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Closing out 2020
IFRS in Focus|月刊誌『会計情報』2021年3月号
注:本資料はDeloitteのIFRS Global Officeが作成し、有限責任監査法人トーマツが翻訳したものです。この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、原文については英語版ニュースレターをご参照下さい。
トーマツIFRSセンター・オブ・エクセレンス
目次
- 流動性リスク管理
- 予想信用損失
- 減損レビュー
- IFRS第16号「リース」
- IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
- 企業の財務活動に関する情報
- 法人所得税の影響の報告
- Brexitと2020年財務諸表
- 金利指標改革
- 気候変動
- 通貨と超インフレ
- 規制上の焦点となる他のトピック
- 付録
- 2020年のIFRS解釈指針委員会のアジェンダ決定
- 2020年12月31日に終了する年度から早期適用可能な新しい及び改訂されたIFRS基準及び解釈指針
インダストリー、財政状態、サプライ・チェーン及び物流、従業員構成、顧客の嗜好の変化などに関係なく、すべての企業がCOVID-19に関連する無数の財務報告及び会計上の課題に直面しているが、その課題の内容及び程度はさまざまである。 本特別版IFRS in Focus「Closing Out 2020」では、これらの課題のいくつかを議論し、規制上の焦点、現在の経済環境又は会計基準の変更の結果として、2020年12月31日以後に終了する事業年度に関連性がある他の財務報告の問題も示している。関連性がある場合は、さらなる情報が入手可能な場所を示している。特に、ニュースレターIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」 *1は継続的に更新されており、パンデミックに起因する可能性のある状況に関連する主要なIFRSの検討事項の詳細な分析を提供している。 本「Closing Out」において繰り返されているテーマは、不確実性の高い時代における財務報告の透明性の必要性である。これは、世界中の規制当局によって伝えられている主要なメッセージである。 2020年5月29日に公表されたCOVID-19に関する開示の重要性に関する声明 *2において、証券監督者国際機構(IOSCO)は、財務情報が公表後に変化する可能性のある潜在的に不完全な情報とともに、拡大し不確実な状況において財務諸表を作成する際に、企業が直面する困難を認識している。IOSCOは、特に不確実性が高まる環境では、十分なレベルの透明性を提供し、判断や見積りに内在する不確実性に関して企業固有である開示を、財務報告に含めることが重要であることに言及している。開示においては、関連する特定の資産、負債、流動性、支払能力及び継続企業の前提に与える重要性のある影響や、重要な不確実性、仮定、感応度、業績の潜在的原因、戦略、リスク及び将来の見通しについて説明しなければならない。 このメッセージは、引き続き最も重要である。実際、財務諸表の利用者に対して、現在の不確実性に直面している企業の回復力、及び主要な仮定及び財務情報を作成する際に行われた判断を理解するための適切な洞察を提供することが特に重要である。 |
判断及び見積り
パンデミックがもたらす不確実性は、財務諸表を作成する際に経営者が将来について行うことが要求される合理的に考え得る仮定の範囲を広げている可能性が高い。
パンデミックのマクロ経済への影響、回復のタイミング及び形状、会計上/財政上の支援の利用可能性及び将来の営業業績及びキャッシュ・フローへの最終的な影響は、信頼可能な点での見積りを困難にする。企業は、多くの場合、予測プロセスの一環として異なるシナリオを使用する必要がある(例えば、IAS第36号「資産の減損」により要求される減損テストの一環として)。期待値を策定するための異なるシナリオのウェイト付けは、過度に楽観的又は悲観的なバイアスのリスクを回避するために、合理的で裏付け可能で現実的な見積り及び仮定に基づいて較正する必要がある。
利用者が報告数値に対する不確実性の影響を理解できるようにするために、IAS第1号「財務諸表の表示」により要求されるように、経営者が重要な判断及び見積りの不確実性の主要な発生要因を十分に詳細に開示することが重要である。
企業は、見積りの不確実性の定量化を提供し、主要なインプット及び仮定に割り当てられた値を開示しなければならない。多くの場合、IAS第1号129項に規定されているように、帳簿価額の、その経営者の計算の基礎となる方法、仮定及び見積りに対する感応度に関する情報が要求される。
