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IASBが、投資者とその関連会社または共同支配企業の間での資産の売却または拠出に関する修正を最終化

IAS Plus 2014.09.11

国際会計基準審議会(IASB)は、「投資者とその関連会社または共同支配企業の間での資産の売却または拠出(IFRS第10号およびIAS第28号の修正)」を公表した。(IAS Plus 2014.09.11)

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国際会計基準審議会(IASB)は、「投資者とその関連会社または共同支配企業の間での資産の売却または拠出(IFRS第10号およびIAS第28号の修正)」を公表した。本修正は、IAS第28号「関連会社および共同支配企業に対する投資」とIFRS第10号「連結財務諸表」の要求事項の矛盾点を扱っており、関連会社または共同支配企業が関与する取引において、利得または損失を認識する範囲は、売却または拠出された資産が事業を構成しているかどうかによることを明確化する。本修正は、2016年1月1日以後開始する事業年度より発効し、早期適用が認められる。

背景
IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」(2011年)では、現在、企業とその関連会社または共同支配企業との取引から生じる利得および損失は、当該関連会社または共同支配企業に対する関連のない投資者の持分の範囲のみ、企業の財務諸表に認識することを要求している。しかし、IFRS第10号「連結財務諸表」は、親会社が子会社に対する支配を喪失する時に、利得または損失の全額を認識することを要求している。当該矛盾点を検討するにあたり、IASBは、事業が子会社の中にあるかどうかを問わず、事業に対する支配の喪失時に利得または損失の全額が認識されるべきと結論づけた。同時に、IFRS第3号「企業結合」で定義されている事業を構成しない子会社の関連会社または共同支配企業への売却または拠出から生じる利得または損失は、関連会社または共同支配企業に対する関連のない投資者の持分の範囲でのみ認識しなければならない。

本修正を開発するにあたり、IASBは、IFRS第3号の要求事項を開発する際に考慮した概念的基礎に焦点を当てた。すなわち、支配の獲得または喪失を、再評価および利得または損失の認識を引き起こす重要な経済的事象として考慮する概念的基礎である。投資者と関連会社との売却および拠出はすべて、利得および損失を全額認識することにすべきかどうかについても検討が行われ、これは概念的な観点からより堅牢であると考えられた。しかし、この考えは、狭い範囲のプロジェクトでは余りに広範囲な論点と考えられた。したがって、本修正は、資産の売却または拠出が事業を構成する場合にだけ、投資者と関連会社の取引に関して利得または損失を全額認識することを要求する。


修正
IAS第28号の修正は、以下の通りである。

  • 投資者とその関連会社または共同支配企業との間の取引から生じる利得および損失に関する要求事項は、事業を構成しない資産にだけ関連づけるため修正された。
  • 新しい要求事項では、投資者とその関連会社または共同支配企業との間の、事業を構成する資産を伴うダウン・ストリーム取引から生じる利得または損失は、投資者の財務諸表に全額認識されなければならない。
  • 企業は、別個の取引で売却または拠出された資産が事業を構成し、単一の取引として会計処理されるべきかどうか検討する必要があるという要求事項が追加された。


IFRS第10号の修正は、以下の通りである。

 

  • 持分法を適用して会計処理される関連会社または共同支配企業との取引において、事業を構成しない子会社の支配を喪失する場合、利得または損失の全額を認識する一般的な要求事項に対する例外がIFRS第10号に導入された。
  • 新しいガイダンスは、それらの取引から生じる利得または損失は、関連会社または共同支配企業に対する関連のない投資者の持分の範囲でのみ親会社の利得または損失に認識されることを要求することを導入した。同様に、持分法を適用して会計処理される関連会社または共同支配企業となった旧子会社で保持される投資に対する公正価値での再評価から生じる利得および損失は、新しい関連会社または共同支配企業に対する関連のない投資者の持分の範囲においてのみ、旧親会社の利得または損失に認識される。
     

反対意見
3名のIASB理事は、本修正の公表に反対票を投じた。1名の理事は、資産の回収に対して事業を構成するものの境界性がしばしば不明確で、判断に基づくことになり、実務上解釈のが困難であることを表し、事業の定義の解釈により異なる会計処理を導入することに反対する。2名の理事は、本修正は、対処することを意図した懸念を完全に対処していないと考えている。

発効日
本修正は、2016年1月1日以後開始する事業年度より発効し、早期適用が認められる。

IASBは、本修正の発効日以後に開始する事業年度において生じる取引に、将来に向かって適用されなければならないことを決定した。これは、IASBが、比較情報の便益はそれを提供するコストを上回らないと判断したからである。

IASBプレスリリース (IASBのWebサイト)



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