ナレッジ

IASBが、開示イニシアティブにおけるIAS第1号の修正を最終化

IAS Plus 2014.12.18

IASBは、「開示イニシアティブ(IAS第1号の修正)」を公表した。本修正は、財務報告の表示において判断を行使する際に、作成者の認識されている障害に対処するため、IAS第1号の明確化を図る。本修正は、2016年1月1日以後開始する事業年度から発効し、早期適用が認められる。(IAS Plus 2014.12.18)

関連コンテンツ

国際会計基準審議会(IASB)は、「開示イニシアティブ(IAS第1号の修正)」を公表した。本修正は、財務報告の表示において判断を行使する際に、作成者の認識されている障害に対処するため、IAS第1号の明確化を図る。本修正は、2016年1月1日以後開始する事業年度から発効し、早期適用が認められる。

背景
IASBは、概念フレームワーク・プロジェクト(IAS Plus-英語版※1)で行われている作業を補完するために、2013年にワーク・プログラムに開示に関するイニシアティブ(IAS Plus-英語版※2)を追加した。本イニシアティブは、表示および開示原則、ならび要求事項をいかに改善できるかを見極めるため、その機会を探ることを目的とする、複数の小規模プロジェクトからなっている。IAS第1号「財務諸表の表示」(IAS Plus-英語版※3)の要求事項のいくつかの文言が、場合によっては、判断の行使を妨げるようにも読めるため、財務報告の表示において、企業が判断を行使できることを確保するための、IAS第1号に関する狭い範囲のプロジェクトがある。修正案の公開草案は、2014年3月に公表(IAS Plus-※4)され、2014年7月23日がコメント期限であった。

修正点
開示イニシアティブ(IAS第1号の修正)は、以下の項目を変更する。

・重要性
本修正は、(1)情報は、集約または重要性のない情報の提供により不明瞭にすべきでないこと、(2)重要性の考慮は財務諸表の全ての領域に適用されること、および(3)基準が特定の開示を要求している場合でも、重要性の考慮は適用されることを明確化する。
・財政状態計算書ならびに純損益およびその他の包括利益計算書 
本修正は、(1)これらの計算書に表示される表示項目のリストを、関連性があれば分解および集約できることの明確化、およびこれらの計算書における小計の追加的ガイダンスを導入する。また、(2)持分法で会計処理している関連会社および共同支配企業のその他の包括利益(OCI)に対する企業の持分は、事後に純損益に振り替えられるか否かに基づいて、単一の項目で集約して表示しなければならないことを明確化する。
・ 注記
本修正は、注記の順序を決定する際に、理解可能性および比較可能性が検討されなければならないことを明確化し、注記は、IAS第1号114項に掲げられた順序で表示される必要はないことを示すため、注記順序の可能性ある方法に関する設例を追加した。IASBは、潜在的に有用でないと受け止められている、重要な会計方針の認識に関するガイダンスおよび設例も削除した。

公開草案からの変更
公開草案ED/2014/1「開示イニシアティブ(IAS第1号の修正案)」は、企業は「情報の集約または分解を、有用な情報を不明瞭にするような方法で行ってはならない」という提案を含んでいた。分解は、しばしば合計および小計を拡充し、透明性を追加することを意味するので、IASBは、明確化のために、「重要性のない情報で重要性のある情報を不明瞭化することによって、財務諸表の理解可能性を減じるべきではない」ことに言い換えることを決定した。

公開草案ED/2014/1は、注記における情報を意味するために「開示(disclose)」という用語を使用し、それ以外では「表示(present)」という用語を使用することも提案していた。公開草案に対する回答者が、用語の変更はIAS第1号の包括的レビューの一部とするべきであり、狭い範囲の修正の範囲外となることを指摘したことから、IASBは、「表示」および「開示」の用語の使用に関する提案を最終化しなかった。

最後に、本EDは、初めて修正を適用する際にその旨を開示すべきことを提案した。IASBは、本修正は企業の会計方針または会計上の見積りを明確化するが、直接的に影響を及ぼすものではないので、経過措置では、これらの修正(早期適用または発効日に適用するかにかかわらず)を適用する事実を開示する必要がないことを規定している。

発効日および移行措置
本修正は、2016年1月1日以後開始する事業年度から発効し、早期適用が認められる。本修正の適用は開示する必要はない。

※1≫Conceptual Framework — Comprehensive IASB project(IAS Plus-英語版)
※2≫Disclosure Initiative-Overview(IAS Plus-英語版)
※3≫IAS 1 — Presentation of Financial Statements(IAS Plus-英語版)
※4≫IASBが、開示イニシアティブの結果としてIAS第1号への修正を提案(IAS Plus)

プレスリリース(IASBのWebサイト‐英語)
ニュースレター「IFRS in Focus – IASBが開示イニシアティブによるIAS第1号の修正を公表」 (トーマツグループのwebサイト)

お役に立ちましたか?