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IASBが特定の期限前償還金融資産の分類に係るIFRS第9号の修正を提案

IAS Plus 2017.04.21

国際会計基準審議会(IASB)は、公開草案「負の補償を伴う期限前償還要素(IFRS第9号の修正案)」を公表した。これはIFRS第9号「金融商品」が特定の期限前償還金融資産を分類する方法に対する懸念に対処したものである。コメント期限は、2017年5月24日である。(IAS Plus 2017.04.21)

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国際会計基準審議会(IASB)は、公開草案「負の補償を伴う期限前償還要素(IFRS第9号の修正案)」を公表した。これはIFRS第9号「金融商品」が特定の期限前償還金融資産を分類する方法に対する懸念に対処したものである。コメント期限は、2017年5月24日である。


背景

この問題に対するIASBの検討は、IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)への要望に端を発している。IFRS ICは、IFRS第9号「金融商品」に基づいて、特定の期限前償還オプションは、これ以外は元本および利息の支払のみである契約上のキャッシュ・フローの特性を有する金融商品を、償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定すべきものから除外することに留意した。この場合に問題となるのは、貸手が元本および利息の未払額よりも大幅に低い金額で期限前償還を受け入れことが強制される可能性がある場合の期限前償還要素である。なぜなら、これは貸手による「借手への」支払であり、「借手から」貸手への補償ではないからである。IFRS ICは、償却原価測定の使用はこの場合において有用な情報をもたらすことに納得し、IASBに対してIFRS第9号の狭い範囲の例外に追加することを求めた。

 

提案されている変更

IASBはIFRS ICの論拠に従い、公開草案ED/2017/3「負の補償を伴う期限前償還要素(IFRS第9号の修正案)」において、それ以外は元本および利息の支払のみである契約上のキャッシュ・フローの特性を有するものの、期限前償還要素ゆえに償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値の測定に分類されない特定の金融資産について、IFRS第9号の狭い範囲の例外を提案した。

IASBは、次の2つの条件に合致する場合は、そのような金融資産は、(企業のビジネスモデルに従って)償却原価またはその他の包括利益で測定することに適格であると提案している。

  • 期限前償還の金額が元本および元本残高に対する利息の支払のみではないという評価が、契約を早期に終了することを選択した当事者が、そうするために追加的な補償を受け取る可能性があるという事実のみに基づいている。
  •  企業が、当該金融資産を当初認識する時点で、期限前償還要素の公正価値が僅少である。

また、本公開草案は、当初認識時点の期限前償還要素の公正価値が重要でないかどうかを判断することが実務上不可能な場合におけるIFRS第7号およびIFRS第1号の修正案も含んでいる。

 

発効日および経過措置

本修正の発効日は2018年1月1日である(IFRS第9号の発効日と一致させるためである)。この例外は、遡及的に適用されるが、適用開始日において、企業が当該金融資産の当初認識時点で期限前償還要素が僅少であるどうかを判断することが実務上不可能な場合の救済措置が設けられている。

 

コメント期限

IASBは、当該問題は狭い範囲かつ緊急性が高いことから、通常の最短期間120日ではなく、30日のコメント期間としている。そのため、本公開草案に対するコメント期限は2017年5月24日となっている。

 

次のステップ

2018年1月1日の発効日に間に合わせるために、IASBはかなり厳しいタイムスケジュールを引いている。5月のコメント期限以降、IASBは2017年6月と7月に本論点の再審議を行い、(修正案を進めると決定した場合には)2017年10月末までには最終修正を公表する。

 

追加情報

下記リンクを参照:
IASBプレスリリース(IASBのWebサイト-英語)
公開草案(PDF:IASBのWebサイト-英語)
IFRS in Focus「IASBが、負の補償を伴う期限前償還要素に係るIFRS第9号の修正を提案」(デロイト トーマツのWebサイト)
IFRS 9-Prepayment features with negative compensation(IAS Plus-英語)

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