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ガバナンスに係る規制の新たな潮流

英国では、金融機関等役職員の個人責任に係る規制が強化されます
 

2016年より、英国では金融機関等役職員が有する自身の役割に関する個人責任を強化するための規制が、当初は銀行、保険会社を対象に導入されます。 この役職員に係る規制への対応は、日本の金融機関のガバナンス構築を整理する良いタイミングであると共に一つの新たな手法であると考えられます。この対応を通じ、銀行や保険会社は、改めてガバナンス体制を担う役職員の役割と責任を明確にし、全社的なリスク管理向上のためのツールとすることで、コンダクトリスクへの対応に資すると考えられます。

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規制の概要

英国では銀行の役職員個人に対する責任の強化に係る規制(シニア・マネジャー・レジーム(SMR))が導入され、2016年3月7日から適用が開始されます。保険会社についても、2016年1月から開始するソルベンシーⅡ規制の要件とも関連付けて、シニア・インシュランス・マネジャー・レジーム(SIMR)が導入されます。
本規制では、英国金融機関等の役職員はその行動および意思決定についてより明確な責任が課されるようになり、また、金融機関等や当局は当該役職員に対し、より容易に説明責任を課すことができるようになります。
具体的には、金融機関等は以下のような項目への対応が求められます(詳細はレポート本体をご覧ください)。

(1)シニア・マネージャー・レジーム/シニア・インシュランス・マネージャー・レジーム
金融機関等は、基本的な責任事項である「事前に定められた責任」をどのシニアマネージャー(SMF)もしくはシニア・インシュランス・マネージャー(SIMF)の職責を担当する上級管理職が担うのかを整理します。

(2)認証レジーム/主要機能を有する者(Key Function Holder)
SMF/SIMFの対象となる上級管理職以外にも、重要な業務を担当する役職員を特定し、適格性評価を行う必要があります。

(3)コンダクト・ルール/コンダクト・スタンダード
従業員やシニア・マネジャーに期待されるハイレベルな基準が定められました。

なお、銀行のみに厳格な規制を導入することによる規制のアービトラージを防ぐため、英国財務省から、シャドー・バンキング・セクター等、他の金融機関にも、銀行と同レベルの規制を導入する方針が、2015年10月15日に提案されています。規制の詳細については、今後の動向が待たれますが、英国に拠点を有する日系金融機関においても、この規制への対応として、またそれを超えた統合的な全社リスク管理の一環として、一層のガバナンス体制の強化を行う必要があると考えられます。

本邦金融機関にとって実務上課題となる点

本規制は英国金融機関等だけではなく、非英国金融機関等であっても英国に現地法人・支店を有する場合には適用対象となるため、日系の銀行、保険会社においても適切に対応することが求められています。

<実務上課題となる点(例)>

  • 全社的なガバナンス態勢の理解
  • 英国拠点に重要な影響を及ぼす本店等役職員の選定
  • レポーティングラインや内部規定の変更
  • SMFによる「挙証責任」への対応
  • 研修の実施

詳しい内容は、News Letter(PDF、300KB)をご覧下さい。
 

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