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ナレッジ

「金融機関向けIFRSニュース 2024年10月」(2024年11月掲載)

銀行・証券・保険・リース・クレジットカード

Deloitteが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」等より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。

「金融機関向けIFRSニュース 2024年10月」

Deloitteが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約し、金融機関等の皆様に向けて週次でニュース配信しております。以下は、配信した週次ニュースを月次単位(記事日付の属する月基準)で集約した記事一覧・概要(一部抜粋)となります。実際の詳細な週次ニュース配信のご要望等ございましたら、右上のお問合せからお問合せください。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、リンク先の<凡例(PDF))>をご参照ください。

 

<今月のハイライト>

◆全般

 Deloitteによる2024年版IFRS財務諸表の例示(銀行)が公表
DeloitteからIFRS財務諸表の表示と開示の理解を手助けする2024年版IFRS財務諸表(銀行)の例示が公表されました。金融機関のIFRSの例示としても参考活用でき、特に金融機関向けに参考になる項目として、信用リスク注記等金融商品関係の注記だけではなく、リース注記等も含まれています。他に、気候変動や低炭素経済への移行から生じるリスクや不確実性が財務諸表にどのような影響を与えるかを説明するためにAppendixにおいて、金融機関にとっての気候変動による財務諸表の影響も、領域毎の情報が集約掲載されています。

◆金融商品

■ ASBJによる金融商品の減損についてステップ4や基準体系、今後の審議の進め方の議論が進行
ASBJの金融商品の減損について、第534回企業会計基準委員会では、満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券の取扱いのプロジェクトの進め方に関する再提案、及び債権単位での信用リスクの著しい増大(SICR)の判定方法の修正に関する議論が行われました。また、第535回企業会計基準委員会では、ステップ2/3やステップ4のオプションの開示、ステップ4の審議の振返り、及びIFRS会計基準の定めを金融商品会計基準等に取り込むうえでの体系や今後の審議の進め方について議論が行われました。

 

<今月の配信記事一覧>

 

※1 発信元の正式名称はリンク先の<凡例(PDF)>をご参照ください。
※2 <今月のハイライト>で個別に取り上げた記事を■で、1つのテーマで紹介した複数記事を□で示しています。

 

<記事概要>

サステナビリティ

【Deloitte】

(2024年10月10日)
『iGAAP in Focus 欧州サステナビリティ報告 企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づく「適正な表示」』を掲載しました。

当ニュースレター(全6ページ)では、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づく「適正な表示」に関連する考慮事項と、欧州委員会(EC)が発表したCSRDの適用に関するFAQ70(よくある質問)の草案を含む最近の動向を踏まえたサステナビリティ報告書の作成への影響について取り上げています。

<目次>

  • 欧州委員会からのガイダンスの草案
  • 「適正な表示」とESRSにおけるサステナビリティ情報の質的特性
  • 「適正な表示」と「一歩下がった(stand-back)」評価
  • CSRDの法的テキストとEU加盟各国法への法制化

なお、ニュースレターの日本語版は、こちら(Deloitteのウェブサイト)に掲載されています。

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【TNFD】

(2024年10月28日)
TNFDは自然移行計画に関するディスカッション・ペーパーを発行しました。

自然関連情報開示タスクフォース(TNFD)は、自然移行計画に関するガイダンス案をまとめたディスカッション・ペーパーを発行しました。ディスカッション・ペーパー内で提示されているガイダンス案は、TNFDが推奨する開示に沿った移行計画を策定及び開示する企業や金融機関を対象としています。
本ガイダンス案において、自然移行計画は、組織の全体的な事業戦略の一側面として定義することが提案されており、組織のゴール、目標、行動、説明責任メカニズム(accountability mechanisms)、そして昆明・モントリオール生物多様性世界枠組み(GBF)において示されたネイチャーポジティブ経済への移行に対応し貢献するためのリソースを示すものとされています。GBFでは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、2050年までに自然を回復の軌道に乗せることを目指しています。また、本ガイダンス案は、気候移行計画に関する現在の市場慣行、特にGlasgow Financial Alliance for Net Zero(GFANZ)の活動や英国の移行計画タスクフォース(TPT)の移行計画の開示に関する勧告を基に構成されております。
なお、本ディスカッション・ペーパーへのコメント期限は2025年2月1日です。

