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拡大を続けるペット保険市場の動向
なぜ、いまペット保険市場に参入するのか、ペット保険の市場参入の課題と打ち手とは
ペットの家族化によりペット保険市場は今や1,000億円を超える規模となっている。参入している会社は、顧客接点の創出、長期的な顧客との関係性の構築、新しい収益の獲得を目的としている。特に保険会社は、従業員のリモートワーク化や顧客のオンライン対応への要望から、従来得意とした対面での営業手法による顧客接点の創出がより困難な状況となっており、若年層・独身者のペット飼い主とデジタル接点を持つことに期待を寄せている。
拡大を続けるペット保険市場の動向
ペット保険が誕生し20年経つが、市場は高成長を続け、今や1,000億円を超える規模となっている。これはペットが家族化し、ヒトと同様のサービスを受ける側になってきたことに起因する。
ヒトの医療保険や自動車保険などが高止まりする中、ペット保険の加入率はここ10年で10%以上増加、保険分野において数少ない成長余地のある市場となっている。その成長余地や本業とのシナジーを期待し、保険会社以外の異業種が多く参入、近年では保険会社の参入も目立ち始めている。
参入している会社は、顧客接点の創出、長期的な顧客との関係性の構築、新しい収益の獲得を目的としている傾向にあり、特に保険会社は、従業員のリモートワーク化や顧客のオンライン対応への要望から、従来得意とした対面による営業手法での顧客接点の創出がより困難な状況となっており、若年層・独身者のペット飼い主とデジタル接点を持つことに期待している。
ペット保険参入で得られる保険料収入はボトムラインに寄与するとともに、顧客基盤の構築や顧客接点の創出にもつながり、競争上の差別化要因となる可能性がある。
このようなペット保険市場の可能性に目が行き、多くのプレイヤーが参入を目指しているが、チャネル構築や、損害率のコントロールなどの壁もあり、参入後の立ち上がりがうまく行っていない会社もある。近年のデジタル化の波、法整備や飼い主の意識の変化などペットを取り巻く環境の変化を上手くとらえた打ち手を実行していくことが健全な成長の鍵となる。
また、ペット保険はペットショップの遵法意識を高めることやペットの治療の受けやすい環境整備など、ヒトとペットとの共生社会を実現するために大きな役割を担っている面もある。さらに取得したデータの活用により、予防サービス、新薬の開発など、ヒトとペットがより長く、健康で一緒にいられる社会を創り出すことにも寄与できるなど、ペット保険への参入は社会課題解決の点においても魅力的な領域となっている。
今回公開したレポートではペット保険市場の現状について、市場動向および課題を分析し、ペット保険市場の市場規模、成長余地などをまとめている。本レポートにおけるペット保険市場における勝ち筋の提言が、新規参入を検討している企業、戦略見直しを検討している保険会社に一助となれば幸いである。
「拡大を続けるペット保険市場の動向」の目次
- 15歳未満の人口を上回るペット市場の成長性
- 拡大を続けるペット保険市場の現状
(a)市場規模
(b)成長余地
(c)参入状況
(d)マーケットシェアの推移
(e)ペット保険の主なチャネル
(f)ペット保険商品の種類 - なぜ、ペット保険市場に参入するのか
- ペット保険の市場参入の課題と打ち手
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