事業売却/事業買収における対象事業のカーブアウト分析

業界再編や企業グループ内の事業ポートフォリオの見直しを受け、事業の一部売却もしくはグループ会社の再編や売却を検討する企業が増加しています。事業売却やグループ再編の意思決定・プロセスを速やかに進めるためには、対象事業を現状の組織や企業グループから切り離した場合に(以下、カーブアウト)、事業継続をするためにはどのような課題や手立て等が必要か見極めておく必要があります。対象事業をカーブアウトする事による課題や追加で生じるコストを事前に把握しておくことで、セルサイドとしては想定外の要因により交渉が不利になる事や、譲渡価格への影響など、案件を進めるうえでのリスクを最小限にする事が出来ます。

バイサイドとしては事業計画の妥当性や実現性の評価を十分なものにするために、デューデリジェンスにおいて対象事業のカーブアウトに係るリスクとカーブアウトに必要な対応・コストを把握し、必要に応じてバリュエーション・取引実行条件へ反映する必要があります。

カーブアウト案件における豊富な実績と経験を有する専門家が対象事業のカーブアウト分析を行い、デューデリジェンスに向けたセルサイドの事前調査およびバイサイドのデューデリジェンスをサポートします。

事業売却における対象事業のカーブアウト分析

事業売却の検討にあたっては、取引の対象とするカーブアウト範囲の整理が重要となります。検討に着手した時点では対象事業は他事業部門やコーポーレート部門などを含めて会社組織として一体となっているため、組織・人員及び拠点・設備といった観点でカーブアウト範囲を明確化していく必要があります。カーブアウト範囲の明確化後には、事業継続性や対象範囲に課題がないか、セルサイドにとっての価値が最大化されているか、セルサイドの残存事業への影響がどの程度か等について多角的に分析を実施します。分析結果を踏まえて実際に事業売却を進めるのかの方針検討のほか、主要な交渉論点の対応方針を検討することでバイサイドとの交渉を有利に進めるための準備を実施します。事業のカーブアウトは極めてセンシティブな案件のため、社内の限られたリソースで短時間のうちに検討する必要があり、プロジェクトオーナーとも緊密に連携して課題を整理し対応します。

事業買収における対象事業のカーブアウト分析

バイサイドとして対象事業の事業運営に必要な経営資源が取引対象範囲(カーブアウト範囲)に含まれているかどうかを確認し、事業継続性や対象範囲に課題がないか、バイサイドにとっての価値を向上させるためにセルサイドと交渉が必要な経営資源がないか等について多角的に分析を実施します。また、取引対象外となっている事業運営に必要な経営資源の補完方法(自社で補完(TSA含む)・セルサイドから業務提供を受ける等)の検討と、経営資源の補完に必要となるコスト(ワンタイム/ランニング)の分析を行い、必要に応じてバリュエーション・取引実行条件へ反映します。