ナレッジ

IAS第19号の修正「制度改訂、縮小又は清算」

IFRS in Focus(月刊誌『会計情報』2018年6月号)

国際会計基準審議会(IASB)は、IAS第19号「従業員給付」の修正を公表した。

著者: トーマツ IFRSセンター・オブ・エクセレンス

国際会計基準審議会(IASB)は、IAS第19号「従業員給付」の修正を公表した。IASBは、IAS第19号「従業員給付」を修正した。

本修正は、2019年1月1日以後に開始する事業年度に発効する。早期適用は認められる。

背景
IFRS解釈指針委員会は、制度改訂又は縮小が発生した場合の当期勤務費用、及び残りの事業年度の利息純額の計算を明確化することを要請された。
IAS第19号99項は、確定給付負債(資産)の純額を、制度資産の現在の公正価値及び制度資産に対して行われた変更を反映した現在の数理計算上の仮定を使用して測定することを要求している。対照的に、IAS第19号の結論の根拠は、たとえ企業が改訂後の仮定を使用して確定給付負債(資産)の純額を測定していたとしても、企業は当期勤務費用及び利息純額の計算に当たり、当該期間中のいかなる仮定も修正してはならないことを示唆している。同様に、IAS第19号123項は、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、拠出及び給付支払による確定給付負債(資産)の純額の期中の変動を考慮に入れ、年次報告期間の開始日における確定給付負債(資産)の純額を基礎とするとしている。しかし、IAS第19号123項は、制度改訂、縮小又は清算から生じる変動について何ら言及していない。
IFRS解釈指針委員会は、当期勤務費用又は利息純額の計算時ではない、確定給付負債(資産)の純額を測定する際に数理計算上の仮定を修正することは不整合ではないと結論付けた。しかし、解釈指針委員会は解釈指針を開発することにより問題を解決できなかったため、IASBは代わりにIAS第19号の修正を提案した。

修正
過去勤務費用(又は清算損益)
本修正は、過去勤務費用(又は清算損益)は更新後の仮定を使用して確定給付負債(資産)を測定することにより計算され、制度改訂(又は、縮小又は清算)前後の制度資産と提供された給付を比較することを明確にしている。ただし、資産上限額の影響(確定給付制度が積立超過の際に発生する場合がある)は無視する。
IAS第19号は、制度改訂(又は清算、又は縮小)から生じる場合のある資産上限額の影響の変動は第2ステップで算定され、その他の包括利益に通常の方法で認識されることが明確にされた。

当期勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額
当期勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額の測定に関連する項も修正された。企業は、制度変更後の報告期間の残りの期間に関する当期勤務費用及び利息純額を算定するために、本再測定による更新後の仮定を使用することが求められるようになる。利息純額の場合、本修正では、制度改訂後の期間は、利息純額はIAS第19号99項で再測定された確定給付負債(資産)の純額に当該再測定で使用された割引率を乗じて計算される(また、確定給付負債(資産)に対する拠出及び給付支払の影響を考慮に入れる)ことが明確化された。

経過措置及び発効日
本修正は将来に向かって適用される。本修正は、IAS第19号の修正が最初に適用される事業年度の開始日以後に発生する制度改訂、縮小又は清算に対してのみ適用する。IAS第19号の修正は、2019年1月1日以後開始する事業年度に適用しなければならないが、企業が選択する場合には、早期適用も可能である。

見解
IAS第34号「期中財務報告」のB9項は、期中財務報告の年金コストは、(制度改訂、縮小及び清算から生じる調整に加えて)重要な市場変動を調整することを要求している。IASBは、年次財務諸表における当期勤務費用及び利息純額の測定における重要な市場変動の影響(制度改訂、縮小又は清算が無い場合)については取り扱わないことを決定した。

さらなる情報
本修正は、professional又はcomprehensive eIFRS subscription向けのIFRS財団のウェブサイトで入手することができる。本修正は、2019年のunaccompanied Standards に組み込まれる予定であり、それは登録ユーザーが無料で入手できる。当該更新は2019年の始めまで予定されていない。
本修正について質問がある場合、通常のデロイトの連絡先にご連絡ください。

以 上

(517KB, PDF)
お役に立ちましたか?