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ハンス・フーガーホースト氏が、歴史的原価と公正価値について語る

IAS Plus 2015.06.29

最近パリで開催されたIFRS財団主催のIFRSカンファレンスで、IASB議長ハンス・フーガーホースト氏は、資産および負債をいかに測定すべきか、彼いわく「会計で最も難しいトピックの一つ」であるトピックについて語った。(IAS Plus 2015.06.29)

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最近パリで開催されたIFRS財団主催のIFRSカンファレンスで、IASB議長ハンス・フーガーホースト氏は、資産および負債をいかに測定すべきか、彼いわく「会計で最も難しいトピックの一つ」であるトピックについて語った。
フーガーホースト氏は、IASBが現行の概念フレームワークの改訂および修正が必要と考える領域に関する提案を含む、最近公表された公開草案(※1)は、異なる測定基礎、それらが提供する情報、およびそれらの長所および短所に関する記載を提供する、測定の章も含んでいるという事実を指摘した。この章で、IASBは、測定技法を2つの区分、すなわち歴史的原価よび現在価額に分けた。しかし、フーガーホースト氏は、「歴史的原価と公正価値とはそれほど厳しく二分されたものではない」と指摘した。彼は、歴史的原価の想定された安定性および現在価値のしばしば引用される脆弱性は、必ずしもそんなにかけ離れていないとする4つの側面を列挙した。彼は、以下に言及した。

・多くの取引については、歴史的原価の始まりと終わりは公正価値(又は公正価値に非常に近い価額)という事実

・名称にかかわらず、歴史的原価も見直しが行われる(減価償却/償却)という事実

・歴史的原価会計から生じるとされる安定性は、極端に誤解を招くものである可能性があるという事実

・歴史的原価の安定性は、急激な断崖効果によって妨げられる可能性があるという事実

彼は、以下のように要約している。

「結論として以下のことが言える。歴史的原価はある程度、公正価値を基礎としている。目的適合性を維持するために、ある程度の現在価額測定を必要とし、主観的な見直しの要求事項と無縁ではなく、また、必ずしも安定的でもない。さらに、歴史的原価にも悪用のおそれがある。要するに、公正価値会計の属性と考えられることの多い脆弱性は、歴史的原価会計にも同様に関連する可能性がある。」

しかし、ハンス・フーガーホースト氏は、公正価値を選好し、歴史的原価を廃止することはないとも述べた。代わりに、彼は、測定基礎の異なる区分が適用される場合について、以下の一般的な結論を「非常に大まかな説明」で言及した。

・事業活動の性質が、資産を他の資産と組み合わせて財またはサービスを生産するために使用することである場合、一般的には歴史的原価の方向を示す。

・ 事業活動の性質が、資産または負債を活発な市場で売買することである場合、これは一般的には現在価額測定の方向を示すだろう。

・資産または負債の特性が、市場要因または当該項目における他のリスクへの感応度が非常に高いものである場合、これは一般的には現在価額測定の方向を示すだろう。

彼は、測定を行うコスト、測定の不確実性の程度、忠実な表現、および会計上のミスマッチの回避のように、これら以外でより多くの要因が検討される必要があることにも言及した。彼は、聴衆にIASBの公開草案の提案に関するコメントを促した。

※1≫IASBが新しい概念フレームワークの公開草案を公表(デロイト トーマツのWebサイト)

スピーチ全文(PDF:IASBのWebサイト‐英語版)

 

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