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バーゼル銀行監督委員会が「予想信用損失会計に関するガイダンス」の市中協議文書を公表

IAS Plus 2015.02.03

バーゼル銀行監督委員会は、「予想信用損失会計に関するガイダンス」と題する市中協議文書を公表した。ガイダンスの市中協議文書に関するコメント期限は、2015年4月30日である。(IAS Plus 2015.02.03)

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バーゼル銀行監督委員会は、「予想信用損失会計に関するガイダンス(Guidance on accounting for expected credit losses)」と題する市中協議文書を公表した。11の基本原則からなるガイダンスは、予想信用損失(ECL)の会計フレームワークの実施適用(implementing and applying)に関係する、健全な信用リスクの実務に関して、銀行監督の期待を示している。

ガイダンスの範囲は、予想信用損失会計全般であり、IFRS第9号「金融商品」(IAS Plus-英語※1)のみならず、他のすべての会計フレームワーク(米国会計基準の近々の変更を含む)もカバーすることを意図している。

ガイダンスは、以下の約11の原則から構成される。

  • 銀行の取締役会および上級経営者は、適切な信用リスクの実務を確保する責任がある。
  • 銀行は、すべての融資エクスポージャーに関する信用リスクのレベルの適切な評価および測定が可能な方法を適用するとともに、文書化し、また着実に実行しなければならない。
  • 銀行は、共通の信用リスクの特徴に基づいて、融資エクスポージャーを適切に分類するための、所定のプロセスを有していなければならない。
  • 銀行の引当金総額は適切で、関連する会計上の要求事項の目的に合致してなければならない。
  • 銀行は、内部の信用リスク評価モデルを適切に有効にするための方針および手法を有していなければならない。
  • 銀行が熟達した信用判断を行使することが、予想信用損失の評価および測定に不可欠である。
  • 銀行は、信用リスクの評価およびプライシング、並びに予想信用損失会計に関する強固な基礎を提供する、健全な信用リスク評価および測定プロセスを有していなければならない。
  • 銀行のパブリック・レポーティングは、適時に、関連性のある意思決定に有用な情報を提供することによって、透明性および比較可能性を促進するものでなければならない。
  • 銀行の監督当局は、定期的に信用リスク実務の有効性を評価しなければならない。
  • 銀行の監督当局は、引当金を算定するために銀行によって採用された方法により、適切な会計フレームワークのもと、予想信用損失の堅牢な測定となっていることを確信しなければならない。
  • 銀行監督当局は、銀行の自己資本規制を評価する際に、信用リスク実務を検討しなければならない。

ガイダンスは、特にIFRS第9号を扱う付録も含んでいる。付録は、他のECL会計フレームワークと共通ではない、IFRS第9号の減損セクションにおけるECL要求事項の特定の側面に関してガイダンスを提供しており、(ⅰ)12か月ECLと同額の損失引当金、(ⅱ)信用リスクの著しい増大の評価、および(ⅲ)実務上の便法の利用を扱っている。

バーゼル銀行監督委員会は、ガイダンスは、会計基準設定主体で設定された適切な会計基準に反しない、予想信用損失会計の監督上の要求事項を設定する意向であることを強調した。IASBは、当該ガイダンスに事前にアクセスし、ガイダンスにIFRS第9号の減損の要求事項に合致することを妨げるような側面を識別しなかった。

ガイダンスの市中協議文書に関するコメント期限は、2015年4月30日である。

※1≫IFRS 9 — Financial Instruments(IAS Plus Webサイト-英語)

プレス・リリース (国際決済銀行のWebサイト‐英語)
プレス・リリース (金融庁のWebサイト)
ガイダンスの市中協議文書 (国際決済銀行のWebサイト‐英語)

 

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