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IASBが、中小企業(SMEs)向けIFRSの修正の最終版を公表

IAS Plus 2015.05.21

国際会計基準審議会(IASB)は「中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)」の修正を公表した。当修正は、2009年に最初に公表された当基準の最初の包括的レビューの結果である。(IAS Plus 2015.05.21)

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国際会計基準審議会(IASB)は「中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)」の修正を公表した。当修正は、2009年に最初に公表された当基準の最初の包括的レビューの結果である。当修正は、当基準35章のうち21章(結果的修正を除く)および用語集に影響を与えるが、変更の大部分は軽微である。修正は、2017年1月1日以後開始する事業年度に適用され、早期適用は認められる。

背景
2009年7月9日(IAS Plus-英語版※1)に、IASBは中小企業向け国際財務報告基準(IFRS for SMEs)(IAS Plus-英語版※2)を公表した。当基準は完全版IFRSsの要求事項を簡素化するものであり、SMEsの財務諸表の利用者のニーズおよびコスト・ベネフィットの考慮を反映している。完全版IFRSsと比較して、SMEsに関連性のないトピックを省略し、会計方針の選択を減らし、完全版IFRSsの要求事項を簡素化し、開示を減らしている点でより複雑ではなくなっている。

一方で、IFRS for SMEsの要求事項を完全版IFRSsと広範囲に同調することを維持することと、他の基準に対する定期的な変更の負担を減らすことのバランスをとるために、IASBはIFRS for SMEsをおよそ3年に1度レビューをすることを決定した。IASBは、当該期間に完全版IFRSになされたすべての変更がIFRS for SMEsにコピーされることを必要としないことも決定した。その代わり、完全版IFRSsに対する変更によって、(IFRS for SMEsの)現バージョンを修正すべきか、もしそうならばどのようにするかをIASBが検討することになる。

2012-2014年レビューサイクル
3年ごとにIFRS for SMEsをレビューすることが表明されたことにより、IASBは2012年に最初のレビュー(IAS Plus-英語版※3)を開始した。レビューは、IASBが修正を検討すべきトピックに関して関係者からの見解を求めるため、情報の要請(RfI)を公表(IAS Plus-英語版※4)することから始まった。並行して、IASBはSME適用グループ(SMEIG)(IAS Plus-英語版※5)と協議を行った。IASBは2013年3月から6月の会議でフィードバックを審議し、基準がかなり新しく、多くの企業で適用されているので、現バージョンの大きな見直しを提案しないという結論に達した。そのため、IASBは、2013年10月公表の公開草案(IAS Plus-英語版※6)において、2009年バージョンのIFRS for SMEsへの修正を限定的なものだけとすることを提案した。

IFRS for SMEsへの変更の概要
変更の大部分は、現在の文言の明確化に関するものであり、したがって、特定の取引および事象に関する企業の会計処理方法に変更を伴うものでない。当修正が影響するセクションの概要表では、下記のように示されている(概要表は結果的修正を記載していない)。

しかし、3つの修正はより大きな影響を与える。

  • 当基準は、新たに有形固定資産の再評価モデルの使用に関する選択肢を認めている。いくつかの法域において、SMEsが有形固定資産を通常は再評価し、(または)有形固定資産の再評価を法的に要求されている場合には、この選択肢を認めないことが、IFRS for SMEsの適用の唯一最大の障害になってきたからである。
  • 繰延税金資産の主要な認識および測定の要求事項は、IAS第12号(IAS Plus-英語版※7)「法人所得税」の現行の要求事項とそろえる(IFRS for SMEsを開発する際に、IASBは、IAS第12号の変更案(IAS Plus-英語版※8)の最終化を予想していたが、これらの変更は最終化されなかった)。
  • IFRS for SMEは、完全版IFRSsと同じ救済措置を提供することを確認するために、探査および評価資産の主要な認識および測定の要求事項をIFRS第6号(IAS Plus-英語版※9)「鉱物資源の探査および評価」とそろえる。

 

修正

1-SMEの定義

公的説明責任に関する明確化および親会社の個別財務諸表におけるIFRS for SMEsの使用に関する明確化を追加

2-概念および全般的な原則

「過大なコストおよび努力」の免除規定のガイダンスの追加

4-財政状態計算書

財政状態計算書の本体における、減価償却および減損累計額控除後の取得原価で測定される投資不動産の独立表示の要求事項の追加、および一定の比較情報の開示要求の救済措置の提供

