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IASB、「重要性がある」の定義を修正
IFRS in Focus(月刊誌『会計情報』2019年1月号)
本稿は、2018年10月に公表された「『重要性がある』の定義」(IAS第1号およびIAS第8号の修正)を要約したものです。
著者: トーマツ IFRSセンター・オブ・エクセレンス
このIFRS in Focusは、国際会計基準審議会(IASB)が公表した、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の最近の修正を取り扱っている。本修正は、「『重要性がある』の定義」(IAS第1号及びIAS第8号の修正)というタイトルである。
● 本修正は、IAS第1号における「重要性がある」の定義の理解を容易にすることを意図したものであり、IFRS基準における重要性の基礎となる概念を変更することを意図したものではない。
● 重要性のない情報で「覆い隠す」という概念が、新しい定義の一部として含まれている。
● 利用者に影響を与える重要性の閾値は、「影響を与える可能性がある」から「影響を与えると合理的に予想し得る」に変更された。
● IAS第8号の「重要性がある」の定義は、IAS第1号の「重要性がある」の定義を参照することにより置き換えられました。さらに、IASBは、首尾一貫性を確保するために、「重要性がある」の定義を含む、又は「重要性がある」という用語を参照する他の基準及び「概念フレームワーク」を修正した。
● 本修正は、2020年1月1日以後開始する事業年度に将来に向かって適用される。早期適用は認められる。
背景
IASBは、一部の企業が、財務諸表を作成する際に重要性を判断する際に困難を経験しているという懸念に対処している。これらの困難は一般的に行動上のものであり、「重要性がある」の定義に関連するものではないが、フィードバックはIAS第1号と「財務報告に関する概念フレームワーク」(概念フレームワーク)との間での異なる定義の文言など、多くの分野が定義を精緻化によって対処できることを示していた。
見解
IASBは、本精緻化は、定義の理解を容易にすることを意図したものであり、IFRS基準における重要性の基礎となる概念を変更することを意図したものではないと記載している。
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