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2017年世界経済展望
注意すべきはエマージング諸国の「想定外」か

(月刊誌『会計情報』2017年3月号)

本稿では、2017年にグローバル経済や金融で起こり得る事態を、特にリスク管理という視点から考えます。(月刊誌『会計情報』2017年3月号)

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著者:リスク管理戦略センター長 大山ᅠ剛

リスク管理を専門とする者にとって、2016年は本当に波乱に満ちた1年であった。メディアがどんなに事前に騒いでも、結局は(メディア自体が予想する)予定調和的な世界に落ち着くことに慣れてきた私達には、そのシナリオを完全に裏切るような結果が続くことに対し「免疫」ができていなかったのかもしれない。想定外の事態とは、言うまでもなく、昨年6月の英国国民投票におけるEU離脱の支持であり、11月の米国大統領選挙における共和党候補トランプ氏の当選である。さらに付け加えるならば、トランプ氏当選以降に発生した株高、金利高、ドル高のトランプ相場や、国民投票以降の英国経済の盛り上がりも、事前の悲観的な予想を大きく裏切るものであった。

私自身の、2015年末時点の2016年の予想はと言えば、主要国による金融緩和の一段の強化による金融相場の強まりであり、結果としてマクロ経済的には「2010年代の最後の良い年」になるというものであった。リスクオンの流れに乗った強い相場で終わるという結論自体は当たったものの、そこに至るプロセスは、トランプ候補の米国大統領当選により、大きく異なるものとなった。

また当時の私の予想は、「最後の良い年」という表現が示唆するように、2018年には過熱化した金融相場に転機が訪れると読んでいたわけだが、このシナリオも、トランプ新大統領の政策により、変更を余儀なくされている。

以下では、2017年にグローバル経済や金融で起こり得る事態を、特にリスク管理という視点から考えることとする。そのためには、まず、上記に示した2016年の「想定外」の事態がなぜ発生したのかを突き止める必要がある。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

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