5-包括利益計算書および損益計算書

非継続事業について表示される単一の金額に関する明確化を追加およびIAS第1号になされた組替調整に関する変更とそろえる

6-持分変動計算書並びに損益および剰余金計算書

IAS第1号になされたOCI項目に関する変更とそろえる

9-連結および個別財務諸表

連結に関する明確化、異なる報告日を取り扱うガイダンス、子会社の処分に関する明確化、子会社、関連会社および共同支配されている企業に対する投資の個別財務諸表における持分法を使用した会計処理の選択肢、および「結合財務諸表」の定義の修正を追加

11-基礎的金融商品

いくつかの明確化、および公正価値で測定される資本性金融商品の要求に関する「過大なコストおよび努力」の免除規定の追加

12-その他の金融商品に関する事項

本章の範囲の明確化、およびヘッジ会計に関する明確化の追加

17-有形固定資産

交換部品および保守器具の分類に関するIAS第16号になされた変更とそろえる、取替コストの使用に関する免除規定、および有形固定資産の再評価モデルの使用に関する選択肢の追加

18-のれん以外の無形資産

企業が無形資産の耐用年数を信頼性をもって見積りができない場合に、耐用年数は10年を超えるべきではないという要求に修正

19-企業結合とのれん

いくつかの明確化の僅少な修正およびガイダンスの追加、および企業結合において無形資産を個別に認識する要求に関する過大なコストまたは努力の免除規定の追加

20-リース

どの取決めがリースとなるか(ならないか)についての明確化を追加

22-負債と資本

IFRIC第19号とIAS第32号に関して完全版IFRSsとそろえることと、いくつかのガイダンスおよび免除規定の追加

26-株式に基づく報酬

いくつかの明確化の追加およびIFRS第2号と範囲をそろえる

27-資産の減損

工事契約から生じる資産の妥当性の明確化

28-従業員給付

明確化の追加、および解雇給付の会計方針に関する開示要求を削除

29-法人所得税

繰延税金資産の認識および測定に関するIAS第12号の主要な原則とそろえる、および法人所得税資産と負債の相殺の要求事項に関する「過大なコストおよび努力」の免除規定を追加

30-外貨換算

範囲の明確化

33-関連当事者についての開示

「関連当事者」の定義をIAS第24号とそろえる

34-特別な活動

生物資産に関する一定の開示免除の追加、および探査および評価資産の主要な認識および測定の要求事項をIFRS第6号とそろえる

35-IFRS for SMEsへの移行

組み込まれているIFRS第1号のいくつかの変更および文言の簡素化

用語集

いくつかの定義修正および5つの新しい項目の追加 

 

反対意見
1名の理事は、過大なコストまたは努力の免除規定を条件とする、公正価値による現金以外の分配の報告を行う(22章‐負債と資本への免除規定の追加)という理事会の決定に関して反対意見を表明した。当該理事は、過大なコストまたは努力による救済措置が、財務諸表利用者から、所有者に対して分配された資産の価値に関する目的適合性のある情報を奪うことを懸念した。しかしながら、IFRS for SMEsは多くの過大なコストまたは努力の免除規定を含んでおり、当該理事は、この免除規定は、コストが明らかに利用者が情報を有することによる便益を上回る場合にのみ与えられるべきであると考えている。

発効日
IFRS for SMEsを使用する企業は、2017年1月1日以後開始する事業年度に本修正を適用することが要求される。早期適用は認められる。

≫※1 IASB issues IFRS for SMEs(IAS Plus-英語版)
≫※2 IFRS for Small and Medium-Sized Entities (IFRS for SMEs)(IAS Plus-英語版)
≫※3 IFRS for SMEs — Comprehensive review 2012-2014(IAS Plus-英語版)
≫※4 IASB publishes 'Request for Information: Comprehensive Review of the IFRS for SMEs'(IAS Plus-英語版)
≫※5 SME Implementation Group (SMEIG)(IAS Plus-英語版)
≫※6 IASB issues Exposure Draft of proposed amendments to IFRS for SMEs(IAS Plus-英語版)
≫※7 IAS 12 — Income Taxes(IAS Plus-英語版)
≫※8 Income taxes — Comprehensive project(IAS Plus-英語版)
≫※9 IFRS 6 — Exploration for and Evaluation of Mineral Resources(IAS Plus-英語版)





 

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