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2021年までのカウントダウン:IFRS第17号の適用に向けた保険会社の準備状況

2018年グローバルIFRS保険調査

IFRS第17号「保険契約」(IFRS第17号)の公表から1年間が経過し、強制発効日の2021年1月1日まで2年を残すばかりとなりましたが、世界各国の保険会社は新たな財務報告制度における運用に向けてどのように準備しているのでしょうか。

2018年グローバルIFRS保険調査は、グローバルで活動している保険会社が、IFRS第17号の適用にどのように対応し、準備を進めているかを概観し、独立的な立場から分析することを目的としています。

IFRS第17号への保険会社の準備状況に関する今回の調査は、デロイトの委託を受けたThe Economist Intelligence Unit(EIU)が、予算、基準準拠に必要となるテクノロジー、基準変更に対応するためのリソースの利用可能性等、IFRS第17号の導入上の課題の大きさや複雑性について、北米、欧州、アジアにおける340社の保険会社のシニア・エグゼクティブの方々の考え方を調査しています。調査結果の主なポイントは以下の通りです。

  • 残された時間はやっと間に合う程度
    各国の保険会社は用心深くも楽観的であり、90%の保険会社は、本基準の発効日である2021年1月1日までに準備できると考えています。このうち、45%は強い自信を示しています。自信のレベルには、保険会社の種類によって差異があります。医療保険会社では、60%が準備について非常に自信を持っている一方で、生命保険会社で同程度の自信を見せているのは37%のみです。地域的には、欧州の保険会社が、その他の地域の保険会社に比べてより自信を持っています。
  • システムのアップグレードが必要である
    87%の保険会社が、新しいデータを把握し、基準で要求されている計算を行うためには、自社のシステム・テクノロジーをアップグレードする必要があると回答しています。テクノロジー上の最大の課題は、データ・インプットの把握であるとされています。
  • 重要な導入コストは既に予算化されている
    ほとんどの保険会社において、予算関係の見積もりが行われています。予想支出額は、2013年に把握された見積もりに比べて大幅に増加しています。5年前の時点で、IFRSの要求事項に準拠するために50百万ユーロ超の支出を見込んでいる回答企業は7%に過ぎませんでした。しかし、現在では、35%の保険会社が50百万ユーロ超の支出を見込んでいます。
(PDF、5,182KB)

Global IFRS Insurance Survey 2018

    調査報告について

    デロイトは、基準導入上の課題の大きさや複雑性に関する保険会社の考え方を把握するため、EIUに委託して2018年2月と3月、340名のシニア・エグゼクティブを対象としたグローバル調査を実施し、多くの保険プロフェッショナルの見解を得ました。

    回答企業の拠点は、カナダ、英国、フランス、イタリア、ドイツ、日本、スイス、スペイン、中国、韓国、オランダおよび米国に及びます。また、本調査は広範な業種の保険会社を対象としており、生命保険会社、損害保険会社、生損保兼営保険会社、医療保険会社、再保険会社が含まれています。また、これらの保険会社は、正味収入保険料別に見ても、規模は様々であり、本調査の分析がIFRS規制対象となるすべての保険会社の見解を反映するようにしています。

    本調査報告は、保険業界の動向を把握し、IFRS第17号の適用に対する受け止め方を把握するために実施されてきた連続調査の第3弾になります。第1回目の調査報告「待ちのゲームで勝てるか?(Winning the waiting game?)」は2012年に発表され、第2回目の調査報告「新IFRSへの移行準備開始(Gaining momentum)」は、2013年6月に保険契約の会計処理に関する新基準のための再公開草案を国際会計基準審議会(IASB)が公表した後に発表されました。

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