重要な判断及び見積りの不確実性の主要な発生要因の開示が要求される分野を識別する際には、企業は、経営者、監査委員会を含む管理機関及び監督機関、及び外部監査人と、特に懸念又は議論が提起されたビジネス・モデル、財政状況、業績及びキャッシュ・フローに関する項目を検討する必要がある。これらの開示は、同様の状況の企業が利用可能な情報に基づいて異なる判断及び見積りを行う可能性があるため、特に重要である。また、財務諸表及び年次財務報告書の他の分野で開示される主要なリスクとの一貫性を確保し、監査上の主要な検討事項として識別された分野との一貫性を反映しなければならない。
企業は、そのプロセスで利用可能なすべての情報を検討する必要があり、見積り、仮定及び判断が互いに一貫していることを確認しなければならない。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」とCOVID-19ビデオ・シリーズ *3では、重要な判断及び見積りの開示に関する要求事項、何を開示すべきか及びCOVID-19が判断及び見積りに及ぼす潜在的な影響を決定する際に検討すべき事項に関する詳細を提供している。 |
継続事業
COVID-19によって引き起こされている潜在的な長期にわたる混乱は、財務諸表の発行の承認日まで入手可能なすべての情報を検討した上で、企業が、財務諸表の発行の承認日から少なくとも12か月間、継続企業として存続できるかどうかについての懸念を生じる可能性がある。企業は、特に、次の要因を検討する必要がある。
- 業績予測の変更
- 潜在的な流動性及び運転資本の不足
- 資本にアクセスする能力
- 契約上の義務
- 製品及びサービスの需要の減少
- サプライ・チェーンの混乱
- 一時的な公的支援措置への過度の依存
さらに、経営者は、政府の潜在的な支援を含む自身の計画が、事業への悪影響を軽減できるかどうかを検討しなければならない。
COVID-19の影響は、特定の業界(例えば、航空、旅行、ホスピタリティ)でより大きいかもしれないが、現在の経済環境は、持続可能なビジネス・モデルを開発し維持するための多くの企業の能力に大きく負担をかけている。経営者が、企業の継続企業としての存続能力に対して重大な疑義を生じさせるような重要な不確実性を発見している場合、IAS第1号25項は、財務諸表にこれらの重要な不確実性を開示することを企業に要求する。当該開示は、企業自身の状況に特有のものでなければならない。例えば、どのように及びいつ不確実性が具体化するかもしれないか、企業の資源、営業、流動性及び支払能力への影響を説明する。企業が継続企業であるかどうかを判断する際に使用される仮定は、財務諸表の他の分野で使用される情報(例えば、流動性リスク管理の開示、非金融資産の減損、繰延税金資産の認識、ヘッジ会計)と整合的でなければならない。
現在の環境では、継続企業として存続する企業の能力に対して重大な疑義を生じさせるような重要な不確実性がないという結論に達することには、考慮すべき結果の範囲及び当該結果に割り当てる確率に関する重要な判断が伴う可能性がある。2014年7月のIFRICアップデート *4において、IFRS解釈指針委員会は、企業が、継続企業としての存続能力に対して重要な不確実性がないと結論付けたが、この結論に到達する際に重要な判断を伴った場合には、重要な判断の開示が要求されると結論付けた。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」とCOVID-19ビデオ・シリーズでは、継続企業として存続する企業の能力を評価する際の重要な考慮事項の詳細を提供し、その点でどの情報が財務諸表の利用者に目的適合性がある可能性があるかを強調している。 |
純損益計算書におけるCOVID-19関連項目の表示
現在の環境は前例がないかもしれないが、広範で長期的な影響がある可能性が高い一連の事象から世界的に生じるものである。影響の一部は、減損損失又はリストラクチャリング計画に関連するものなど、区別できる損失又は費用を生じる。しかし、収益の減少及び/又は営業が閉鎖又は縮小されている間の給与及びその他の費用の継続による企業の収益性の全体的な低下のような、他の影響もある可能性がある。
そのため、企業の業績に対するCOVID-19の影響の識別及び定量化は、恣意的な仮定又は配分の使用なしには困難であるかもしれない。さらに、比較対象期間にこの問題が存在しないことを理由として、COVID-19の影響が起こらなかったかのように、IFRS財務諸表に業績を表示することは適切ではない。これらの理由から、COVID-19の影響を説明するために企業が提供しようとしている情報を、財務諸表への注記又は他の財務上のコミュニケーションに含めることが、一般的により適切である。
