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IASBが中小企業(SMEs)向けIFRSの修正を提案する公開草案を公表

IAS Plus 2013.10.03

国際会計基準審議会(IASB)は「中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)」の修正を提案する公開草案(ED)を発行した。提案は、当基準の最初の包括的レビューの結果である。包括的レビューは3年のインターバルで実施される。IASBは、35章のうち21章に軽微な変更を提案した。公開草案ED/2013/9「 IFRS for SMEsに対する修正案」へのコメント期間は、2014年3月3日までである。(IAS Plus 2013.10.03)

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国際会計基準審議会(IASB)は「中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)」の修正を提案する公開草案(ED)を発行した。提案は、当基準の最初の包括的レビューの結果である。包括的レビューは3年のインターバルで実施される。IASBは、35章のうち21章に軽微な変更を提案した。公開草案ED/2013/9「 IFRS for SMEsに対する修正案」へのコメント期間は、2014年3月3日までである。

背景
2009年7月9日に、IASBは中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)を公表した。この基準は完全版IFRSsの要求事項を簡素化するものであり、SMEsの財務諸表の利用者のニーズおよびコスト・ベネフィットの考慮を反映している。完全版IFRSsと比較して、SMEsに関連性のないトピックは省略され、会計方針の選択を減らし、完全版IFRSsの要求事項は簡素化され、開示は減少されている点でより単純となっている。

一方では完全版IFRSsと同調しつつ、IFRS for SMEsの要求事項を広範囲に維持することと、他の基準に対する定期的な変更の義務を減らすことのバランスをとるために、IASBはIFRS for SMEsをおよそ3年に1度レビューをすることを決定した。IASBは、当該期間に完全版IFRSになされたすべての変更がIFRS for SMEsにコピーされることを必要としないことも決定した。むしろ、完全版IFRSsに対する変更によって、(IFRS for SMEsの)現バージョンを修正すべきか、もしそうならばどのようにするかをIASBが検討することになる。

2012-2014年レビューサイクル
3年ごとにIFRS for SMEsをレビューすることが表明されたことにより、IASBは2012年に最初のレビューを開始した。レビューは、IASBが修正を検討すべきトピックに関して関係者からの見解を求めるため、情報の要請(RfI)を公表することから始まった。並行して、IASBはSME適用グループ(SMEIG)と協議を行った。IASBは2013年3月から6月の会議でフィードバックを審議した。受領したフィードバックをレビューする際、IASBは基準が適正に新しく、多くの企業で適用されているので、現バージョンの大きな見直しを提案しないとの結論に達した。それゆえ、IASBは2009年バージョンのIFRS for SMEsへの修正を限定的なものだけとすることを提案した。

IFRS for SMEsへ提案された変更の概要
提案された変更の大部分は、現在の文言の明確化に関するものであり、したがって、ある取引および事象に関する企業の会計処理方法に変更を伴うものでない。修正が提案されたセクションの概要表は、下記のように示されている。

この一般的はアプローチの主な例外の1つは、IASBがすでにIAS第12号「法人所得税」に提案した変更を最終化した、29章「法人所得税」に関するものである。しかし、これらの変更は最終化されず、プロジェクトは保留とななっている。IFRS for SMEsとIAS第12号の法人所得税の会計の主要な原則の相違を解消するため、IASBは、IFRS for SMEsをIAS第12号の現在の処理とそろえることを提案している。

(表は以下参照)

コメント期限と次のステップ
公開草案ED/2013/9「 IFRS for SMEsに対する修正案」へのコメントは、2014年3月3日に締め切られる。

IASBは提案に寄せられたコメントを検討し、IFRS for SMEsの修正提案を進めるかどうか決定する。

公開草案ED/2013/9「IFRS for SMEsに対する修正案」 (IASBのWebサイト)
ニュースレター「IFRS in Focus –IASBが中小企業向けIFRSに対する修正公開草案を公表」 (トーマツのWebサイト)

提案された修正
1-SMEの定義 公的説明責任に関する明確化を追加
2-概念および全般的な原則 「過大なコストおよび努力」の例外のガイダンスの追加
4-財政状態計算書 一定の比較情報の開示要求軽減を追加
5-包括利益計算書および損益計算書 非継続事業に関する明確化およびIAS第1号になされた組替に関する変更とそろえることを追加
6-持分変動計算書並びに損益および剰余金計算書 IAS第1号になされたOCI項目に関する変更とそろえることを追加
9-連結および個別財務諸表 異なる報告日を取り扱うガイダンス、および「結合財務諸表」の定義の修正を追加
11-基礎的金融商品 いくつかの明確化、および公正価値で測定される資本性金融商品の要求に関する「過大なコストまたは努力」の例外の追加
12-その他の金融商品に関する事項 いくつかの明確化、および公正価値で測定される資本性金融商品の要求に関する「過大なコストまたは努力」の例外の追加
17-有形固定資産 交換部品および保守器具の分類に関するIAS第16号になされた変更ととそろえる
18-のれん以外の無形資産 企業が無形資産の耐用年数を信頼性をもって見積りができない場合に、耐用年数は10年を超えるべきではないという要求に修正
19-企業結合とのれん  企業がのれんの耐用年数を信頼性をもって見積りができない場合に、耐用年数は10年を超えるべきではないという要求に修正、およびいくつかの明確化の僅少な修正およびガイダンスの追加
20-リース どの取決めがリースとなるか(ならないか)についての明確化を追加
22-負債と資本 IFRIC第19号とIAS第32号に関して完全版IFRSsとそろえることと、いくつかのガイダンスおよび免除規定の追加
26-株式に基づく報酬 いくつかの明確化の追加およびIFRS2と範囲をそろえる
27-資産の減損 工事契約から生じる資産の妥当性の明確化
28-従業員給付 明確化の追加、および解雇給付の会計方針に関する開示要求を削除
29-法人所得税 繰延税金資産の認識および測定に関するIAS第12号の主要な原則とそろえる、および法人所得税資産と負債の相殺の要求事項に関する「過度の費用対効果」の除外を追加
30-外貨換算 範囲の明確化
33-関連当事者についての開示 「関係会社」の定義をIAS第24号とそろえる
34-特別な活動 採掘活動の会計の明確化と、生物資産に関する一定の開示免除が追加
35-IFRS for SMEsへの移行 組み込まれているIFRS第1号のいくつかの変更および文言の簡素化
用語集

いくつかの定義修正および5つの新しい項目の追加

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