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IASBが重要性に関する実務記述書を公表

IAS Plus 2017.09.14

国際会計基準審議会(IASB)は、実務記述書(PS)第2号「重要性に関する判断の行使」を公表した。(IAS Plus 2017.09.14)

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国際会計基準審議会(IASB)は、実務記述書(PS)第2号「重要性に関する判断の行使」を公表した。当PSは、既存及び潜在的な投資家、貸手や他の債権者が企業への資源提供に関する意思決定を行う際に有用な、企業の財務情報を表示する際に、経営者の役に立つことを目的としている。


背景 

重要性のプロジェクトは、2012年にスタートしたIASBの開示イニシアティブの一環として生まれた。このプロジェクトの一環として公表された最初の文書は、2013年5月のフィードバック文書(IAS Plus-英語 ※1)「開示フォーラム―財務報告開示」であり、重要性のプロジェクト、重要性に関する適用ガイダンスまたは教育マテリアルの開発、アドバイザリー・グループからのインプットを含む、いくつかのさらなるイニシアティブを検討するIASBの意向の概要を記述している。

重要性に関する実務記述書の公開草案(IAS Plus-日本語 ※2)は2015年10月28日に公表されたが、その後、提案されたガイダンスの一部が期待される効果を得るために、権威あるものである必要があることが明らかになったため、当該プロジェクトは、実務記述書としての公表と、IAS第1号及びIAS第8号の修正に分割された。最終実務記述書及び修正案の公開草案は、本日公表された。公開草案ED/2017/6「重要性の定義」(IAS第1号及びIAS第8号の修正案)(IAS Plus-日本語 ※3)の詳細はリンク先を参照。


目的及び範囲

IFRS実務記述書「重要性に関する判断の行使」の目的は、既存及び潜在的な投資家、貸手や他の債権者が企業への資源提供に関する意思決定を行う際に有用な、企業の財務情報を表示する際に、経営者の役に立つことである。それは、完全なIFRSに準拠した財務諸表の作成に適用される。中小企業向けIFRS(IFRS for SMEs)を適用している会社を対象とすることは意図していない。


重要性の一般的な特徴

当該実務記述書は、現行の概念フレームワーク(IAS Plus-英語 ※4)における重要性の定義と連携している。類似の定義は、IAS第1号「財務諸表の表示」(IAS Plus-英語 ※5)及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」(IAS Plus-英語 ※6)に含まれている。しかし、IASBは現在、重要性の新しい定義(公開草案ED/2017/6「重要性の定義」(本日公表されたIAS第8号及びIAS第1号の修正案)参照)(IAS Plus-日本語 ※3)に取り組んでおり、公開草案の提案の結果として、IAS第1号及びIAS第8号の重要性の定義を変更した場合、重要性に関する実務記述書及び改訂概念フレームワークの結果的な修正(consequential amendments)を行う予定であると述べている。

当実務記述書では、重要性の判断の必要性は、財務諸表の作成に広範な影響を与え、認識、測定、表示及び開示に影響を及ぼすと述べている。情報に重要性があるかどうかの評価を行う際は、企業はその企業自身特有の状況及び財務諸表の主要な利用者の情報ニーズを考慮する。


4段階のプロセス

当実務記述書は、企業が重要性の判断を行う際の体系的なプロセスに従うことが有益な場合があるとし、そのようなプロセスの一例を提示している。

  • ステップ1. 企業は、潜在的に重要性のある情報を識別する。その際、取引、他の事象及び状況に適用されるIFRSの要求事項、及び主要な利用者の共通の情報ニーズを考慮する。
  • ステップ2. 企業は、ステップ1で識別された情報に重要性があるかどうかを評価する。この評価を行う際には、企業は量(サイズ)及び質(性質)の要素を考慮する必要がある。
  • ステップ3. 次のステップでは、企業は、明瞭かつ簡潔なコミュニケーション方法で財務諸表のドラフトに含まれる情報を整理する。
  • ステップ4. 最も重要なステップとして、企業はステップを振り返り、財務諸表のドラフトが全体として提供している情報を評価する。その情報が、個々に及び他の情報と組合せて重要性があるかどうかを検討する必要がある。この最終的な評価によって、情報の追加または重要性がないと考えたことによる情報の削除、情報の集約、分解または再編成、さらにはステップ2のプロセスを再度実施することになる場合がある。


地位及び発効日

当実務記述書はIFRSではない。したがって、IFRSを適用する企業は、当実務記述書を遵守することは求められていない。しかし、重要性はIFRSに広範な影響を及ぼす原則であることに留意する必要がある。当実務記述書に発効日はなく、直ちに適用することができる。


追加情報

下記リンクを参照:
IASBプレスリリース(IASBのWebサイト-英語)
実務記述書(IASBのWebサイト-英語)
プロジェクト概要及びフィードバック文書(PDF:IASBのWebサイト-英語)
Video:Introduction Making Materiality Judgements(IASBのWebサイト-英語)
Summary of IFRS Practice Statement Making Materiality Judgements(IAS Plus-英語)
IASB published a Practice Statement on Making Materiality Judgements(IFRS in Focus-英語)
Disclosure initiative-Materiality(IAS Plus-英語)
Disclosure initiative-Overview(IAS Plus-英語)

※1≫‘IASB releases Feedback Statement on disclose’(IAS Plus-英語)
※2≫「IASBが重要性に関する実務記述書案を公表」(デロイトトーマツのWebサイト)
※3≫「IASBが「重要性がある」の定義に関するIAS第1号およびIAS第8号の修正案を公表する」(デロイトトーマツのWebサイト)
※4≫‘Conceptual Framework for Financial Reporting 2010’(IAS Plus-英語)
※5≫‘IAS 1- Presentation of Financial Statements’(IAS Plus-英語)
※6≫‘IAS 8- Accounting Policies, Changes in Accounting Estimates and Errors’(IAS Plus-英語)

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