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保険規制関連レポートが公表されました

金融庁より公表、保険規制関連の概要(2015.7)

金融庁より「金融モニタリングレポート」、「ソルベンシー規制のフィールドテスト結果」、「金融検査結果事例集」の公表のうち、保険規制に該当する部分についての概要をお知らせします

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平成26事務年度金融モニタリング基本方針においても、「フィールドテストの結果や国際的な検討の動向を踏まえつつ、経済価値ベースのソルベンシー規制導入に向けた検討作業を進める。」と述べられている。

現在金融庁によって、保険規制に関する新ソルベンシー制度導入のための準備(フィールドテストやアンケート)が進められているが、今回、第2回「経済価値ベースのソルベンシー規制導入に係るフィールドテスト」の結果概要が公表された。

国際的には、基準策定団体である保険監督者国際機構(IAIS: International Association of Insurance Supervisors)によって、グローバルに整合的な保険監督促進のための論議が進められている。

基本方針に謳われている通り、国内外の論議は、今後益々相互に連動を取って進められていくものと考えている。

また、今般、基本方針に基づいた1年間のモニタリングの概要がまとめられた「金融モニタリングレポート」と「金融検査結果事例集」が公表された。これら公表されたレポートの中から保険に関する概要を整理してみたい。

平成26事務年度「金融モニタリングレポート」が公表されました

金融庁から、「平成26事務年度金融モニタリング基本方針」に基づいた1年間の金融モニタリングの概要をまとめた「金融モニタリングレポート」が2015年7月3日に公表されました。
以下に、保険会社に関連する部分について、概要を記載します。

平成26事務年度については、「生命保険乗合代理店における募集管理態勢」、「損害保険会社の保険引受リスク管理態勢」に着目し、水平的レビューが実施された。また、大手生保4社及び大手損保3社グループに対しては、経営管理態勢、システムリスク管理態勢等についての業界横断的な水平的レビューが実施された。

「生命保険乗合代理店における募集管理態勢」については、保険会社が定める募集ルールの徹底、不適切な乗換募集の防止態勢や顧客情報の管理等についての問題点が挙げられた。そして、代理店においては、改正保険業法への対応を含め代理店自らが問題意識を持って、顧客意向に沿った商品提供が確保されるための態勢などを整備すること、保険会社においては、乗合代理店における業務の実態を的確に把握し、管理・指導を向上させていくことが今後の課題とされた。

「損害保険会社の保険引受リスク管理態勢」については、中堅社の収益管理態勢や再保険の活用についての問題点が挙げられた。

今後の保険会社のモニタリングについては、引き続き顧客保護等管理態勢や保険募集管理態勢等の検証に注力するとされた。

経営管理態勢については、大手生損保会社において、社外取締役への情報提供が不十分な事例もみられることから取締役会審議の実効性向上に向けた取組みが必要であるとされた。また、本事務年度の国内外のガバナンスに関する原則・基準や3メガバンクグループ、大手生損保会社に対するモニタリング結果等を踏まえ、取締役会、監査役会・監査委員会、内部監査、外部監査の機能発揮状況を確認するための目線・着眼点を策定し、ガバナンスの高度化に向けた建設的な議論を行っていくとされた。

金融庁(外部ページ)

第2回「経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテスト」 の結果概要が公表されました

金融庁は、2014年6月から2015年1月までの間に実施された第2回の「経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテスト」についての結果概要を2015年6月26日に公表しました。
以下に、その概要を記載します。

結果概要

・各社ともに経済価値ベースのソルベンシー規制やリスク管理に対する関心が高く、また、体制整備も進んでいることが確認された。
・一方で、各社へのアンケートでは、実際の導入に当たっては今後十分な準備期間が必要であり、システム構築や実務負荷等の観点から解決すべき課題が多いことなどが意見として挙がった。

経済価値ベースの保険負債評価について

・現在の低金利状況下でも、経済価値ベースの保険負債と、現行の保険負債との間には大きな乖離は生じなかった。しかし、保有する保険契約の構造等の違いにより各社で傾向の違いが見られた。割引率の設定方法等が保険負債に与える影響について、十分な検討の必要性が指摘されている。
・保証とオプションのコストは、確率的手法を用いること、金利シナリオの作成手法の複雑さなどの理由で、特に内部モデルを用いた場合には比較可能性が大きな問題になることが認識された。適切な手法選択について、検討の必要性が指摘されている。

リスク量について

・今回のフィールドテストで用いられた99.5%VaRについて、「99.5%VaRという水準の適切性」、「TVaRなどVaR以外の手法との比較」といった問題に対する検討の必要性が指摘された。
・リスクの計測手法については「各社の商品内容・保有ポートフォリオ・リスク管理手法といった実態を踏まえたリスク量の計測」と「簡明性・比較可能性」はトレードオフの関係になることが多く、内部モデルの取り扱いを含め、どのように両者のバランスを取っていくのかという点についての検討が課題とされている。


金融庁(外部ページ)

平成26事務年度「金融検査結果事例集」が公表されました

金融庁は、平成26事務年度に行ったオンサイト・モニタリングの結果(個別の指摘事例等)に基づく新たな「金融検査結果事例集」を2015年6月26日に公表しました。
以下に、保険会社に関連する部分について、概要を記載します。

「経営管理(ガバナンス)態勢」

代表取締役、取締役、取締役会に対して、中期事業計画の未策定、取締役の職務権限、組織としての牽制機能等の不備事例が紹介されている。
内部監査態勢として、内部監査計画の取締役会による実効性の検証、市場リスク管理分野への専門人材の配置、業務に内在するリスクの洗い出しの不備事例等が紹介されている。

「法令等遵守態勢」

コンプライアンス統括部門による内部情報の一元的管理に関する不備事例等が紹介されている。

「保険募集管理態勢」

高齢者との契約に関する募集時の問題把握、保険料の収納におけるキャッシュレス化進展を踏まえたリスクの洗出しや代理店指導の不備事例等が紹介されている。

「顧客保護等管理態勢」

保険金の支払漏れ防止態勢や保険金の未請求事案の実態把握での不備事例等が紹介されている。

「統合的リスク管理態勢」

ストレス事象発生時の対応策等の具体的な協議、組織横断的に内在するリスクの洗い出し等での不備事例が紹介されている。
この他「保険引受リスク管理態勢」 「資産運用リスク管理態勢」 「オペレーショナル・リスク等管理態勢」についてもそれぞれ事例が紹介されている。


金融庁(外部ページ)

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