ナレッジ

IASBが、料金規制に関するディスカッション・ペーパーを公表

IAS Plus 2014.09.17

国際会計基準審議会(IASB)は、事業が何らかの料金規制の制度によって影響を受ける会社に関連性のあるディスカッション・ペーパー(DP)を公表した。(IAS Plus 2014.09.17)

関連コンテンツ

国際会計基準審議会(IASB)は、事業が何らかの料金規制の制度によって影響を受ける会社に関連性のあるディスカッション・ペーパー(DP)を公表した。本DPの目的は、料金規制から生じる財務上の影響を財務諸表に反映させるべきかどうか、また、それはどのような状況かについて、関係者からのフィードバックを要請することである。コメントは、2015年1月15日が期限である。

背景

IASBは、2012年9月に包括的な料金規制対象活動プロジェクトに着手した。当該プロジェクトは、ディスカッション・ペーパーを開発するリサーチ・フェーズから開始した。3ヶ月後、IASBは、限定的な範囲の基準を開発するため、料金規制対象活動プロジェクトに追加のフェーズを加えることを決定した。本プロジェクト・フェーズは、2014年1月30日にIFRS第14号「規制繰延勘定」の公表に至り、規制勘定残高に関連する現地の会計上の要求事項を保持することで、IFRSに移行する料金規制企業の一助となることを目的としている。包括的プロジェクトに関する作業は中断されず、本DPの公表に至った。

本ペーパーの目的

料金規制のすべての形式に財務報告上論点が生じるわけではないが、料金規制は広範であり、実務上多数の異なる種類があることにIASBは留意した。料金規制の形式によっては、獲得される収益の金額及び料金規制に関連するキャッシュ・フローの時期の両方の観点から、料金規制対象企業の経済的環境に著しく影響を及ぼす。IASBが特に関心を抱いたのは、これらの料金規制の形式である。ディスカッション・ペーパーの目的は、以下の2つの主要な質問に関して、関係者からインプットを得ることである。

料金規制対象企業の経済的環境を他業種と異なるものとさせている特徴があるか?あるとすれば、それは何か。

現行のIFRSの報告の要求事項を修正して、それらの特徴を一般目的の財務諸表に反映すべきか。

IASBは、本DPにおいて具体的な会計の要求事項を提案しない。むしろ、目的は、料金規制対象活動の特徴を検討し、関連性があり、忠実なIFRS財務諸表を表現するため、これらの特性をどのように報告するのが最善かを検討することである。

主な内容の概要

本DPは、105頁からなり、下記のトピックをガバーする7つの章に分かれている。

 章 

トピック

1

はじめに

2

料金規制に関する有用な情報の提供

3

料金規制とは何か

4

定義された料金規制の顕著な特徴

5

考え得る財務報告アプローチ

6

IFRS第14号における表示及び開示の要求事項

7

その他の論点

 

第3章から第5章が、本ペーパーの核心である。

料金規制とは何か

議論を絞るため、IASBは、世界中の多種多様な料金規制スキームに一般的と考えられる、多数の類型の料金規制の特徴のグループを表し、同時に料金規制の対象ではない他の活動から生じる権利及び義務から明確に区分できる、料金規制の一般的なタイプ(「定義された料金規制」と呼ばれる)を分析することを暫定的に決定した。IASBは、首尾一貫した事実パターンにより、すべての法域において、IFRS財務諸表における料金規制に関する財務上の影響を議論することができることを望んでいる。


定義された料金規制の顕著な特徴

この定義された料金規制の主な特徴は以下の通りである。

料金規制対象企業から、財またはサービスを購入する他に選択の余地がない、またはほとんどない。

料金規制されている財またはサービスの供給の質及び利用可能性を維持する変数が設定されている。

価格を安定化させ、料金規制対象企業の財務的な存続可能性を裏づける料金の変数が設定されている。

実行された料金規制対象活動と交換に、対価の確定金額が回収される。

規制された料金または単価が設定されている。

考え得る財務報告アプローチ

第5章は、これまでの章に記載された財務上の影響を報告するための、多様な代替案を議論している。これら代替案は、開示を何もしないものから、現行の財務報告の要求事項の狭い変更または、広範囲の変更まで多岐にわたる。次のアプローチが議論されている。

無形資産(ライセンス)として規制上の合意(regulatory agreement)を認識する。

料金規制企業がIFRSと矛盾をきたす規制上の会計の要求事項を適用できる例外を提供する。

コスト、収益またはコストと収益の混合を繰延べまたは加速化するため、特別のIFRSの会計要求事項を開発する。

規制繰延勘定残高の認識を禁止する。

質問とコメントの期限

ペーパーには、議論を導く目的で、各セクションの終わりに質問(全部で13問)が付されている。すべての質問に回答する必要はなく、追加的な事項があればコメントが推奨されている。IASBは、2015年1月15日までインプットを求めている。

IASBプレスリリース  (IASBのwebサイト)
ディスカッション・ペーパーDP/2014/2  料金規制の財務上の影響の報告 (IASBのwebサイト)
ニュースレター「IFRS in Focus – IASBが、料金規制に関するディスカッション・ペーパーを公表」 (トーマツのWebサイト)

 

お役に立ちましたか?