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IASB、IFRS第17号の修正候補決定の最終ラウンドを実施

IAS Plus 2019.03.14

IASBはロンドンで開催された会議で、IFRS第17号「保険契約」と、2018年10月に修正候補として識別されたIFRS第17号に関する25項目の懸念事項のうち最後の項目について議論し、IFRS第17号を修正することを暫定決定した。

IASBはロンドンで開催された会議で、IFRS第17号「保険契約」と、2018年10月に修正候補として識別されたIFRS第17号に関する25項目の懸念事項の最後の項目を議論した。

10月に合意された修正案を評価するための要件を適用して、スタッフはIASBに以下の提案を検討することを求めた。

2018年10月のIASB会議で識別された論点

2019年3月のアジェンダ・ペーパー(IASBのWebサイト-英語-※1)

スタッフ提案


IASBの暫定決定   

2-保険契約の集約レベル

2A

集約レベルについてのIFRS第17号の要求事項を、変更せず維持する。


14名全員がスタッフ提案に賛成

1-IFRS第17号の範囲

2D

保険カバーを提供する一定のクレジットカード契約をIFRS第17号の範囲から除外するようにIFRS第17号を修正する。


14名全員がスタッフ提案に賛成

25-経過措置: リスク軽減のオプション

2E

1. 企業が、リスク軽減オプションをIFRS第17号への移行日から将来に向かって適用することを認めるように、IFRS第17号の要求事項を修正する。

2. 直接連動有配当保険契約のグループにIFRS第17号を遡及適用することができる企業に対して、一定の状況下で、当該グループに公正価値移行アプローチを使用することを認めるように、IFRS第17号の要求事項を修正する。


14名全員がスタッフ提案に賛成 

 

1-IFRS第17号の範囲

2F 

1. 重大な保険リスクを移転する貸付金についてのIFRS第17号における経過措置を維持する。(企業がそのような貸付金のポートフォリオにIFRS第17号の要求事項を適用することを選択する場合)

2. 重大な保険リスクを移転する貸付金についての、IFRS第9号における経過措置を維持する。(企業がそのような貸付金のポートフォリオにIFRS第17号の要求事項を適用することを選択し、かつ、IFRS第17号とIFRS第9号を同時に適用開始する)

3. 重大な保険リスクを移転する貸付金についての、IFRS第9号における経過措置を修正する。(企業がそのような貸付金のポートフォリオにIFRS第17号の要求事項を適用することを選択し、かつ、IFRS第17号の適用開始の前にIFRS第9号を適用している)

4. IASBが提案3を支持する場合、修正案を適用するために必要なIFRS第9号の経過措置を適用することを要求する。

5. IASBが提案3を支持する場合、企業が修正案を最初に適用する日において、修正案を適用する結果として、新たな会計上のミスマッチが生み出されるか、又は従来の会計上のミスマッチが存在しなくなる場合に、企業が新たに公正価値オプションの対象とする金融負債を指定することを認め、公正価値オプションの対象としていた金融負債の従前の指定を取り消すことを要求する。

6. IASBが提案3を支持する場合、修正案の適用を反映するために企業が過去の期間を修正再表示することは要求しないが、特定の条件の下で企業が過去の期間を修正再表示することを認める。

7. IASBが提案3を支持する場合、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」28項(f)で要求されている定量的情報の表示を免除し、他のIFRS基準が要求する開示に加えて、特定の情報を開示することを企業に要求する。

14名全員がスタッフ提案に賛成 

これまでのIASBの暫定決定に伴う開示の要求事項の修正

2G

1. 報告期間の末日現在で残存している契約上のサービス・マージンの純損益への予想される認識の定量的開示、及び保険カバー及び保険関連サービスまたは保険リターン・サービスで提供される便益の相対的なウェート付けの評価に対するアプローチの特定の開示を要求するよう、IFRS第17号を修正する。

2. 保険契約グループの測定にまだ含めていない保険獲得キャッシュ・フローによって創出された資産の期首と期末の調整表、及び関連する保険契約が認識される場合に、関連する保険契約の測定に当該保険獲得キャッシュ・フローが含まれる予想に関する定量的開示を要求するよう、IFRS第17号を修正する。

14名全員がスタッフ提案に賛成 

全般的な開示の要求事項及び経過措置

2H

AP2E、2F及び2Gで議論されたようにIFRS第17号を修正し、IFRS第17号の他のすべての開示の要求事項及び経過措置を維持する。

14名全員がスタッフ提案に賛成


IASBは、これで2018年10月に識別した25項目すべてのトピックを検討した。4月の会議においてIASBは、IASBが暫定決定した修正のパッケージを全体として検討する予定である。

また、IASBは、プレスリリースを通じてアクセス可能なIFRS第17号に関する2019年3月IASB会議の議論についてのポッドキャストを公表した。

 

※1》 2019年3月IASB会議のアジェンダ・ペーパー(IASBのWeb サイト)

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