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営業店で知っておきたい金融行政方針のポイント

リージョナルバンキング(平成30年2月号)掲載

金融庁は、平成29年11月に、平成29事務年度・金融行政方針を公表しました。そこで、営業店で働く職員が知っておきたい金融行政方針のポイントとして、「金融行政方針の基本的な考え方」「検査・監督のあり方の見直し」「顧客本位の業務運営」の3つを軸に解説を行います。

金融行政方針の基本的な考え方

金融行政とPDCA

金融庁は、金融行政の目指すものを金融行政方針において明確化し、金融レポートでその進捗状況や実績を評価するといった金融行政のPDCAを重要視している。なお、その評価内容は翌事務年度の金融行政方針に反映される運用となっている。
金融行政方針が掲げる重要な目標は、「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大」とされている。この目標は平成27事務年度から一貫しており、1)金融システムの安定と金融仲介機能の発揮の両立、2)利用者保護と利用者利便の両立、3)市場の公平性・透明性と市場の活力の両立、を図ることが目標達成に必要とされている。

金融行政方針のメッセージ

平成29事務年度・金融行政方針では、環境変化への機動的な対応をはじめ5つの観点から、「既存のビジネスモデル」「既存の思考回路」「既存の組織運営」の見直しを求めているとみられる。

(PDF、215KB)

検査・監督のあり方の見直し

金融行政の新たなアプローチ

平成29事務年度・金融行政方針では、検査・監督のあり方を見直すことにも言及されている。この背景には、金融庁(金融監督庁)の発足当初における不良債権問題に対応するために作られた検査・監督の手法が、時代のニーズに合わなくなってきたことがある。もっとも、金融庁としても、不良債権問題の解消に目処が付いた後は、ベター・レギュレーション(2007年)の方針を打ち出し、金融行政方針の方向転換を図っている。現在、金融庁が進めている金融行政は、基本的にはこのベター・レギュレーションの延長線上にあると言える。

顧客本位の業務運営

家計の安定的な資産形成の推進(金融・資本市場の整備)

金融庁は、金融・資本市場の質の向上に向けて、「つみたてNISA」の導入、「顧客本位の業務運営に関する原則」の策定等を実施してきた。しかし、これら施策の成果は未だ十分な水準に達していないと指摘されている。

さいごに

金融行政方針が指摘するように、低金利環境の長期化、少子高齢化・人口減少を踏まえると、伝統的な銀行業務を取り巻く環境は厳しいと言える。また、他業種からの参入(フィンテック企業等)もあって、競争環境は一段と厳しくなることが想定される。

 

より詳しい解説や表は、PDFをご覧ください。

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