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IASBが、事業の定義及びこれまで保有していた持分の会計処理に対処する

IAS Plus 2016.06.28

IASBは、「事業の定義及びこれまで保有していた持分の会計処理(IFRS第3号およびIFRS第11号の修正案)」を公表した。(IAS Plus 2016.6.28)

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国際会計基準審議会(IASB)は、2つの適用に関するプロジェクトを組み合わせて、「事業の定義及びこれまで保有していた持分の会計処理(IFRS第3号及びIFRS第11号の修正案)」を本日公表した。
 

背景

IFRS第3号(IAS Plus-英語 ※1)「企業結合」の適用後レビュー(デロイト トーマツのWebサイト-※2)では、企業が事業を取得したか、または資産グループを取得したかを決定する際に、困難に直面することが明らかになった。のれん、取得コストおよび繰延税金の会計上の要求事項は、事業の取得か資産グループの取得かで異なるため、IASBは、企業が事業を取得したのか、資産グループを取得したのかどうかの決定をする場合に生じる困難を解消する目的で、狭い範囲の修正を公表することを決定した。
同時に、IFRS解釈指針委員会は、これまで保有していた持分を再測定すべきかどうか決定するために、これまで保有していた持分を含む取引に関連するいくつかの論点を受領し、議論した。解釈指針委員会は、IASBに一定の修正を行うことを提案し、IASBは、事業の定義に関する他の修正と合わせて修正することを条件に解釈指針委員会の提案に従うことに同意した。
その結果、IASBは、事業の定義とともに、投資家が事業の定義を満たす共同支配事業の支配、または共同支配を得る取引における、共同支配事業の資産および負債に対してこれまで保有していた持分の会計処理を扱う、単一の公開草案を公表している。


変更案

ED/2016/1「事業の定義及びこれまで保有していた持分の会計処理(IFRS第3号およびIFRS第11号の修正案)」において、以下の修正案を提案した。

事業の定義(IFRS第3号の適用指針のみの変更)

  •  事業は、アウトプットの創出に貢献する能力があるインプットおよびそのインプットに適用されるプロセスから構成されるが、売手がその事業を運営する上で使用していたすべてのインプットまたはプロセスを含んでいる必要はなく、またアウトプットを要しない。しかし、アウトプットがない場合でも、他の取得したインプットを開発またはアウトプットに変換する能力に欠かせない取得した実質的なプロセスを実施するための、必要なスキル、知識、または経験を伴う、組織化された労働力を含んでいる場合のみ、それは事業である。
  • 取得した総資産の公正価値のほぼすべてが、単一の識別可能資産または類似の識別可能資産のグループに集中する場合、活動および資産のセットは事業ではない。
  •  有形及び無形資産、異なる種類の有形資産、異なる無形資産の種類における識別可能な無形資産、金融資産及び非金融資産、及び異なる種類の金融資産は、単一の資産に結合または類似の資産グループとみなすすべきではない。

これまで保有していた持分の会計処理(IFRS第3号及びIFRS第11号の適用ガイダンスの変更) 

  • 事業の定義を満たす共同支配事業に対する支配の獲得は、投資家が共同支配事業の支配を得る際に、共同支配事業の資産および負債に対してこれまで保有していた持分を公正価値での再測定が必要になる重要な経済的事象である。
  • 事業の定義に合致する共同支配事業に対する共同支配の獲得は、投資家が共同支配事業に対する共同支配を得る際に、共同支配事業の資産および負債に対してこれまで保有していた持分の再測定が必要になる事象ではない。
     

FASBとの相互関係

公開草案では、IFRS第3号は、IASBとFASBの共同プロジェクトの結果であり、IFRSおよび米国会計基準における企業結合の要求事項は、実質的にコンバージェンスされていると述べられている。しかし、(同様のフィードバックを受領した)FASBとIASBは、事業の定義に関する問題に対応するため、共同で作業してきたが、IASBは、2015年11月にFASBによって公表された文言(結果として実質的には同じとなる想定されるが)とは異なる、IFRS第3号の適用指針の修正を提案することを決定した。


発効日と移行措置

本公開草案では、修正は、取得日が発効日以後となる企業結合に適用することを提案している。早期適用は、認められる。

 

※1≫‘IFRS 3-Business Combinations’(IAS Plus-英語)
※2≫「IASBがIFRS第3号の適用後レビューを完了」(デロイト トーマツのWebサイト)

プレスリリース(IASBのWebサイト-英語)

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