調査レポート

Deloitte CFO Signals Japan: 2018Q4

CFO および財務経理部門の役割や組織の充足度に関する調査

日本における第14回目の実施となったCFO向けの定期サーベイ。本サーベイでは、「経済環境に関する調査項目」で時系列でCFOの意識変化や調査時点での最新の見通しを考察し、またマクロ的な視点での日本経済及び世界主要国のリスクシナリオに関する意識調査を行いました。加えて、今回のホットトピックとして、CFO および財務経理部門の役割や組織の充足度に関する調査をテーマに取り上げています。(調査期間:2018/12/19~1/17)

全文PDFはこちら

Deloitte CFO Signalsについて

Deloitte CFO Signalsは、デロイトがグローバルレベルで定期的に実施している、企業を取り巻く経済環境に関するCFOの意識調査です。毎回の調査で世界各国CFOの皆様から得られた回答結果を集約し、デロイトの専門家が考察を加え、CFOからの”Signals”として発信しています。
日本で行うDeloitte CFO Signals Japanでは、「経済環境に関する調査」において、毎回グローバルで統一の設問を設定しています。それによって日本だけに限らず、グローバルレベルでCFOの動向を考察します。さらに毎回日本固有の設問として、その時々でトレンドやホットトピックとなっている事柄に関連するものを設定しています。本ページでは、今回のサーベイ結果の中で特徴的な回答結果についてまとめています。

(PDF, 662KB)

グローバル共通設問である、企業を取り巻く経済環境の見通し、業績の展望、ビジネス環境における財政的および経済的な不確実性については、グローバル版(英語)に掲載されております。各国の結果とあわせてご覧ください。グローバル版のサーベイ結果についての総評はこちらからダウンロードいただけます。

(PDF, 309 KB)

不確実性

グラフ3 は、財政的・経済的な不確実性の見通しを表している。今回は不確実性が「非常に高い」「高い」との回答合計が69%と、前回の67%から更に増加、不確実性が依然高いとの結果になった。不確実性の背景はグラフ1で見た通り、米中貿易摩擦の行方の不透明感、英国の「合意なき」EU離脱リスクの高まり、中国経済の減速懸念、株価下落などが考えられる。2019年には、中国のみならず世界の経済拡大ペースの減速が見込まれているうえ、英国の「合意なき」EU離脱、貿易摩擦の行方などの不確実性要因がある。更に欧州では、5月の欧州議会選挙を前にポピュリスト勢力が台頭している一方、ドイツでは与党メルケル党首の交代、フランスでのデモ拡大を契機とした政策転換と財政赤字見通し拡大など、政治的な不安定感が高まっている。米国でも12月からの政府閉鎖の長期化、ロシアゲート問題、米軍のシリア撤退など、政治的な不確実性が高まっている。2019年も企業のビジネス環境における不確実性は高い状態が続きそうだ。

CFOおよび財務経理部門の役割や組織の充足度に関する調査

昨今、財務経理部門は、グローバル化やテクノロジーの進展を背景に様々な取り組みを進めている。デロイトトーマツCFOプログラムは、改めて「財務経理部門の改革」にスポットをあて、年間を通じて体系的に現状調査を実施していく。初回となる今回は、CFOおよび財務経理部門の役割や組織の充足度に関して、CFOに現状の評価とお考えをおうかがいした。

CFOの役割と時間配分

まずはじめに、CFO自身としての4つの役割における「現状と理想の時間配分」について聞いた。結果として、現状ではストラテジストに31%と最も多くの時間を割いており、CFOは経営層の一員として戦略立案への参画に貢献できていることがうかがえる。ただ理想的な時間配分としては、全体のおよそ半分にあたる43%の時間をストラテジストに充てたいと回答していることからも、近年益々CFOに対する戦略面での期待が高まっているものと推察される。一方、現状で最も割いている時間が少ないのはオペレーターの18%であるが、こちらは現状より更に減らして10%程度の時間配分にしたいとの考えであった。上記から、CFO自身としては4つの役割のバランスを重視するよりも、「守り」の役割にあたるスチュワードやオペレーターの時間を更に圧縮し、「攻め」の役割にあたるストラテジストやカタリストへより多くの時間を割いて、戦略立案への参画や実行推進に傾注したいという意向がうかがえる。

財務経理部門全体の役割と時間配分

次に、財務経理部門全体としての4つの役割における「現状と理想の時間配分」について聞いた。現状ではオペレーターに38%と最も多くの時間を割いており、理想とする時間配分を大きく上回っている。一方で、「攻め」の役割にあたるストラテジストやカタリストは理想の時間配分よりもそれぞれ8%程下回っており、オペレーターに時間を割かざるを得ない現状のしわ寄せが生じているものといえる。前述のCFOの4つの役割における理想の時間配分とは異なり、財務経理部門全体としては4つの役割それぞれに対し均等に時間配分することが望ましいと考えていることが読み取れる。オペレーショナルな役割に費やす時間をいかに減らして、全体の役割をバランスよく果たしていくかが、今後の課題になるであろう。

CFOの”The Trusted Adviser”になるために

デロイト トーマツ グループでは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指したサービスを展開しています。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供し、CFOにとっての“the Trusted Advisor"となることを目指します。

関連するサービス
CFOプログラム
CFOプログラムは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指すデロイト トーマツ グループによる包括的な取り組みです。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供します。

リスク管理戦略センター
リスク管理戦略センターは、近い将来に起こり得る様々なストレス事象に備えた一般企業のフォワードルッキングなリスク管理態勢の構築を支援するために、2014 年 2 月に、有限責任監査法人 トーマツ内に設置されました。リスク管理戦略センターでは、海外の主要機関や当局、金融機関やメディアが伝えるマクロ・リスク情報や、バーゼル3を始めとした世界の規制情報を等の情報を分析し、グローバル企業や、海外投資を行う法人に対して、これらの情報や蓋然性の高いストレス・シナリオ等の情報提供および、これらを活用したリスク管理に関するアドバイザリーサービスを行っております。

CFOサービス
CFOサービスでは、CFO及びCFO組織の変革のみならず、企業にとって必要なCFOの役割に基づき、CFO機能の進化をサポートします。プロジェクトのテーマに応じて、デロイト トーマツ グループのインダストリーグループや、各種サービス(監査、税務、ファイナンシャル アドバイザリーなど)、デロイトのグローバルネットワークとも連携し、多角的、複合的な支援を提供しています。

お役に立ちましたか?

関連トピック