ナレッジ

ASBJが企業会計基準公開草案第69号(企業会計基準第24号の改正案)「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(案)」を公表

(月刊誌『会計情報』2019年12月号)

企業会計基準委員会は、2019年10月30日に、企業会計基準公開草案第69号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(案)」を公表した。

著者:『会計情報』編集部

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2019年10月30日に、企業会計基準公開草案第69号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(案)」を公表した。

2018年11月に開催された第397回企業会計基準委員会において、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より、「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続」に係る注記情報の充実について検討することが提言された。

この提言を受けて、ASBJにおいて、2018年12月より、「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続」に係る注記情報の充実について審議が行われ、今般、2019年10月25日開催の第419回企業会計基準委員会において、表記の「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(案)」(以下「本公開草案」という)の公表が承認されたことを受け、広くコメントを募集することを目的として公表することとしたものとされている。

<本公開草案の概要>

■本公開草案の公表の経緯及び本公開草案が扱う範囲(本公開草案第28-2項)

2018年11月に開催された第397回企業会計基準委員会において、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続に係る注記情報の充実について検討することが提言された。この提言を受けて、ASBJでは、2018年12月より審議を開始し、その結果を公開草案として公表することとしたとされている。

■開示目的(本公開草案第4-2項、第44-2項及び第44-3項)

本公開草案では、重要な会計方針に関する注記の開示目的は、財務諸表を作成するための基礎となる事項を財務諸表利用者が理解するために、採用した会計処理の原則及び手続の概要を示すことにあり、これは、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合も同じであるとされている。

■関連する会計基準等の定めが明らかでない場合(本公開草案第44-4項及び第44-5項)

「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」とは、特定の会計事象等に対して適用し得る具体的な会計基準等の定めが存在しないため、会計処理の原則及び手続を策定して適用する場合をいう(本公開草案第4-2項)とされている。これには、例えば、関連する会計基準等が存在しない新たな取引や経済事象が出現した場合に適用する会計処理の原則及び手続で重要性があるものが該当すると考えられる。なお、対象とする会計事象等自体に関して適用される会計基準等については明らかではないものの、参考となる既存の会計基準等(他の会計基準設定主体が定めた会計基準等を含む)がある場合には、当該既存の会計基準等が定める会計処理の原則及び手続も含まれるとされている。

また、会計基準等には、一般に公正妥当と認められる会計処理の原則及び手続を明文化して定めたもの(法令等)も含まれる(企業会計基準適用指針第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」(以下「適用指針」という)第5項及び第16項)とされている。これを踏まえると、「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」には、業界の実務慣行とされている会計処理方法で重要性があるものも該当すると考えられる。これには、企業が所属する業界団体が当該団体に所属する各企業に対して通知する会計処理方法が含まれるとされている。

■企業会計原則注解(注1-2)の定めの引継ぎ(本公開草案第4-3項から第4-5項)

本公開草案では、重要な会計方針に関する注記について、企業会計原則注解(注1-2)の定めを引き継ぎ、次のように取り扱うことが提案されている。

(1) 財務諸表には、重要な会計方針について、採用した会計処理の原則及び手続の概要を注記する。

(2) 会計方針の例としては、次のようなものがある。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。

① 有価証券の評価基準及び評価方法
② 棚卸資産の評価基準及び評価方法
③ 固定資産の減価償却の方法
④ 繰延資産の処理方法
⑤ 外貨建資産及び負債の本邦通貨への換算基準
⑥ 引当金の計上基準
⑦ 収益及び費用の計上基準

(3) 会計基準等の定めが明らかであり、当該会計基準等において代替的な会計処理の原則及び手続が認められていない場合には、当該会計方針の注記を省略することができる。

■適用時期及び経過措置(本公開草案第25-2項及び第25-3項)

本公開草案では、適用時期等について、次のように取り扱うことが提案されている。

(1) 本公開草案は、2021年3月31日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用することが提案されている。ただし、公表日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用することができることも提案されている。

(2) 本公開草案では、本公開草案を適用したことにより新たに注記する会計方針は、表示方法の変更には該当しないものの、本公開草案を新たに適用したことにより関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続を新たに開示するときには、追加情報としてその旨を注記することが提案されている。

■その他

なお、コメント期限は2020年1月10日(金)までとされている。

詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2019/2019-1030-3.html)を参照いただきたい。

以上

(538KB, PDF)
お役に立ちましたか?