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IASB議長が非GAAP指標(non-GAAP measures)を議論

IAS Plus 2016.05.11

ヨーロッパ会計学会の年次会議で、ハンス・フーガーホーストIASB議長は、「業績報告と非GAAP指標の落とし穴」と題するスピーチを行った。(IAS Plus 2016.05.11)

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オランダのマーストリヒトで開催されたヨーロッパ会計学会の年次会議で、ハンス・フーガーホーストIASB議長は、「業績報告と非GAAP指標の落とし穴」と題するスピーチを行った。彼は、(1)学界がいかにIFRSの改善を支援し続けることができるか、および(2)業績報告と非GAAP指標を議論した。

フーガーホースト氏は、IASBに学界の研究を提供し続けるよう促し、過去の協力は、IASBが「意見からエビデンスをえる(separate out)」ことを支援するのに大変有効であったと述べた。彼は、学界とIASBとの有効な協力の例として、リース会計、IFRS第8号適用後レビュー、およびコメントレターの提出に言及した。また、彼は、今後における学会の更なる関与を要請した。

スピーチの後半で、フーガーホースト氏は、非GAAP指標を議論し、「IFRS基準は、財務諸表の利用者が業績を判断することができる充分な規準を提供しているかどうか」を検討した。彼は、非GAAP指標の使用が増加していること、およびこれらの指標が誤解をますます招いていることを示すリサーチについて述べた。


フーガーホースト氏は、以下の通り述べた。

IFRS基準は、損益計算書の形式に関して殆ど何も規定していないのは事実である。会社は、純損益(profit or loss)を形作る利益(income)の構成要素を表示する方法に、かなりの自由裁量を有している。結果として、ボトムラインより上で比較可能性がほとんどなくなってしまい、財務諸表利用者が業績を判断することが困難になっている。


彼は、証券監督当局が非GAAP指標の使用を減らす一義的な責任を有しているが、IASBも、「この件に関して、自身の役割を見つめなければならない」と言及した。彼は、IASBが損益計算書の形式に関して、「余りにもガイダンスを提供していない」ことを認めた。そして、彼は、以下のIASBが検討すべき「可能性のある改善策(potential remedies)」を提案した。

  • 損益計算書における追加の小計を定義
  • リストラクチャリングまたは減損計上を覆い隠すことを許容しない、原則ベースの営業利益(operating income)の定義の提供
  • 利息および税前利益(EBIT)の「厳格な定義」を創造
  • 現在その他の包括利益に計上されている収益および費用の一部の項目に関して、より良い解決策の探求
  • 上記のすべておよびその他


フーガーホースト氏は、以下の通り結論づけた。

結局は、最も重要な数値は、調整されていないボトムラインであり、そこには、経常的項目および非経常的項目の両方が、それが何であれ利益(income)のすべての項目が含まれる。見たところ、非経常項目がどの程度反復的に生じるか誰も予測できない。したがい、ボトムラインは可能な限り包括的で、ありのまま全てを示すことが重要である。

 

スピーチ全文(IASBのWebサイト)

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