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投資情報 中国におけるユニコーン企業の動向とそれを支える杭州のエコシステム 第1回

『デロイト トーマツ チャイナ ニュース』(月刊誌『会計情報』2018年10月号)

本稿では、近年特に注目されている中国のユニコーン企業をめぐるサポート体制を俯瞰し、イノベーションモデル基地の1つとして注目を集める杭州における新たなエコシステムに着目、杭州の創新・創業モデル基地である杭州未来科技城について、2回に分けて解説していきたい。

著者:デロイト中国 公認会計士 岡本ᅠ紳太郎

1.はじめに

米国に次ぐ世界第2位のユニコーン企業数を誇る中国。本稿では、近年特に注目されている中国のユニコーン企業をめぐるサポート体制を俯瞰し、イノベーションモデル基地の1つとして注目を集める杭州における新たなエコシステムに着目、杭州の創新・創業モデル基地である杭州未来科技城について、2回に分けて解説していきたい。

2. 「大衆創業、万衆創新」に関する意見書の公布

中華人民共和国 国務院は2015年6月11日「大衆創業、万衆創新を積極的に推進する若干の政策・取組に関する意見」(国発[2015]32号、以下「意見書」と表記)を公布し、下記9つの方針および関連する具体策を打ち出した。

① イノベーションメカニズムを構築し、起業しやすい環境づくりをすること。

② 税制の最適化など、起業支援策を講じること。

③ 融資の利便性向上と金融市場の活性化を図ること。

④ 起業を支援するための投資を拡大すること。

⑤ 起業をサポートするためのサービスを発展させ、起業をめぐるバリューチェーンを整備すること。

⑥ イノベーション、起業をサポートするプラットフォームを構築すること。

⑦ イノベーション型企業を発展させ、活性化を図ること。

⑧ 都市部、農村部の起業チャネルを拡大し、起業により雇用の拡大を促進すること。

⑨ 協調を強化し、協働メカニズムを構築すること。

これまでの中国は世界の工場として製造業を中心として大きな経済的発展を遂げてきたが、従来の製造業を中心とした経済構造が停滞期を迎えつつある中、2015年前後からこれまでの経済構造に代わる新たな産業構造モデルを模索してきた。中国政府は、今後ベンチャー企業の育成およびイノベーションの推進を新たな経済発展の原動力とすべく意見書を交付し、新たな産業構造の構築へ向けて「大衆創業、万衆創新」を掲げ、イノベーション支援策を打ち出している。

※続きは添付ファイルをご覧ください。 

(551KB, PDF)
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