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有価証券報告書の改正解説シリーズ(2) 「事業等のリスク」の拡充に対応する際の検討事項

(月刊誌『会計情報』2019年5月号)

前号「改正項目の解説 ~事業等のリスクの拡充~」 (本誌2019年4月号(vol.512))に引き続き、今回も有 価証券報告書の改正のうち、従来の開示と大きく変貌すると思われる「事業等のリスク」を念頭に、対応にあた っての検討事項について解説する。

著者:公認会計士 山内 達夫

はじめに

前号「改正項目の解説 ~事業等のリスクの拡充~」(本誌2019年4月号(vol.512))に引き続き、今回も有価証券報告書の改正のうち、従来の開示と大きく変貌すると思われる「事業等のリスク」を念頭に、対応にあたっての検討事項について解説する。

なお「記述情報の開示に関する原則」については、前号執筆時点において確定していなかったが、平成31年3月19日に金融庁より「記述情報の開示に関する原則」及び「記述情報の開示の好事例集」が公表されたため、この点についても今号で解説する。

1. 記述情報の開示に関する原則及び好事例集の公表

(1)「記述情報の開示に関する原則」の位置づけ

有価証券報告書の記載事項は、企業内容等の開示に関する内閣府令(以下、「開示府令」という)においてルールとして定められているが、ルールへの形式的な対応にとどまらない開示の充実に向けた企業の取組みを促すことを目的として、財務情報以外の開示情報である、いわゆる「記述情報」について、開示の考え方、望ましい開示の内容や取り組み方をまとめたプリンシプルベースのガイダンスとして、「記述情報の開示に関する原則」が策定・公表されたものである。なお、本原則によって、新たな開示事項を加えるものではない。*1

本原則は、2つの章立てとなっており、「Ⅰ総論」として記述情報の役割や記述情報の開示に関する共通事項について、また「Ⅱ各論」として「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「事業等のリスク」「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」について、開示の考え方や望ましい開示に向けた取組み等が記載されており、参考としてSECのガイダンスが紹介されている。

また、記述情報の範囲については、本原則の各論として説明されている3つに限定されるものではなく、「これら以外の記述情報の記載に当たっても、この原則を踏まえた、より実効的な開示をすることが期待される」とされている(表2-1参照)。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

(748KB, PDF)
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