COVID-19が企業に与える影響の多くは、企業の通常の活動の一部を形成する可能性が高いため、基礎となる(underlying)事業の業績の一部を形成すると考えなければならない。IAS第1号45項は、財務諸表上の項目の表示を、ある期から次の期へと維持しなければならないことを要求している。したがって、COVID-19に関連する項目を純損益計算書に表示する「基礎となる」業績から除外することは、この要求事項に準拠しないこととなる。
規制当局は、COVID-19が影響を受ける複数の分野の明確で偏りのない絵を提供する方法により、COVID-19の重大な影響に関する定性的及び定量的な情報及びその決定に適用された方法論を開示することを、企業に奨励している。企業は、単一の注記でそのような開示を提供することを検討する、又は影響が複数の注記で説明されている場合は、関連する注記間での明確な相互参照を提供することができる。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」とCOVID-19ビデオ・シリーズでは、純損益計算書においてCOVID-19の影響をどのように表示するかを決定する際に、企業が検討すべき要因の詳細を提供している。 |
「非GAAP」又は代替的業績指標
「非GAAP」又は代替的業績指標(APM)の使用は、しばらくの間、世界中の多くの法域での規制上の関心事項であり、証券監督者国際機構(IOSCO)は、2016年に非GAAP財務指標に関する最終文書 *5を公表した。
2020年5月29日に公表されたCOVID-19に関する開示の重要性に関する声明において、IOSCOは、以下のとおり言及している。「現在の環境では、発行企業が、潜在的に誤解を招く可能性のない、信頼性があり有益な非GAAP財務指標の要素に注意をはらうことが特に重要である。現在の環境の不確実性を考慮して、発行企業は調整後又は代替的利益指標の妥当性を慎重に評価しなければならない。すべてのCOVID-19の影響が非経常的なものであるとは限らず、損失又は費用を非経常的、稀な又は異常であると結論付ける経営者の根拠は、限定的である可能性がある(すなわち、すべてのCOVID-19の影響が非経常的ではない)。これには、COVID-19の影響が貸借対照表日をまたぐものも含まれる。経営者が、調整額をCOVID-19に具体的にどのように関連付けられるかを説明しない場合、調整がCOVID-19に関連するとの説明は誤解を招く可能性がある。例えば、COVID-19に関連しない減損の兆候がパンデミックの前に存在していた場合、我々は、減損をCOVID-19関連のものと特徴づけないよう発行企業に警告する。さらに、仮定の売上高及び/又は利益指標(例えば、COVID-19の影響がなかった場合、会社の売上高及び/又は利益はXX%増加したというもの)を非GAAP財務指標とするのは適切ではない。」
デロイトのIFRS in Focus「代替的業績指標(APM)実務ガイド」 *6は、APMの使用に関するガイダンスを提供している。そこでは、ベスト・プラクティスと考えられるものを示し、企業がそのような指標をどのように表示するかについての実際の例が提供されている。IOSCO及び欧州証券市場監督局(ESMA)が発行した要求事項を網羅しているが、企業は、現地の法域での追加的な要求事項も考慮しなければならない。 さらに、デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」は、COVID-19の影響を表示するために新しい又は改訂されたAPMを公表する前に、企業が何を検討すべきかについての詳細を提供している。 |
流動性リスク管理
資金調達へのアクセスが通常よりも困難であることが判明する可能性がある不確実性のある時代において、規制当局は、IFRS第7号「金融商品:開示」により要求される、企業の流動性ポジションに関する明確な情報を提供することの重要性を強調している。
パンデミックは、これまでは存在しなかった又はそれほど重大ではなかった新たな重大な金融リスクを引き起こしている可能性がある。流動性リスクが明らかなる可能性のある事象及び取引には、例えば、新たな多額の債務、債務再交渉、新たなファイナスの取決め、債務コベナンツの違反が含まれる。
コベナンツ違反が発生した場合の流動又は非流動としての負債の分類報告日以前にコベナンツ違反が発生し、当該違反が貸手に報告日から12か月以内に返済を要求する権利を提供する場合、企業に報告日から12か月超支払いを繰り延べる権利を与える、報告日以前に締結され契約がない場合、当該負債は企業の財務諸表において流動として分類しなければならない。報告日より後のコベナンツ違反の放棄は、修正を要しない後発事象として開示しなければならないが、報告日における負債の分類には影響しない。 |
