経営管理・業績管理に関する 課題認識

調査レポート

Deloitte CFO Signals Japan: 2017Q3

経営管理・業績管理に関する課題認識について

日本における第9回目の実施となったCFO向けの定期サーベイ。本サーベイでは、「経済環境に関する調査項目」で時系列でCFOの意識変化や調査時点での最新の見通しを考察し、またマクロ的な視点での日本経済及び世界主要国のリスクシナリオに関する意識調査を行いました。加えて、今回のホットトピックとして経営管理・業績管理に関する課題認識についてのテーマを取り上げています。(調査期間:2017/10/10~10/20)

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Deloitte CFO Signalsについて

Deloitte CFO Signalsは、デロイトがグローバルレベルで定期的に実施している、企業を取り巻く経済環境に関するCFOの意識調査です。毎回の調査で世界各国CFOの皆様から得られた回答結果を集約し、デロイトの専門家が考察を加え、CFOからの”Signals”として発信しています。
日本で行うDeloitte CFO Signals Japanでは、「経済環境に関する調査」において、毎回グローバルで統一の設問を設定しています。それによって日本だけに限らず、グローバルレベルでCFOの動向を考察します。さらに毎回日本固有の設問として、その時々でトレンドやホットトピックとなっている事柄に関連するものを設定しています。
本ページでは、今回のサーベイ結果の中で特徴的な回答結果についてまとめています。グローバル共通設問である、企業を取り巻く経済環境の見通し、業績の展望、ビジネス環境における財政的および経済的な不確実性については、グローバル版(英語)に掲載されております。各国の結果とあわせてご覧ください。

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経済環境に関する調査

海外諸国経済の注目点

グラフ5は、今後1年間の事業展開を展望するうえで注目される海外諸国経済の動きを示している。今回調査では、前回に続き「a.朝鮮半島情勢の緊迫化・米朝軍事対立」「b.米トランプ政権の混乱」がそれぞれ1位、2位となった。また「c.米FRB利上げによる金利上昇」は前回の4位から3位に浮上した。これら上位3項目は過半数の会社が注目すべき動きとしている。一方で「中国」に関するリスクは前回の3位から5位に後退した。朝鮮半島情勢は引き続き緊迫しており最大の注目ポイントであることは論をまたない。また、トランプ政権では主要閣僚の更迭が相次ぐなど政策執行力の低下が懸念されたことなどが引き続き注目された背景と考えられる。金利上昇への関心の高まりは、FRB9月にバランスシート縮小開始を決定し、今後の利上げ継続見通しも高まったことが背景と考えられる。

経営管理・業績管理に関する課題認識について

経営管理/業績管理の課題

これまで3回にわたり、デジタル技術がCFOとその組織・業務に及ぼす影響について、ロボティクスやAIを取り上げながらCFOの見解をお伺いしてきた。これからの数回は、原点に戻り、経理・財務部門とその業務・組織・情報に関するCFOの課題感について質問をしていく想定である。初回となる今回は経営管理についての現状課題についてCFOの考えを伺った。(次回は、経理業務プロセス、さらに経理・財務組織戦略についての設問を準備する予定)

グラフ6は、予算管理、業績管理についての設問回答結果である。

まず、予算や業績予測についての精度については、いずれもあまり課題感としては大きくなく、概ね期待した精度が保たれているようだ。他方で、その数値の使われ方という点では、業績評価のためであったり、経営分析のためであったり、その目的が必ずしも満足に達せられてないと感じていることがわかる。

また、海外を含めた子会社経営、グループ経営についても課題感はあまり多くないようだ。しかしながら、普段我々がコンサルティングの現場で経理・財務部門/経営企画部門の方々とお話をすると、まず決まって出てくる課題(というより危機意識に近い)が“海外のグループ会社の状況が握できていない”というものである。今回の質問にお答えいただいたCFOがそろって「できている」状況の企業なのか、あるいは現場の実情がCFOにまで上がってないのか、気になるところである。

なお、いただいたご意見には、海外子会社に対するガバナンス体制が十分ではないというもの、予算・見通しは、概して各部門とも保守的に作成するので、実績と乖離する場合がままある、また、経営管理部門が、どこまで事業の実態を把握し、各部門の申請値を査定できるかが重要というものなどがあったので合わせてご紹介する。

経営管理・業績管理

予算編成と業績予測について

予算管理制度の運用・取りまとめ部門についての回答では、日本企業に典型的にみられる「経営企画か経理か」という役割分担の問題に関しては、ほぼ同数の回答で、さらに、予算作成は経営企画で期中の実績管理は経理、という回答を合わせるとほぼ予想通りの傾向となった。すなわち、予算を作成してそれに対する実績対比を行い、分析結果を経営にあげ、また、業績評価の基礎数値を歳出する、という一連の運用を、経営企画部門と経理・財務部門が共同あるいは役割を二分して担う、というのが日本企業の予算管理の運用の実態である。

今回さらに、特徴的なのは、これら本社のどこが担うかということ以上に、経営企画や経理は支援や取りまとめはするが、実際に主体となって予算を作成し実績対比の管理を行っているのは事業部門という回答が三分の一を占めたことである。“経理・財務部門が主導し、事業部門が中心となり事業計画を作成、これらを元に経理・財務部門が全社計画を作成している。”と具体的に記述いただいた方もいれば、逆に“事業部門が提出する事業予測に対し、本社で分析、対策を策定し、事業部門を指導する。中心は、本社(特に財務部)である”とのコメントもあった。業態にもよるだろうが、経営管理における経理・財務部門の役割は企業により様々である。

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