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IASBが、事業の定義に関するIFRS第3号の修正を最終化

IAS Plus 2018.10.22

IASBは、企業が事業を取得したかまたは資産グループを取得したかを判断する際に生じる困難を解決することを目的とした「事業の定義」(IFRS第3号の修正)を公表した。 本修正は、取得日が、2020年1月1日以後開始する最初の事業年度の開始日以後である企業結合に適用される。

IASBは、企業が事業を取得したのかまたは資産グループを取得したかを判断する際に生じる困難を解決することを目的とした「事業の定義」(IFRS第3号の修正)を公表した。 本修正は、取得日が、2020年1月1日以後開始する最初の事業年度の開始日以後である企業結合に適用される。

 

背景

 IFRS第3号「企業結合」の適用後レビュー(IAS Plus-英語版-※1)では、企業が事業を取得したのかあるいは資産グループを取得したのかを判断することが困難であることが明らかになった。 のれん、取得関連コスト及び繰延税金の会計の要求事項が事業の取得と資産の取得とでは異なることから、IASBは、企業が事業を取得したのかまたは資産を取得したのかを判断する際に生じる困難を解決するために、狭い範囲の修正を公表することを決定した。
 
2016年6月、当時の適用プロジェクト2つを統合して、IASBは、公開草案ED/2016/1「事業の定義及び従来保有していた持分の会計処理」(IFRS第3号及びIFRS第11号の修正案)(デロイト トーマツのWebサイト-※2)を公表した。 従来保有していた持分の会計処理に関する修正案は、2017年12月12日に、年次改善2015-2017年(デロイト トーマツのWebサイト-※3)の一部として最終化された。 事業の定義に関する修正案は、本日最終化された。

 

変更点

「事業の定義」 (IFRS第3号の修正))における修正は、IFRS第3号の付録A用語の定義、適用指針、及び設例の変更のみである。 以下の内容が含まれる。

  •  事業とみなされるためには、取得した活動及び資産の組合せには、最低限、組み合わせてアウトプットを創出する能力に著しく寄与するインプット及び実質的なプロセスが含まれていなければならないことを明確化する。
  • 顧客に提供される財及びサービスに焦点を当て、コストを低減する能力への言及を削除することにより、事業とアウトプットの定義を狭める。
  • 実質的なプロセスが取得されたかどうかを評価することに役立つガイダンスと設例を追加する。
  • 市場参加者が、欠けているインプット及びプロセスを置き換え、アウトプットを継続的に生み出すことができるかどうかの評価を削除する。
  • 取得した活動及び資産の組合せが事業でないかどうかの簡素化された評価を認める集中テストをオプションとして追加する。

 

FASBとの相互作用

本修正は、IFRS第3号がIASBとFASBの共同プロジェクトの成果であり、IFRSと米国会計基準の下での企業結合の要求事項はほぼコンバージェンスしている。 しかし、FASB(同じようなフィードバックを受けた)とIASBが、事業の定義についての問題に対応するための一緒に作業を行っているにもかかわらず、IFRS第3号の適用指針に対するIASBの修正は、FASBが2017年に公表した修正とは異なっている。 ただし、IASBは、FASBの修正と併せて本修正により、IFRSを適用する企業と米国会計基準を適用する企業との間では、事業の定義の適用がより首尾一貫することにつながることを期待している。

 

発効日及び経過措置

本修正は、2020年1月1日以後に開始する最初の事業年度の開始日以後が取得日である企業結合及び当該期間の開始日以後に発生する資産の取得に対して適用される。 早期適用は認められる。

 


さらなる情報
下記リンクを参照:

IASBのプレスリリース(IASBのWebサイト-英語)
Deloitteのプロジェクト・ページ IFRS 3 - Definition of a business (IAS Plus-英語版)

 

※1》IFRS第3号の適用後レビューに関するIAS Plusのページ(IAS Plus-英語版)
※2》IFRS in Focus 2016.07.26「IASBが、事業の定義の明確化および従来保有していた持分の会計処理の修正を提案」(デロイト トーマツのWeb サイト)
※3》IFRS in Focus 2018.03.01「IASB が、「IFRS基準の年次改善 2015-2017年サイクル」を公表」(デロイト トーマツのWebサイト)

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