、より幅広い視野で企業を取り巻く環境を捉えることが求められています。従来の財務情報に限らず、非財務情報や外部情報へと見るべき情報は広がり、さらに、過去の分析のみならず将来予測へと求められる機能も高度化しています。
情報インフラを整え、データからビジネスへの影響を読み解き提言を行う、ファイナンス組織のあるべき姿がそこにあります。本号は、その第一歩を踏み出すための示唆を与えます。

(4.33MB,PDF)

CFOの“the Trusted Advisor"となるために

デロイト トーマツ グループでは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指したサービスを展開しています。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供し、CFOにとっての“the Trusted Advisor"となることを目指します。

 

関連サービス

CFOプログラム
CFOプログラムは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指すデロイト トーマツ グループによる包括的な取り組みです。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供します。

CFOサービス
CFO及びCFO組織の変革のみならず、企業にとって必要なCFO機能の進化をサポートします。

Deloitte Analytics
Deloitte Analyticsは、デロイトがグローバルに提供するサービスのひとつであり、全世界で約9,000人の専門家が従事する、アナリティクスを活用したコンサルティングサービスです。アナリティクス専門家の知見と、監査・コンサルティングによる深い業界知識が、実態に即した分析・実行可能なプラン策定を可能にします。

 

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