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ファイナンス組織の改革トレンド(前編・後編)

(月刊誌『会計情報』2018年9月号・11月号)

前編では、ここ20年程度の日本企業のファイナンス組織の改革の歩みを振り返る。後編では、昨今の外部環境の変化に対応する形でのファイナンス組織の最新の改革のトレンドについて事例を交えて紹介し、今後ファイナンス組織が改革に取り組む際のポイント、改革の方向性を展望する。

ファイナンス組織の改革トレンド(前編)

ファイナンス組織の果たすべき役割とこれまでの改革の歩み
(月刊誌『会計情報』2018年9月号)

著者:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 森田ᅠ寛之

1.はじめに

グローバル経済の深化、テクノロジーの発展や働き方改革・生産性革命の要請といったビジネス環境変化の影響は、直接外部顧客との接点を持つ事業部門だけでなく、コーポレート部門であるファイナンス組織にも及び、環境変化への対応を行う形で継続的な変革に取り組んでいる。

かつては、メインバンク制に支えられた安定的な資金調達と右肩上がりで成長する事業環境を背景に、日本企業のファイナンス組織は日々の伝票処理や決算対応といったオペレーションに特化した組織であることが許されていた時期もあった。しかしながら、ここ20年のファイナンス組織の歩みを振り返ると会計・内部統制等の制度のグローバルスタンダード化、経済・事業環境の急速なグローバル化といったような激変する外部環境に対応する形で変革に継続的に取り組んできている。

各改革施策を一つ一つ取り上げていくと、それぞれの施策の目的や意義が各企業において重要な意味を持つことに疑いの余地はない。一方で継続的な改革に取り組んでいるファイナンス組織であっても、改革の成果が想定通りに発揮できていないケースもある。その要因として、過去の改革施策の範囲がそもそも限定的であった、当初掲げていた目的に何かしらの要因で到達できず、不完全な形で改革を終えたということが考えられ

本連載(全2回)では、今後も継続的に改革に取り組んでいくであろう日本企業のファイナンス組織が各改革の成果を最大限発揮するために考慮すべきポイントは何か、過去の改革の歩みを振り返り、その教訓を踏まえて考察していきたい。

まず前編となる本稿では、ここ20年程度の日本企業のファイナンス組織の改革の歩みを振り返る。後編では、昨今の外部環境の変化に対応する形でのファイナンス組織の最新の改革のトレンドについて事例を交えて紹介し、今後ファイナンス組織が改革に取り組む際のポイント、改革の方向性を展望したい。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

ファイナンス組織の果たすべき役割とこれまでの改革の歩み (662KB, PDF)

ファイナンス組織の改革トレンド(後編)

ファイナンス組織の近年の改革事例と今後の改革の方向性
(月刊誌『会計情報』2018年11月号)

著者:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 森田ᅠ寛之

1.はじめに

前々号(2018年9月号)において、”ファイナンス組織の改革トレンド(前編)”と題して、ここ20年程度の日本企業におけるファイナンス組織の改革の歩みを振り返った。会計制度の変更や経済・ビジネス環境の変化といった外部環境要因の変化に対応する形で、その時点の最適解を模索しつつ、着実に改革の歩みを進め、日本企業のファイナンス組織は一定のレベルで、更なる改革に取り組む素地が整った状態にある。

後編となる本稿では、近年ファイナンス組織が取り組んでいる改革内容を、事例を交えて紹介した上で、今後ファイナンス組織が改革に取り組む際のポイント・改革の方向性について展望する。

2.昨今の環境変化

近年のファイナンス組織が取り組んでいる改革内容の紹介をする前に、各改革に至る背景やその前提について触れたい。

環境変化(1):働き方改革・生産性革命の要請

少子高齢化の更なる進展により労働力人口が減少している日本において、労働力人口を一定レベルで維持していくために、活躍の余地がある女性や高齢者、外国籍人材の日本の労働市場への参入を促すという観点と、限りある労働力人口の生産性を高め、より効率的に付加価値を創造していくという観点が日本経済全体の要請として強まっている。

上記を実現するために働き方改革とそれによる生産性向上の取り組みとして、まず各日本企業においては長時間労働の是正を改革の一丁目一番地として取り組んでおり、ファイナンス組織としても、喫緊の課題として改革に取り組んでいる。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

ファイナンス組織の近年の改革事例と 今後の改革の方向性 (672KB, PDF)
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