ナレッジ

事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について ~一体的開示のための環境整備の内容及び実務への影響~

(月刊誌『会計情報』2018年6月号)

平成29年12月28日、内閣官房、金融庁、法務省、経済産業省より、「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について」が公表されている。また、金融庁、法務省より「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」が公表されている。本稿では、一体的開示のための環境整備の内容及び実務への影響を検討する。

著者:公認会計士 男澤 江利子

Ⅰ.はじめに

平成29年12月28日、内閣官房、金融庁、法務省、経済産業省より、「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について」が公表されている。また、金融庁、法務省より「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」が公表されている。

これは、「未来投資戦略2017」で示された、会社法に基づく事業報告・計算書類(以下「事業報告等」という。)と金融商品取引法(以下、「金商法」という。)に基づく有価証券報告書との「一体的開示」をより容易とするための環境整備の一環として、両者の間で類似・関連する項目について、可能な範囲で共通化を図るための対応をまとめたものである。

本稿では、一体的開示のための環境整備の内容及び実務への影響を検討する。

Ⅱ.共通化の内容

「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」で示された共通化の内容は次のとおりである(以下、会社法施行規則は「施規」、会社計算規則は「計規」と略する)。

1. 「主要な経営指標等の推移」/「直前三事業年度の財産及び損益の状況」(開示府令第三号様式記載上の注意(5)/施規120条1項6号)

以下について、制度所管官庁が妥当性を確認したひな型において明確化する。このほか、有価証券報告書の記載を基礎として、共通の記載が可能であることも明確化する。

① 「1株当たり当期純利益金額」と「1株当たり当期純利益」の項目名の記載については、後者に共通化して記載することが可能であること。

② 「純資産額」と「純資産」及び「総資産額」と「総資産」の項目名の記載については、それぞれいずれの表現にも共通化して記載することが可能であること。

2. 「事業の内容」/「主要な事業内容」(開示府令第三号様式記載上の注意(7)/施規120条1項1号)

① 有価証券報告書にあっては、例えば「事業の内容」について、投資家の理解が容易になる観点から、記載内容が同様である又は重複する他の箇所にまとめて記載した上で、当該他の箇所を参照する旨の記載を行うことが可能であることを明確化した「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」5-14及び24-10の内容を分かりやすく周知する。

② 有価証券報告書にあっては、系統図以外の図や表等の形式により、企業の実態に応じて投資家に対してより分かりやすく示すことが可能であることを明確化する法令解釈の公表を行う。

 

※続きは添付ファイルをご覧ください。

(550KB, PDF)
お役に立ちましたか?