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保険契約

【ESMA】

(2024年10月25日)
IFRS第17号「保険契約」の初度適用に関するレポートが公表されました。

欧州証券市場監督局(ESMA)は、発行者が年次財務諸表を作成し、IFRS第17号「保険契約」を適用する際に支援するための推奨事項を含むレポート「From “black box” to “open book”?」(全37ページ)を公表しました。本レポートでは、欧州の保険会社の2023年の財務諸表におけるIFRS第17号の初度適用に関する所見、発行者がIFRS第17号の要求事項の適用を視覚化できる開示例、IFRS第17号の開示をどのように改善できるかについての発行者への提案が提供されています。

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全般

【Deloitte】

(2024年10月30日)
Deloitteは「2024年版IFRS財務諸表の例示(銀行)」を公表しました。

Deloitteは、「2024年版IFRS財務諸表の例示(銀行)」(全219ページ)を公表しました。本資料は、2024年12月31日に終了する事業年度の銀行のIFRS財務諸表を例示し、IFRS会計基準を継続適用する(IFRS会計基準を初度適用した企業ではない)場合の財務諸表の表示及び開示の要求事項の理解を助けることを目的としています。なお、気候変動や低炭素経済への移行から生じるリスクや不確実性が財務諸表にどのような影響を与えるかを説明するためにAppendixでは気候変動による財務諸表の影響についても情報集約されています。

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会議

【IASB/FASB】

(2024年10月16日)
2024年10月のIASBとFASBによる教育セッションの議事メモ(Deloitte作成)が掲載されました。

2024年10月11日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。

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【IASB】

(2024年10月29日)
2024年10月のIASB会議の議事メモ(Deloitte作成)が掲載されました。

2024年10月21日から23日にかけて開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。

  • 動的リスク管理
    (暫定決定事項あり)
    • IASBは、動的リスク管理(DRM)公開草案で提案する経過措置、IFRS会計基準の結果的修正及びDRM公開草案についてのデュー・プロセスの手順(正面投票プロセスの開始の許可を含む)について議論し、企業はDRMモデルを将来に向かって適用することを要求され、要求される開示とともに早期適用することが認められる点、DRMの要求事項をIFRS第9号「金融商品」の新たな章において追加される点及び公開草案について240日のコメント期間を設定すること等を暫定決定しました。
  • 企業結合-開示、のれん及び減損
    (暫定決定事項なし)
  • 電力購入契約
    (暫定決定事項あり)
    • IASBは、公開草案で示したヘッジ会計の要求事項案に軽微な変更を加えたうえで最終確定する点、公開草案で示されたとおりの開示要求案(IFRS第19号「公的説明責任のない子会社:開示」を適用する企業に適用される提案を含む)に軽微な変更を加えて最終確定する点について暫定決定しました。IASBは、発効日を2026年1月1日に設定し、早期適用を適用開始日から認める点、提案している自己使用の修正について遡及適用を要求し、比較情報の修正再表示を企業に要求しない点及び提案しているヘッジ会計の修正については企業がヘッジ会計の要求事項を将来に向かって適用することを引き続き要求する点、最終確定した修正を2024年末までに公表する計画等を暫定決定しました。
  • 資本の特徴を有する金融商品
    (暫定決定事項なし)

なお、ASBJによるIASB Updateの日本語訳は、こちら(ASBJのウェブサイト)に掲載されています。

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【ISSB】

(2024年10月29日)
2024年10月のISSB会議の議事メモ(Deloitte作成)が掲載されました。

2024年10月24日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。

なお、SSBJによるISSB Updateの日本語訳は、こちら(SSBJのウェブサイト)に掲載されています。

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ワーク・プラン

【IASB/ISSB】

(2024年10月29日)
IASB及びISSBがワーク・プランを更新しました ─ 変更点の分析(2024年10月の会議等)

