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最近のIT監査の潮流 ~職務分掌の実現に向けたシステム実機検証の必要性~

(月刊誌『会計情報』2018年9月号)

内部統制を構築する際に重要となる「職務分掌」について、概要及び検証方法、システムの検証における留意事項について論じる。

著者:公認会計士 伊藤ᅠ哲也・公認会計士 大賀ᅠ隆史

1.はじめに

2018年4月に、監査・保証実務委員会研究報告第32号「内部統制報告制度の運用の実効性の確保について」(以下、「32号報告」という)が公表となった。当研究報告では、不正事例・誤謬事例を紹介するとともに、不備の事例分析に基づき、構築・評価すべき内部統制について考察がなされている。事例の分析では、以下の記載に代表されるように、付与された権限を悪用した虚偽入力によるものも挙げられている。

不正な財務報告に関する不正の手口は、架空売上、架空仕入、架空売上と架空仕入の組合せ、原価付替え、循環取引、在庫操作といった典型的な手口が多く、その動機は親会社等からのプレッシャーによるものだけではなく、架空仕入などは従業員による私的横領である。不備の原因は人材不足に起因するものが多く、職務分掌が徹底していない事例や長期間にわたってローテーションが実施されていなかった事例がある。

出典: 監査・保証実務委員会研究報告第32号「内部統制報告制度の運用の実効性の確保について」P5

資産の流用には、架空仕入れや経費の水増し請求等、購買プロセスの不備を利用した事例と簿外借入を行った事例がある。いずれも出納業務と経理業務の職務分掌が実質的に機能しておらず、例えば、職務分掌が規定されているにもかかわらず実態として不正実行者が一人で管理業務を行っていたという事例もある。

出典: 監査・保証実務委員会研究報告第32号「内部統制報告制度の運用の実効性の確保について」P14

※続きは添付ファイルをご覧ください。

(615KB, PDF)
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