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GIPS基準に関するガイダンス・ステートメントの公開草案(EXPOSURE DRAFT OF THE GUIDANCE STATEMENT ON BROADLY DISTRIBUTED POOLED FUNDS)の概要

2016年3月31日

2016年1月29日付けで、GIPS基準に関して “EXPOSURE DRAFT OF THE GUIDANCE STATEMENT ON BROADLY DISTRIBUTED POOLED FUNDS"が公表されました。

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はじめに

2016年1月29日付けで、GIPS基準に関して “EXPOSURE DRAFT OF THE GUIDANCE STATEMENT ON BROADLY DISTRIBUTED POOLED FUNDS(「広範囲に販売されるプールド・ファンド(仮訳)」)に関するガイダンス・ステートメントのエクスポージャー・ドラフト)”(以下では「当ガイダンス・ステートメント」という)が公表されました。また、CFA Institute(以下、「CFA協会」という。)では2016年1月28日および3月21日&22日に関連のWebinarを開催しています。以下では、当ガイダンス・ステートメントとWebinar資料を基に新しいガイダンス・ステートメントの概要をまとめています。

なお、当該記事は執筆者の私見であり、有限責任監査法人トーマツの公式見解ではありません。

当ガイダンス・ステートメント策定の目的

当ガイダンス・ステートメントが策定された目的として、現状のGIPS基準ではプールド・ファンドの取扱が明記されておらず、また、見込プールド・ファンド投資家(Prospective Pooled Fund Investor、以下英語が記載されている場合は、当ガイダンス・ステートメントの原文で、日本語は仮訳です)にはGIPS基準による準拠提示資料が提示されることは稀であること、などの現状が挙げられています。

当ガイダンス・ステートメントによって、会社にとっては、GIPS基準準拠会社としての責任の明確化、様々な規制下での比較可能性の増進、ベスト・プラクティスの提示、などのメリットが考えられています。

対象となるプールド・ファンドおよび会社

当ガイダンス・ステートメントが適用されるプールド・ファンドは、プールド・ファンドを運用している会社と見込プールド・ファンド投資家との間でコンタクトがないか又は殆どないような、広範囲の投資家に販売されるプールド・ファンドが対象とされています。なお、ヘッジ・ファンド、不動産ファンド、プライベート・エクイティ・ファンドは当ガイダンス・ステートメントの対象とはされていません。

また、当ガイダンス・ステートメントは、プールド・ファンドを運用しており、法定のプールド・ファンド書面(Official Pooled Fund Document)やファンドに係るマーケティング資料(Fund-Specific Marketing Material、当ガイダンス・ステートメントでは例示として、ファンド・ファクト・シートやファンド・プロファイル・シートが挙げられています)を作成している会社に適用されます。

必須項目と勧奨項目

当ガイダンス・ステートメントの対象となる場合に、法定のプールド・ファンド書面とファンドに係るマーケティング資料に記載することが要求されている項目は以下の通りです。但し、当ガイダンス・ステートメントに優先してそれぞれの法令・規則に準拠することが求められており、当ガイダンス・ステートメントに基づくマーケティング資料への記載が法令・規則で禁止されている場合には、記載することができません。当ガイダンス・ステートメントの要求項目と法令・規則でコンフリクトが生じる場合の取扱については、会社の方針と手続に記載することが求められます。

(必須項目)

1. プールド・ファンドの投資マンデート、目的、戦略の記述
2. 当局によって指定されているリスク指標(質的な記載や数値)、もしなければ会社が選択可能
3. 法令・規則に基づく方法と期間についてのリターン

a. 方法が指定されていない場合には、全ての報酬控除後の時間加重収益率(Pooled Fund Net/Net Return、原則全ての報酬が対象であるが、Sales Charges and Loadsは対象外)
b. 期間が指定されていない場合には、以下のいずれか

・1、3、5年率換算リターン
・1、3、5年率換算リターン+直近の年末から当期のパフォーマンス測定期間末までのリターン
・5年間の年次リターン+直近の年末から当期のパフォーマンス測定期間末までのリターン

4. ベンチマークのリターン(実績と同期間)と記述、適切なベンチマークが無い場合にはその旨
5. パフォーマンス表示に使用した通貨


(勧奨項目)

1. Sales Charges and Loadsの取扱
2. GIPS基準準拠表明

但し、準拠提示資料やGIPS広告ガイドラインに基づくものとは異なることに注意。

その他

法定のプールド・ファンド書面とファンドに係るマーケティング資料の提出に際して準拠提示資料についても提供することは要求も勧奨もされていません。また、会社は見込プールド・ファンド投資家に準拠提示資料を提示することは求められていません。しかし、要求があれば準拠提示資料を提出しなければならないことに変わりはありません。

当ガイダンス・ステートメントの適用は2017年1月1日を予定しています。

おわりに

当ガイダンス・ステートメントは、寄せられたコメントに基づき変更される可能性がありますが、各社は対応の要否を早めに検討することが必要と考えます。


参考:CFA協会のGIPS基準(外部サイト英語ページへアクセスします)

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