ナレッジ

第2回 LIBOR移行に伴う全社的な影響

LIBOR移行に伴う課題について

本シリーズでは3回に分け、金融機関のLIBOR移行に伴う課題について説明します。第2回は、LIBOR移行に伴う全社的な影響について説明します。

第2回 LIBOR移行に伴う全社的な影響

LIBOR移行については全社的な影響を早期に把握し、対応策を策定し、アクションをとることが重要です。 
LIBOR移行の影響は、商品、業務プロセス、システム、報告・モデルに及ぶと考えられます。【図1】

【図1】

特に商品については注意が必要です。LIBORはデリバティブ取引のみならず、貸出金、預金、借入金、有価証券についても指標金利として広く使われています。またLIBORは、金融商品評価のためのイールドカーブの構築にも使用されているため、モデル評価が行われている金融商品全般についてもその評価に影響を与えます。さらに契約金利としてLIBORが明示されていなくても、例えば証券化商品やファンド商品など、そのアンダーライイングアセットにLIBOR連動商品が入っている場合には影響を受ける可能性があります。この場合、アンダーライイングアセットの変動金利がどのように変更されるかという観点のみならず、将来予想キャッシュフローとその割引現在価値が変わる可能性があることからトランシェ間の利益相反という観点からもLIBOR移行の影響を考える必要があります。
LIBORに関連する商品を特定するにあたっては金利にLIBORと明示されていない金融商品も含め包括的に把握することが重要となります。

また、影響が広範囲に及ぶため、LIBORの移行作業は長期にわたり、多くの部署、組織が関係すると想定されます。そのためLIBOR移行のプロジェクトを立ち上げるにあたっては、経営の下にワーキンググループを設置し、事務局(PMO)が管理する必要があると考えられます。さらにテーマに応じて、関連部署による分科会が担当し、PMOが統括することが必要です。【図2】

【図2】

【図表2】 スプレッド調整方法(Spread Adjustment Methodologies)

第3回(最終回)は、LIBOR移行のプロジェクトの進め方についてお話しします。

執筆者:有限責任監査法人トーマツ
パートナー  上野佐和子
ディレクター 勝藤史郎
ディレクター 小山敦史
シニアマネジャー 千田大次郎

お役に立ちましたか?