2024年10月のIASB会議及びISSB会議の結果を受けて、ワーク・プランが変更されました。なお、電力購入契約の最終化された基準は2024年12月末に公表される予定です。

<主な変更点>

  • 基準設定プロジェクト
  • メンテナンス・プロジェクト
  • リサーチ・プロジェクト
  • その他のプロジェクト

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コンバージェンス

【ASBJ】

(2024年10月30日)
現在開発中の会計基準に関する今後の計画が改訂されました(2024年10月30日公表分)。

ASBJは、日本基準及び修正国際基準(IFRSと企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。

<主な改訂点>

  • 四半期報告書制度の見直しへの対応
    • 企業会計基準第33号「中間財務諸表に関する会計基準」及び企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」を統合した会計基準等の開発の要否について、2024年10月より検討を開始している旨が追加されました。

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(2024年10月8日)
第534回企業会計基準委員会の概要が公表されました。

ASBJは、2024年10月8日に開催された第534回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。当委員会では、今回、以下を含む事項が審議されました。また、審議は動画(YouTube)公開されました。

<審議事項の一部>

  • IASB公開草案「財務諸表における気候関連及びその他の不確実性(設例案)」への対応
  • 金融資産の減損に関する会計基準の開発
    • 満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券の取扱いについての再提案(プロジェクトの進め方)※
      • 案1:減損について、満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券すべてを減損プロジェクトの対象としない。分類及び測定については、見直しに着手にすることを合わせて意思決定する。
      • 案2:減損について、満期保有目的の債券及び貸付金代替債券を減損プロジェクトの対象とする。分類及び測定については、早期に見直しの着手に関する議論を開始する。
      • 案3:減損について、満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券すべてを減損プロジェクトの対象とする。分類及び測定については、今後見直しに着手するか否かを決定する。

        ※上記の案1は、分類及び測定の見直しに着手することをあわせて意思決定することの困難さ、及び現行の有価証券の減損モデルの課題が長期間にわたり解決しないため、案1を採用しないことが考えられる。上記の案2及び案3については、いずれの進め方も採用し得ると考えられるため、案2及び案3のいずれによって進めるかについて意見を伺う。
    • 債権単位での信用リスクの著しい増大(SICR)の判定について聞かれた意見への対応
      • 提案されていたSICRの判定方法は、債務者単位での前期末の区分に基づく反証方法を示していることから、新規取引先の実行年度の取扱いが明確ではなかったため、債務者単位で前期末において債権等が存在しない場合にはSICRが生じていないと反証できるようにSICRの判定方法を修正する。

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(2024年10月29日)
第535回企業会計基準委員会の概要が公表されました。

ASBJは、2024年10月29日に開催された第535回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。当委員会では、今回、以下を含む事項が審議されました。また、審議は動画(YouTube)公開されました。

