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金融機関等のリース会計基準の確定を踏まえた対応について

新リース会計基準の適用準備

リース会計基準の改正により想定される会計処理の変更は、さまざまな領域に影響を及ぼす可能性があり、全社的なプロジェクトとしての対応が必要になります。検討すべき論点が多いため、プロジェクト上の課題を特定し、効率的にスムーズな対応を可能とすべく、早期に対応を開始する必要があります。

2027年4月以後開始の連結会計年度から強制適用

企業会計基準委員会(以下、ASBJ)は、2023年5月の公開草案公表とその後のコメント募集等を踏まえ、2024年9月に企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(以下、新リース会計基準等)を公表しました。

公表された新リース会計基準等は、公開草案から大きな変更はないものの、適用時期については、原則として「2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から」とされているため、今後各社で適用に向けた準備が本格化するものと思われます。

 

新リース会計基準等から想定される会計処理の変更の影響及びその対応

新リース会計基準等により想定される会計処理の変更は、経理以外においても、さまざまな領域に影響を及ぼす可能性があり(図1参照)、全社的なプロジェクトとしての対応が必要になります(図2参照)。検討すべき論点が多いため、プロジェクト上の課題を特定し、効率的にスムーズな対応を可能とすべく、早期に対応を開始する必要があります。

なお、他にも貸手の会計処理に関して、リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法(いわゆる第2法)が廃止される点や、サブリース取引におけるサブリースの貸手が、リースの分類を行う際は、ヘッドリースの借手として計上した使用権資産を参照することになる点も実務上考慮することになると考えられます。

新リース会計基準等への対応ステップ

新リース会計基準等に対応するため、全社プロジェクトについて各領域への影響を考慮し、I. 影響分析、II. 方針検討、III. 業務設計、IV. 適用の4つに大きく切り分けることで、効率的に進めることができると考えられます(図3参照)。

IFRS第16号「リース」導入時に見受けられた課題からの学びを活用

2023年5月の公開草案公表とその後のコメント募集等を踏まえ、企業会計基準委員会(以下、ASBJ)は2024年9月に企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(以下、新リース会計基準等)を公表しました。

公表された新リース会計基準等は、公開草案から大きな変更は行われておらず、また適用時期については、原則として「2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から」とされているため、今後各社で適用に向けた準備が本格化するものと思われます。

豊富な知見と経験に基づく助言の実施が可能

新リース会計基準等の適用に向けては、前述の通り早い段階から着手が望まれるものの、適用初年度に向けて具体的にどのような準備を実施すればよいのか、実質リースを含むリース取引の網羅的な把握方法やリース期間の決定といった会計方針などの検討や関連する内部統制をどのように設計することが効率的であるのか、といった様々な疑問をお持ちの会社も多いことが想定されます。

有限責任監査法人トーマツでは、各業界に対する豊富な知見やアドバイザリー業務の提供経験に加え、IFRS第16号「リース」導入プロジェクトの経験を踏まえた効果的・効率的な助言の実施が可能です。特に、被監査会社以外の会社については、より柔軟な業務の提供が可能となっており、また、早い段階から各社の会計監査人とも連携することで新リース会計基準等の導入プロジェクトを効率的に進めることが可能です。新リース会計基準等の適用に向けた助言についてご関心がある場合には、「お問い合わせ」ボタンよりご連絡ください。

プロフェッショナル

坂田 響/Kyo Sakata

坂田 響/Kyo Sakata

有限責任監査法人トーマツ パートナー 金融事業部金融アドバイザリーグループ

大手監査法人入社後、金融部に所属し、銀行業、リース業、消費者金融業等の法定監査の他、企業再生およびM&Aに係るデューデリジェンスやストラクチャー構築を担当後、現職。 金融事業部に所属し、継続して金融機関の会計監査、金融機関のIFRS導入支援コンサルティングやIFRS(金融商品に係る基準)に係るシステム要件定義の支援(ITベンダー)および信用リスク管理に関するアドバイザリー業務に従事。現在は、金融事... さらに見る

土畠 真嗣/Shinji Dobata

土畠 真嗣/Shinji Dobata

有限責任監査法人トーマツ パートナー

監査・保証事業本部 監査アドバイザリー事業部 事業部長および内部統制・経営体制アドバイザリー部 部長を務める。 大手グローバル企業製造業の監査業務、IFRS導入、内部監査、SOX業務、決算早期化、海外子会社管理、決算領域のデジタル化等のアドバイザリー業務に従事。日本およびアジアパシフィックにおける監査・保証ビジネスのアライアンスビジネス推進リーダー。シンガポール駐在経験あり(2009~2013年)... さらに見る

太田 実佐/Misa Ota

太田 実佐/Misa Ota

有限責任監査法人トーマツ マネージングディレクター

現在、大手金融機関の経理決算領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)化推進、会計アドバイザリー業務に従事。2008年から、大手金融機関(主にG-SIFIs、D-SIFIs)、グローバル企業に対するIFRSコンバージェンス等会計アドバイザリーを実施。2012年から2014年に、財務会計基準機構・企業会計基準委員会(ASBJ)に出向、国際的意見発信業務等に従事。... さらに見る