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最終のメイスタット(Maystadt)レポートが入手可能となる

IAS Plus 2013.11.11

2013年11月15日のEU経済・財務相理事会(ECOFIN)の会議で、EU委員ミシェル・バルニエ(Michel Barnier)氏のスペシャルアドバイザーであるフィリップ・メイスタット(Philippe Maystadt)氏が、高品質の会計基準を促進する上でEUの役割を強化するために、予備的提言を提示するレポートの発表を控えて、当該レポートが欧州連合理事会のWebサイトで入手可能となっている。(IAS Plus 2013.11.11)

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次の金曜(11月15日)のEU経済・財務相理事会(ECOFIN)の会議で、EU委員ミシェル・バルニエ(Michel Barnier)氏のスペシャルアドバイザーであるフィリップ・メイスタット(Philippe Maystadt)氏が、高品質の会計基準を促進する上でEUの役割を強化するために、予備的提言を提示するレポートの発表を控えて、当該レポートが欧州連合理事会のWebサイトで入手可能となっている。当該レポートは非常にハイレベルであり、提案が実行に移されるとすれば、多くの実施上の課題が解決されなければならない。

2013年9月に公表されたレポートの草案と同様に、メイスタット氏は最初に提言する考慮すべき3つのオプションを提案している。すなわち、組織を補強するため欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)を変革し、IASBの基準が開発される際に、IASBに欧州のポジションを表明する法的発言権を与える。この点に関する提言の詳細は、下記の通りである。

•検討事項:EFRAGは、IAS規則に従いIFRS基準に関する検討事項に重点的に取り組むべきである。
•資金調達:IFRSを使用し便益を享受する上場会社に課す強制的な寄付または賦課金のシステムの創設に関する法的な実現可能性を分析する。
•構造:
◦ 総会(General Assembly):国の資金調達メカニズム、および財政的に支援する、もしくは物品を寄付する他の私的及び(もしくは)公的機関を含めるため、現在の総会メンバー(ビジネスヨーロッパ、欧州会計士連盟(FEE)、欧州保険協会、欧州銀行連合会(EBF)、欧州貯蓄銀行グループ(ESBG)、欧州協同組合銀行協会(EACB)、欧州会計監査協会(EFAA))を拡充し、総会の会議に欧州委員会を招待する。
◦監視委員会(Supervisory Board):現在の監視委員会をハイレベルな委員会に置換える。すなわち、委員会は、テクニカル・エキスパート・グループの作業に基づいて、IASBに対するコメントレターや欧州委員会へのエンドースメント・アドバイス・レターの承認を行う。
◦TEG: テクニカル・エキスパート・グループ(TEG)の役割を、EFRAGのポジションを決定する全権を有する代わりに、多くのガイダンスおよび委員会に対するアドバイザーとなるフィードバックを委員会から受けとると同時に、委員会の承認を受けるプロジェクトを準備することに変更する。

ハイレベルの委員会の役割と構成は、提案が委員会になされる前の意思決定過程に、すでに公益の発言を与えることが意図されている。メイスタット氏の提言によると、3つの柱からなる16名のメンバーと委員長から構成される。

•欧州公的機関(欧州証券市場監督局(ESMA)、欧州銀行監督機構(EBA)、欧州保険年金監督機構(EIOPA)および欧州中央銀行(ECB)各々に提案された4名のメンバー)
•利害関係者(5名のメンバー:産業界、金融機関、会計専門家、利用者)
◦産業界:ビジネスヨーロッパが提案するメンバー1名
◦銀行:欧州銀行連盟、欧州協同組合銀行協会、欧州貯蓄銀行グループ、および欧州公的銀行協会が連携して(もしくは、そうでなければ交代で)提案するメンバー1名
◦保険会社:欧州保険協会が提案するメンバー1名
◦会計専門家:FEE(「欧州会計士連盟」)およびEFAA(「欧州会計監査協会」)が連携して提案するメンバー1名
◦利用者:個人投資家(「最終利用者」)および金融アナリストを代表する協会は連携して提案するメンバー1名
•各国の基準設定主体(NSS)(ECBの執行委員会、もしくは欧州投資銀行(EIB)の経営委員会のケースと同様に、4大加盟国のNSSが常に代表となるという暗黙の了解で、7名のメンバー。)

現在の監視委員会の内部経営機能に関わらず、新しい委員会はTEGによって準備されたレター、特にIASBに対するコメントレターおよび欧州委員会に対するエンドースメント・アドバイス・レターを承認する。委員会はコンセンサスにより活動することが期待される。メイスタット氏は委員長の役割についても提言している。それは、EFRAGの公的スポークスマンである委員長は、TEGの議長としての任務を含む、組織の日常管理に責任のある最高経営責任者(CEO)の役割とは区別すべきというものである。

注目すべきは、そのタイムスケールにもある。すなわち、「欧州連合は、IASBによって短期間で最終化されるであろう重要な基準のエンドースメントに関して、委員会に適切なアドバイスを提供できる効果的な組織をできる限り早期に必要としている」。

EFRAGに関する変更を提言する以外に、当レポートは、現時点でIFRSsが公的な資本市場での財務報告に「最適な選択」であると述べている。現在の「基準ごとの基準」エンドースメント・プロセスは適切であるとアドバイスもしている。そして、現在のエンドースメント2択「可/否」のエンドースメントの決定は慎重に検討されなければならないと警告している。すなわち、メイスタット氏は何も提案していないが、「カーブアウト」もしくは「カーブイン」の可能性を考慮するより前に、「警告は重要である」と強く意見を述べている。

レポート全文 (欧州連合のWebサイト) 

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