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日本版スチュワードシップコード

資産運用に求められるガバナンス

2014年に策定された日本版スチュワードシップコードは資産運用会社に新たなガバナンスを求めるものである。その影響を紐解く。

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金融庁は2014年2月、『 「責任ある機関投資家」の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫ 』(以下「本コード」)を公表した。本コードを受け入れる機関投資家は、184にのぼっている(2015年3月12日金融庁発表)。内訳は、信託銀行等6、投信・投資顧問会社等129、生命・損害保険会社21、年金基金等21、その他(議決権行使助言会社他)7である。受入表明を実施したのちは、コードにのっとった具体的な行動方針を示すことが必要であり、それはホームページ等で投資家や、投資を受け入れる株式会社等が参照できることになる。

本コードには、「投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために」という副題が与えられており、コードの使命をうかがうことができる。コードの柱のひとつに「スチュワードシップ責任」がある。機関投資家が果たすべき「スチュワードシップ責任」とは、投資先企業との間で建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)を行うことなどを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、「顧客・受益者」の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任である、とされている。本コードは、そのために有用と思われる諸原則を定めている。

もとより多くの機関投資家は既に、利益相反の防止、投資先企業に対する積極的なアナリスト活動、または一貫した議決権行使方針の策定など、本コードが定める個々の原則の要求にも沿った行動を取っていると思われるが、改めてこれらの行動を本コードの下で統一的に捉え、さらに、有効なコーポレートガバナンスのあり方を意識することが欠かせない。

本コードに沿った機関投資家の行動方針は、上述した主要機関投資家の本コード受入れへの積極的な姿勢に鑑みれば、今後わが国において機関投資家が評価・選別される上での重要な要素になるはずであり、すでにそのような動きが出ていることも事実である。行動方針が型どおりのものではなく実効性をともなっているかどうか、行動方針と実際の行動とに齟齬がないかどうか、行動の結果、投資先企業に有意な変化が現れたかどうかといった点を把握し、常に行動方針を刷新し続けることが求められている。

今後は、自らのスチュワードシップ活動を、顧客・受益者にとって有意義な形でレポートするかという点も重要性を増す。わかりやすさと透明性を確保したコミュニケーションにより、インベストメントチェーンを活性化することでよりよい投資環境が整うことになる。
日本市場に飛躍のチャンスが到来している。

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