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デロイトによる調査「2021年までのカウントダウン:IFRS第17号適用への保険会社の準備」についてのコメント

2018.07.18

世界各国の保険会社のうち、三分の一がIFRS第17号導入に5千万ユーロ超の予算を計上しており、困難な道のりであるにも関わらず、90%の保険会社が2021年の発効日までの遵守に自信を示しています。

本日発行されたデロイトのリサーチによると、国際財務報告基準(IFRS)第17号の導入に際し5千万ユーロ(4.42千万ポンド)以上の予算を計上している保険会社は、三分の一以上(35%)に上ります。IFRS第17号は、新たな国際会計基準として2021年1月1日に発効されます。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが作成した本リサーチはまた、各国の保険企業においてテクノロジー関連の支出に大きく焦点があたっていることを取り上げています。本リサーチにより、87%が2021年の発効日に先駆けて自社システムのアップグレードを予定していることがわかりました。

デロイトのグローバルIFRS 保険リーダーのFrancesco Nagariは、以下のように述べています。

「2017年5月に公表された待望の同基準は、すべての種類の保険契約に対し、同じ財務報告要求事項を定めることを目的としています。しかしながら、コンプライアンスを達成するには、保険会社はより精細なデータでより精緻な計算を行うことが求められ、これは現在の会計実務に必要な情報を大幅に超えています。デロイトの調査結果は、以前よりもはるかに多くの保険会社が期日までに遵守できるように、多額の予算を投じ、幅広く取り組んでいることを示しています。」

最終基準が公表される前に実施された5年前のデロイトのリサーチでは、5千万ユーロ超の支出を見込んだ保険会社はたった7%でした。

Nagariは、以下のように付け加えました。「予算が多額かつ膨張しているにも関わらず、調査したほぼすべて(90%)の保険会社が期日に間に合うと、ある程度または強く確信しています。2021年は、保険業界にとって厳しく重要なマイルストーンですが、万国共通の会計言語に向けて、透明性及び比較可能性を高める重要な一歩となるでしょう。」

テクノロジー関連の支出に加え、保険会社は、新しいシステムを導入するだけではなく、財務部門や数理部門等の部署間のさらなる協働も推進するスペシャリストにも投資しています。

英国デロイトのパートナーであるAndrew Spoonerは、以下のように述べています。

「保険会社はまた、数理及び会計に関する知識を有する人材が市場に不足していることを報告しています。この問題は、基準の遵守に必要なデータをさまざまな分野から収集し、新しい方法で処理しなければならないことが一因となっています。最終的に、これには、IFRS第17号の影響を最も受けるIT、数理及び財務面のピースを継ぎ合わせられる人材が一致団結して取り組むといった、より強力な協働文化が必要になるでしょう。」

 

調査について

本レポート「2021年までのカウントダウン:IFRS第17号適用への保険会社の準備」(デロイトのWebサイト-英語※1)は、デロイトの代わりにエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが執筆したシリーズの第3弾です。IFRS第17号導入に向けた世界の保険業界の準備の進捗度を調査しています。本最新レポートの調査結果は、英国、米国、カナダ、イタリア、ドイツ、フランス、日本、スイス、スペイン、中国、韓国、オランダを拠点とする保険会社を対象とし、340名の保険担当エグゼクティブからの回答に基づいています。回答者は、損害保険会社(29%)、再保険会社(20%)、総合保険会社(18%)、生命保険会社(18%)、医療保険会社(15%)を含む、多様な保険会社のディレクターやバイスプレジデントまたはそれ以上の役職にあるエグゼクティブです。正味収入保険料は3億ユーロから50億ユーロの範囲及びそれ以上です。調査は、回答者に対して2018年2月と3月に行いました。


※1》 ‘Global IFRS Insurance Survey 2018’ 2021 countdown underway: Insurers prepare for IFRS 17 implementation(デロイトのWebサイト-英語)

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