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Performance magazine issue 24

September, 2017

本号では、南半球に目を向け、カンガルーとコアラの国であり、2.7兆豪ドル規模のウェルスマネジメント業界を抱えるオーストラリアを取り上げます。

人口は約2,000万人とそれほど多くないにもかかわらず、オーストラリアのウェルスマネジメント業界は、かなりの規模を誇っています。

オーストラリアの富はそもそも1850年代のゴールドラッシュで形成されたものであり、以来、全国的に石炭、鉄鉱石、鉛など複数の天然資源が採掘されています。オーストラリアはまた、アジア、特に中国の成長の恩恵を受けており、そのおかげで2007~2008年の世界金融危機を比較的順調に切り抜けることに成功しました。

オーストラリアの法律は、退職後の収入を確保するために、全国民に所得の一部(現在は9.5%)を「スーパーアニュエーション(退職年金)基金」に拠出することを義務付けています。これらの拠出金は、オーストラリアのスーパーアニュエーション業界の成長の大きな推進力となっており、その規模はいまや世界第4位に達し、マーサー・グローバル年金指数では第2位にランキングされました。

デロイト・アクチュアリーズは、スーパーアニュエーション基金が今後も成長を続け、2035年までにおよそ9.5兆豪ドルに達すると試算しています。アジア経済の持続的成長もあり、オーストラリアのウェルスマネジメント業界は参入するのに絶好の立場にあります。

オーストラリアのウェルスマネジメント市場の成長に伴ってポートフォリオの分散も徐々に進んでおり、世界中のファンド運用会社に大きな機会が生まれています。このセクターの規模とその資産積立の性格は、世界クラスのインフラ投資家の成長も促してきました。オーストラリアは、世界的に早くからインフラ金融資産が生まれた国であり、IFMインベスターズ、マッコーリー、AMPキャピタル、QICなど世界的によく知られている運用会社の本拠地として、このセクターで市場リーダーの地位を保っています。

前号では、為替ヘッジの実施に関してIFMインベスターズによる記事を掲載しました。今回は、QICの最高責任者であるダミアン・フローリー氏にインタビューし、オーストラリア内外におけるインフラ資産に対する見解や、投資対象としての複合的なメリットについてお話をうかがいました。

セクターの成長とともに、高度化も進み、必然的に規制監督も進んでいます。この規制も例に違わず多面的ですが、本号では、オペレーショナル・デューディリジェンスに目を向け、実際に規制要件が導入された場合に備えて国内外の投資マネジャーが予期しておくべき事柄を取り上げます。

こうした追加的な要件の影響を明らかにするために、本号では、モース・コンサルティングの前CEOであり、現在はデロイト・シドニーのパートナーを務めるフィリップ・ホープに話を聞きました。

要するに、オーストラリア独特のスーパーアニュエーション制度は、大規模で多様性のある高度な市場と、インフラなどのアセットクラスに精通した世界クラスの人材を生み出しており、規制の要求の増大にかかわらず、今後も国内外の運用会社に成長機会をもたらすと思われます。

 

<本号目次>

・ インタビュー:オーストラリアにおけるインフラストラクチャーQIC最高責任者ダミアン・フローリー氏へのインタビュー
 ・ これからどうする?ーオーストラリアにおける外部委託した投資運用のオペレーショナル・デューディリジェンスの成熟
・ 東南アジアにおける数兆ドル規模の資産運用機会をつかむ
・ ディスラプションー新たなアルファの創出方法
・ 不確実性と変化の時代における新たなリスク
・ ブロックチェーンとサイバーセキュリティ:さあ、議論しよう!
・ 投資ファンドの販売ーファンド販売に革新的思考を取り入れることによって、どのように競争上の優位を得るのか?
・ より客観的な年金ファンド報告の選択肢
・ 日本のM&Aを企業と投資家にとって実り多いものにする
・ AIFMDのスムーズな進化を期待する

 

詳細については、添付資料をご覧ください。
英語原文(PDF)

(PDF、80ページ、8,887KB)
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