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IASB議長「金融インダストリーはなぜ他インダストリーと異なるのか」について講演で言及

IAS Plus 2013.12.03

ロンドンで開催されたイングランド・ウェールズ勅許会計士協会(The Institute of Chartered Accounting in England and Wales:ICAEW)とIFRS財団が共同開催した「金融機関IFRSカンファレンス」で、ハンス・フーガーホースト(Hans Hoogervorst)IASB議長が講演した。(IAS Plus 2013.12.03)

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本日、ロンドンで開催されたイングランド・ウェールズ勅許会計士協会(The Institute of Chartered Accounting in England and Wales:ICAEW)とIFRS財団が共同開催した「金融機関IFRSカンファレンス」で、ハンス・フーガーホースト(Hans Hoogervorst)IASB議長が講演した。スピーチで、トピックに特有の複雑性と金融業界は会計ルールの変更に極めて敏感であるという事実が、IASB(およびFASB)が金融商品の会計に関する正当な解決(right solution)に至ることを困難にしているが、IFRS第9号は間もなく完了するとの見解を示した。

フーガーホースト氏は、金融商品があまりに難しい分野であるので、IAS第39号を置き換える作業に時間がかかっていることを認めることからスピーチを始めたが、「IFRS第9号は終了する、間もなく終了する(IFRS 9 will get done and it will get done soon)」ことも付け加えた。

会計処理に関して、金融インダストリーが他の経済セクターと異なるケースとなる理由を説明するにあたり、彼は貸借対照表と現在価値に焦点をあてて、金融機関ではない企業と銀行および保険会社を対比させた。フーガーホースト氏は、銀行および保険会社は巨大な財政状態計算書を有しているという事実を指摘した。すなわち、比較的小さな変動でさえ利益に多大な影響を及ぼし、将来キャッシュフローは貸借対照表の金融商品に非常に大きく依存する。

それから、フーガーホースト氏は、IAS第39号を置き換えるプロジェクトの異なるフェーズを通して、IASBが金融セクターからの特別な会計のニーズをどのように扱っているかを聴衆に示した。

•公正価値会計は景気循環増幅性(pro-cyclicality)を増強させ、金融危機では人工的な変動性を引き起こすという主張は、事実無根であることを示した。一例として、公正価値会計が直観に反した結果(「自己の信用リスク」の問題)となる状況がIFRS第9号でどのように修正され、一般的なヘッジ会計の変更の一環として対応可能であることも説明した。
•金融危機でうまく機能しないことが示された現在の減損モデルは、将来キャッシュ・フローの避けられない不足を覆い隠すことをより難しくする予想信用損失モデルに置き換えられる。減損の要求事項は、今のところ2014年の第1四半期または第2四半期に最終化が予定されている。
• IASBは混合測定アプローチを採用し続けているが、IFRS第9号の限定的な見直しの中で、より客観的な基礎に基づく分類と測定についての規準を設定しようとしいてる。また、特定の金融資産に対して「その他包括損益を通じて公正価値(FVOCI)」で測定する区分も導入した。
•既存のヘッジ会計の要求事項は、(むしろ恣意的な規準(arabitrary criteria)を基礎として)一部のヘッジ関係のみを対象とし、他のヘッジ関係を取り扱っていないし、また、現在のヘッジ会計が、オープン・ポートフォリオにおけるネット・ポジションの管理を適正に反映することができないので、IASBは、マクロ・ヘッジ会計に対するプロジェクトの一環として、新しいマクロ・ヘッジ・モデルに関するディスカッション・ペーパーの開発に着手している。

このように、フーガーホースト氏は、最終化に非常に時間がかかるので、一般的な金融商品のプロジェクトから分離しているマクロヘッジ会計ついての提案を例外として、IFRS第9号の開発の主要なフェーズは終了し、または間もなく終了する予定であることを示した。また、金融セクターの特別なニーズや特徴に対処する。フーガーホースト氏は、以下のように結論づけた。

IFRS第9号は実質的に終了しており、間もなくエンドースされる準備ができる。分類及び測定、一般的ヘッジおよび減損において、IFRS第9号が実施した重要な改善のため、私は、IFRS第9号が世界中でエンドースされることに疑いを持っていない。

ハンス・フーガーホースト氏のスピーチ全文 (IASBのWebサイト)

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