ナレッジ

売却先で再び輝く

記事:事業売却(4)

売却される事業に従事する人々は不幸なのか。自社のノンコア事業として先細りの運命をたどるより、むしろ、他社のコア事業として大きく育っていく方が従業員にとっても幸せだと考えられないだろうか。事業売却は「切り捨て」ではない。「新しい舞台で輝くチャンス」なのである。

関連コンテンツ

セルサイド視点からM&Aを考察する

事業売却を決断した経営者は、何よりも売却事業に従事している従業員の処遇を気にする。たとえ業績不振のノンコア事業であっても、当初は、自社のコア事業に育てようと考えて始めたに違いない。「コア事業に集中するため」「株主の圧力から仕方なく」「こんなに不況が長引かなければ」。どれだけ理由を並べても、長年の苦楽を共にしてきた従業員を第三者に譲り渡すことに、大なり小なり抵抗はあるだろう。

けれども、そう悲観的になる必要はない。自社にとってはノンコア事業であっても、それを買い求めた買手企業にとっては、コア事業のために必要な事業なのである。その事業を立て直すプランも、今後の成長戦略もあるはずだ。自社のノンコア事業で先細りの運命をたどるより、むしろ、他社のコア事業として大きく育っていく方が従業員にとっても幸せだと考えるべきであろう。

また、新しいマネジメントの下で、新しい経営資源と結びついて、革新を起こすことも可能である。環境の変わらない中で、革新を起こすことは難しい。しかし、M&Aは、半ば強制的に環境を変える機会である。これまでの常識やしがらみから解放され、新しい行動や発想を生み出しやすい。すなわち、革新を起こすのにはまたとないチャンスなのである。変化を恐れるのではなく、むしろそれを利用するくらいの心構えをもっていただきたい。

M&Aや経営統合の先に、重複部門の統廃合や余剰人員の削減が行われることもあるだろう。でもそれは、自力で事業を続けて、業績悪化に歯止めをかけられない場合にも起こりうることではないだろうか。事業売却は「自社からの切り捨て」ではない。「新しい舞台で輝くチャンス」なのである。

※本文中の意見に関する部分は私見であり、法人の公式な見解ではない旨申し添える。


NEXT: 5. 事例でみる事業売却

デロイトトーマツグループの事業売却の実績は下記をご覧ください。

■ 実績:事業売却

企業再生に関する最新情報、解説記事、ナレッジ、サービス紹介は以下からお進みください。

>> 企業再生:トップページ << 

お役に立ちましたか?