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IFRIC第22号「外貨建取引と前渡・前受対価」が公表
IAS Plus 2016.12.08
国際会計基準審議会(IASB)は、外貨建の前払または前受対価を含む取引の会計処理を明確化するためにIFRS解釈指針委員会によって開発されたIFRIC第22号「外貨建取引と前渡・前受対価」を公表した。(IAS Plus 2016.12.08)
国際会計基準審議会(IASB)は、外貨建の前払または前受対価を含む取引の会計処理を明確化するためにIFRS解釈指針委員会によって開発されたIFRIC第22号「外貨建取引と前渡・前受対価」を公表した。
背景
IFRS解釈指針委員会は、企業が、関連する資産、費用または収益を認識に先立って、対価を受取るまたは支払う状況において、IAS第21号(IAS Plus-英語※1)「外国為替レート変動の影響」に従い外貨建取引を報告する際に使用される為替レートに関して、実務上の多様性が生じていることに着目した。そのため、解釈指針委員会は、解釈指針を開発することを決定した。
IFRIC第22号の内容
論点および解釈指針の範囲
本解釈指針は、以下の場合の外貨建取引または外貨建取引の一部を取り扱っている。
- 外貨建であるか、または外貨で価格設定されている対価である。
- 企業が、関連する資産、費用または収益を認識に先立って、対価に関して前払資産または繰延収益負債を認識する。
- 前払資産または繰延収益負債は非貨幣性である。
合意事項
解釈指針委員会は、以下の結論に至った。
- 為替レートの決定の目的上、取引日は、非貨幣性前払資産または非貨幣性繰延収益負債の当初認識の日である。
- 複数の前払・前受がある場合、取引日は各支払日または受取日に設定される。
発効日
IFRIC第22号は、2018年1月1日以後開始する事業年度に発効する。早期適用は認められる。
経過措置
最初の適用時に、企業は次のいずれかにより本解釈指針を適用できる。
- IAS第8号に従い遡及適用する。
- 企業が最初に本解釈指針を適用する報告期間の開始日以後、または企業が比較情報として表示する過年度の報告期間の開始日に最初に認識された、本解釈指針の範囲にあるすべての外貨建貨幣性資産、費用および収益に将来に向かって適用する。
初度適用企業
- 初度適用企業は、IFRS移行日前に当初認識した、IFRIC第22号の範囲に含まれる資産、費用および収益に対しては、本解釈指針を適用する必要はない。
追加情報
下記リンクを参照:
≫IASBプレスリリース(IASBのWebサイト-英語)
≫IFRIC第22号の要約(IAS Plus-英語)
≫外貨建取引と前渡・前受対価に関するIAS Plusのプロジェクトページ(IAS Plus-英語)
≫更新されたEFRAGのステータスレポート(IAS Plus-英語)
≫IFRS in Focus「IFRS解釈指針委員会が、解釈指針案「外貨建取引と前渡・前受対価」を公表」(デロイト トーマツのWebサイト)
※1≫ IAS 21-The Effects of Changes in Foreign Exchange Rates (IAS Plus-英語)