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ASBJが実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」を公表

(月刊誌『会計情報』2018年5月号)

企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成30年3月14日に、実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」を公表するとともに、平成29年12月6日に公表された「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」に対する主なコメントの概要とそれらに対するASBJの対応を公表した。

著者:『会計情報』編集部

企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成30年3月14日に、実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」を公表するとともに、平成29年12月6日に公表された「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」に対する主なコメントの概要とそれらに対するASBJの対応を公表した。

平成28年に公布された「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第62号)により、「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号。以下「資金決済法」という。)が改正され、仮想通貨が定義された上で、仮想通貨交換業者に対して登録制が導入された。これを受けて、ASBJでは、仮想通貨の会計処理及び開示に関する当面の取扱いを明らかにすることを目的として審議を行ってきた。

今般、平成30年3月9日の第380回企業会計基準委員会において、標記の「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」(以下「本実務対応報告」という。)の公表が承認されたことを受け、公表することとしたものとされている。

本実務対応報告については、平成29年12月6日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、ASBJに寄せられたコメントを検討し、公開草案の修正を行った上で公表するに至ったものとされている。

〈本実務対応報告の概要〉

  • 範囲(本実務対応報告第3項)
    本実務対応報告は、資金決済法に規定する仮想通貨を対象とすることとされている。
    ただし、自己(自己の関係会社を含む。)の発行した資金決済法に規定する仮想通貨は除くこととされている。
  1.  仮想通貨交換業者又は仮想通貨利用者が
    保有する仮想通貨の会計処理(本実務対応報告第5項から第13項)
    →期末における仮想通貨の評価に関する会計処理

    (1) 仮想通貨交換業者及び仮想通貨利用者は、保有する仮想通貨(仮想通貨交換業者が預託者から預かった仮想通貨を除く。以下同じ。)について、活発な市場が存在する場合、市場価格に基づく価額をもって当該仮想通貨の貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は当期の損益として処理する。

    (2) 仮想通貨交換業者及び仮想通貨利用者は、保有する仮想通貨について、活発な市場が存在しない場合、取得原価をもって貸借対照表価額とする。期末における処分見込価額(ゼロ又は備忘価額を含む。)が取得原価を下回る場合には、当該処分見込価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価と当該処分見込価額との差額は当期の損失として処理する。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

(511KB, PDF)
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