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Cash - キャッシュを回す経営へ

季刊誌「百家争鳴」第7号(2014年6月)

日本企業において、キャッシュフロー経営という言葉が浸透しているにもかかわらず、日本企業の手元資金は年々増加しています。資金の流れを把握しても、キャッシュを循環させる意識が低いようです。CFOは、通常のビジネスからキャッシュを稼ぎ出し、それを有効活用して、新たな成長の機会を得るという、真のキャッシュフロー経営をいかに実現できるのでしょうか。-季刊誌『百家争鳴』第7号(2014年6月)

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Issue - キャッシュを回す

キャッシュを回す意識

キャッシュフロー経営という言葉は日本企業にも浸透しており、経営管理上、資金の流れを把握する必要性について異議を唱えるものはいないだろう。
しかし、日本企業の手元資金は年々増加しており、通常のビジネスサイクルでキャッシュを循環させることに対する意識が一段と低下したことは否めない。
ビジネスでキャッシュを稼ぎ出し、それを有効に活用することで、新たな成長の機会を得ようとする、真のキャッシュフロー経営を実現できているだろうか。

ビジネスの動きを読めているか

「キャッシュを循環させる」ことは企業の存続・発展のために不可欠だが、その大前提は、「日々のビジネスから確実にキャッシュを生み出す」ことにある。既存ビジネスのオペレーションサイクルにおいて必要となるベースの運転資本の規模を正確に把握した上で、企業を取り巻く環境の変化に対応して必要資金を備えることができているだろうか。

ファイナンス組織として何ができるか

米系企業のファイナンス組織の貢献領域を見ると、戦略領域から運転資本の管理まで、広くビジネスにコミットしていることがうかがえる。ファイナンス組織がビジネス構造にしっかりと目配りし、中長期的な視点からキャッシュを生み出すためのサポート役として機能しているのだ。

Case Study - ファイナンスとビジネスの融合

キャッシュを生むビジネスモデルの構築

キャッシュに対する意識が高い企業では、事業や案件をスタートさせる段階から、ファイナンス組織がコミットする仕組みを構築している。

A社の例:ファイナンス視点を取り入れたビジネスモデルの構築

・ビジネスの立ち上げから関与し、ファイナンスん観点からの課題やリスク対応をビジネスモデルに反映。
・主要なバイヤとサプライヤやその力関係、回収サイクルなどを把握し、ファイナンス部門がビジネスを構造的に理解。
・予め、ビジネスの構造や背景を理解することで、日々のオペレーションの中で数値が悪化した際の改善策を的確に助言・提案することが可能。

 

ビジネスを動かすインサイトの提供

刻々と変化するビジネス動向に対応するためには、より現場に近いポジションでビジネスを把握することが重要となる。

B社の例:緻密なデータとコミュニケーションで各部門間を調整

・ファイナンス担当者を各事業部門に配置し、直接事業担当者とコミュニケーションをとりながら、数値の裏付けや市場予測を実施。
・週次で、生産計画/販売計画を精査し、予測される過剰在庫などキャッシュへの影響を製造及び営業の各担当者と協議、アクションプランを提案。
・各事業の情報を元に、全社レベルのキャッシュフロー状態を適時・正確に把握し、長期的な視点で投資や資金調達といった経営判断に助言。

Insight - 意識を変え、仕組み・人を変える

ファイナンス主導で意識から変える

昨今の経営環境はめまぐるしいスピードで変化している。その中で、企業が持続的な成長を維持するためには、「キャッシュを回す経営」へと深化を遂げることが求められている。
企業全体のキャッシュを最大限活用するために、ファイナンス組織は各事業の構造を理解し、事業環境や課題に精通していなければならない。ビジネスモデルの構築や事業計画を策定する段階から積極的に関与し、キャッシュの動きを構造的に捉えることで、経営環境の変化に対応した迅速・適切なアクションを起こすことが可能になる。
これらを実行していくには、ファイナンス部門が事業部門の良きパートナーとならなければならない。そのためには、社内外から多様な人材を登用しながら、事業部門と協働できる人材の育成に取り組む必要がある。

キャッシュを回すための3つの心得

 

1. 事業部門の意識改革を促す

2. 「指標」ではなく、「ビジネスそのもの」を見る

3. ファイナンス人材を多様化する

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起業家は利益を重視するが、利益は結果に過ぎない。
先に考えるべきは、キャッシュフローや資本、その管理である。
それらがなければ、利益は想像に終わってしまうのだから。
経営学者 ピーター・F・ドラッカー

 

日本企業は、ビジネスにおいて、いかにキャッシュを生み出し、循環させることで、次なる成長に結びつけていくことができるのでしょうか。
キャッシュを回すためには、ファイナンス視点からのアプローチが求められます。
企業の成長にファイナンス組織はいかに貢献できるのか、本号が考えるきっかけを与えます。 

(2.1MB, PDF)

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