<審議事項の一部>

  • IASB公開草案「財務諸表における気候関連及びその他の不確実性(設例案)」への対応
  • IASB公開草案「持分法会計―IAS第28号『関連会社及び共同支配企業に対する投資』(202x年改訂)」への対応
  • 金融資産の減損に関する会計基準の開発
    • オプションの開示(ステップ2/3及びステップ4)
      • 企業が企業会計原則注解及び企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に照らして重要な会計方針に該当すると判断したオプションについて、重要な会計方針として注記する。
      • 「貸付金が事業目的に照らして重要である企業」が次のオプションを採用した場合には、「(1)会計方針に関する事項」※として注記する。
        ① A-2:貸付金に関連する手数料の取扱い(ステップ2)
        ② B-4:実効金利に代えて約定金利を用いるオプション
        ③ B-5:貸付金に関連する手数料の取扱い(ステップ4)
      • 「(3)貸倒引当金の算定プロセスに関する事項」※として、IFRS第7号「金融商品:開示」の開示に関する定めを取り入れ、企業は開示目的に照らして開示の要否を判断する。また、ステップ4を採用する金融機関が次のオプションを採用した場合に想定される開示について、結論の背景に記載する。
        ① B-1:我が国のこれまでの信用リスク管理実務と親和的な債務者区分を活用した方法
        ② B-2:その他要注意先及び要管理先に対する債権の予想信用損失の見積期間
        ③ B-3:単一の将来予測シナリオのみを考慮するオプション
      • 重要な会計方針の注記として記載した内容について、「(1)会計方針に関する事項」及び「(3)貸倒引当金の算定プロセスに関する情報」において繰り返す必要はなく、重要な会計方針の注記を参照することができるとする。

        ※第507回企業会計基準委員会において、開示目的を達成するために以下の情報を提供することを提案していた。
        (1)会計方針に関する事項
        (2)貸倒引当金の分解情報
        (3)貸倒引当金の算定プロセスに関する情報
        (4)当期及び翌期以降の財務諸表への影響を理解するための情報
    • ステップ4の振返り
      • 満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券の取扱いを除いて、会計基準等への定めの取り入れ方について検討を進める。
      • 満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券の取扱いについては、引き続き案2及び案3のいずれによって進めるか議論する。

        ※第534回企業会計基準委員会において提案された案2及び案3は下記の通り。
        案2:減損について、満期保有目的の債券及び貸付金代替債券を減損プロジェクトの対象とし、分類及び測定について、早期に見直しの着手に関する議論を開始する。
        案3:減損について、満期保有目的の債券及びその他有価証券に分類される債券すべてを減損プロジェクトの対象とし、分類及び測定について、今後見直しに着手するか否かを決定する。
    • 金融商品会計基準等の体系の再提案及び今後の審議の進め方(ステップ6)
      • 減損
        ① IFRS第9号の個々の定めについて検討を行い、取り込みの要否及び表現を見直した上で、ステップ2として金融商品会計基準に取り込む内容、新たに開発する適用指針に取り込む内容及びいずれにも取り込まない内容を峻別する。
        ② ステップ2のオプションについて、新たに開発する適用指針におけるどの定めと関連付けて記載するか検討する。
        ③ ステップ4のオプションについて、区分を設けてまとめて記載するか検討する。
        ④ IFRS第9号の設例について、我が国の状況に合せるように一部修正するか検討する。
        ⑤ 実務上の参考になる項目に関する補足文書の内容を検討する。
      • 開示
        ① IFRS第7号の個々の定めについて検討を行い、表現を見直した上で、新たに開発する適用指針に取り込む内容及び取り込まない内容を峻別する。その際、現行の時価等開示適用指針に含まれる既存の定めの削除及び見直しの要否を併せて検討する。
        ② 実務対応報告第18号に基づき在外子会社の財務諸表が米国会計基準に準拠して作成されている場合の開示に関して、現在予想信用損失(CECL)モデルに基づく情報の開示方法については具体的に定めず、複数の開示方法があることを示すように補足文書の内容を検討する。
        ③ これまで事務局から提案した内容及び聞かれた意見について、追加的な検討を行う。
  • 四半期報告制度の見直しに関する対応
  • バーチャルPPA(電力購入契約)に係る会計上の取扱い

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その他

【IASB】

(2024年10月22日)
持分法会計の公開草案に関するウェブ・キャスト・シリーズの翻訳が掲載されました。

IASBは、持分法に関する公開草案IASB/ED/2024/7「IAS第28号『関連会社及び共同支配企業に対する投資』(202X改訂)」に関する全3回から構成されるウェブ・キャスト・シリーズを公開しました。これらのウェブ・キャストは、日本語(また、フランス語、中国語、スペイン語)でも視聴可能です。

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