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金融サービスにおける次世代のデータ共有

プライバシー強化技術を活用した新たな価値創造

2015年以来、デロイト グローバルは世界経済フォーラム(World Economic Forum : WEF)と協力し、金融サービス変革の一助となることを目的とする共著でのレポートを発行しています。2019年のレポートを要約・翻訳したエグゼクティブレポート「金融サービスにおけるデータ共有:プライバシーと機密性を強化する5つのテクニック」では、金融サービスのAI利用におけるデータ共有とプライバシー・セキュリティ確保の必要性について解説していますのでご一読ください。

多くの場合、データの価値は、個々データの総和以上の価値を有します。特に金融サービスにおいては、データの利用により顧客へより付加価値のあるパーソナライズされたサービスの提供が可能となり、詐欺などのビジネス課題にも対応することができます。しかし同時に、データの利用は、顧客、金融機関、規制当局においてプライバシーとセキュリティの懸念を引き起こします。こうした懸念により、これまで金融機関は、データの価値を最大限に引き出すことができませんでした。しかし、新たに登場したプライバシー強化技術(PETs)は、データ利用から派生するプライバシー、およびセキュリティのリスクを軽減(または排除)し、新たな価値創出の機会を拡大することで、限定的にしかデータを利用できない状況を根本的に変える可能性を秘めています。

世界経済フォーラム(World Economic Forum: WEF)とデロイト グローバルの最新レポートでは、顧客、金融機関、規制当局が基礎となるデータそのものを共有配布することなく、データの分析とインサイトの共有を可能にする5つのプライバシー強化技術(PETs)について論じています。

  • 差分プライバシー:データセットにノイズを付 加 し 、第三者が元データへ復元することを不可能とする
  • フェデレーテッド分析:データ自体は共有せず分析モデルを生成し、データの分析から得られたインサイトを共有する
  • 準同型暗号:復号せず分析できる形でデータを暗号化する
  • ゼロ知識証明:データを秘匿したまま、当該データが条件を満たすことを証明する
  • セキュアマルチパーティ計算:データ分析を複数の当事者に分散し、1人がデータ全体を見られないようにする

本エグゼクティブレポートは、それぞれの手法がどのように高水準な機能を発揮するかを概説し、仮想事例を用いて金融サービスにおけるプライバシー強化方法を解説しています。また、プライバシー強化技術(PETs)によりデータ共有に係る制約が再定義されると、金融機関は顧客、規制当局、そして社会全体に受け入れられる方法でプライバシー・セキュリティにかかる喫緊の課題に対処しながら新たな価値を創造できることを示しています。

  • エグゼクティブサマリー(言語/日本語)はこちらからご覧いただけます。
  • レポート全文では、プライバシー強化方法(PETs)を用いた組織のデータ保護、およびデータ活用の可能性の最大化についてご紹介しています。詳細はこちらをご覧ください。

由川 優
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
シニアマネジャー

IT系コンサルティングファーム、ITアドバイザリ企業を経て現職。保険会社設立、および大規模システム更改を複数経験し、強みを持つ。

金融業界における先進技術・先進事例の調査・提言を担う職務にも従事し、2017年よりWEFレポートの翻訳を担当。

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