企業は、サプライヤーへの後払い及び金融機関が企業のサプライヤーに支払うことと交換に企業が資金を引き出すことを可能にするサプライヤー・ファイナンス及びリバース・ファクタリングのような、金融機関との取決め等の代替的な資金源の使用を含め、このリスクを管理する方法を探すかもしれない。これらのファシリティの開示は、特に企業の資金調達又は存続可能性に重要性がある場合に、重要である(詳細については、「サプライヤー・ファイナンスの取決め」のセクションを参照)。
また、政府補助金及び援助、放棄又は支払いのモラトリア措置の恩恵を受けた企業は、利用者がそれらの停止に起因する可能性のあるリスクを理解できるようにするために、そのような措置の特徴と共に、当該事実を開示しなければならない。
開示が要求される他の影響には、資本プロジェクト計画の遅延、コスト削減プログラム、又は企業の配当方針の変更が含まれる。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」は、流動性リスク管理に関して開示しなければならない情報を識別する際に考慮すべき要因についてのより詳細を提供している。 |
予想信用損失
COVID-19は、企業又は個人を問わず、借手が未払金額を返済する能力に影響を与える可能性がある。個人及び企業の借手は、地域及び産業セクターにおける経済的影響に対する特定のエクスポージャーを有する可能性がある。経済成長予測の引下げは、多くの借手の債務不履行の確率を高める。より広範には、資産価格の下落は、基礎となる担保の価値の低下を意味し、その後、損失率の上昇につながる可能性がある。
COVID-19が予想信用損失(ECL)に与える影響は、銀行及び他の融資ビジネスにとって特に困難であり、重大である。しかし、この影響は非金融企業にとっても重大となる可能性がある。これは、ECLが第三者への融資のみでなく、有利息の金融資産(例えば、債券)に対する多くの投資、営業債権、共同支配企業及び関連会社への融資、契約資産、リース債権、発行したローン・コミットメント及び金融保証契約にも適用されるためである。個別財務諸表では、グループ内ローンなどのグループ内取引又は他の企業の債務について報告企業が提供する保証にも適用される。
IFRS第9号「金融商品」のステージ分析は、将来予測的な情報の評価に基づいて、金融資産の当初認識時点及びその後の各報告日における全期間の債務不履行確率の見積りが要求され、これはCOVID-19の影響に関する不確実性を考慮すると特に困難である。当該困難にもかかわらず、企業は、報告日において過度のコストや努力をかけずに利用可能な過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測に関するすべての合理的で裏付け可能な情報を考慮に入れることにより、現在の経済環境を特徴づける重要な不確実性を偏りがない方法で反映する見積りを行うことが要求される。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」とCOVID-19ビデオ・シリーズでは、COVID-19が予想信用損失に与える可能性のある影響についてのより詳細を提供している。 もう1つのデロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する予想信用損失会計の検討事項」 *7は、COVID-19パンデミックに起因するECLについての会計に関連する特定の主要なIFRS会計上の検討事項について説明する。このニュースレターが焦点を当てているのは、貸手及び銀行であるが、その多くは金融サービス以外の業界でのECLの測定にも適用される。 さらに、デロイトのA Closer Look「引当マトリクスを使用した営業債権への予想信用損失モデルの適用」 *8は、ECLモデルが営業債権にどのように適用されるかについて説明しており、別のデロイトA Closer Look -Measurement of expected credit losses for intercompany loan assets with no documented contractual term *9は、文書化された契約条件がないグループ会社間のローン資産の予想信用損失を測定する際のより詳細を提供している。 |
減損レビュー
COVID-19パンデミックによる経済環境の混乱は、減損レビューに注目を当てている。規制当局は、多くの企業にとってCOVID-19の悪影響が、IAS第36号の1つ以上の減損の兆候のトリガーとなり、減損テストが要求されることを強く示すものになると予想している。これは、期中報告期間にテストが実施された場合でも当てはまる。
また規制当局は、将来の経済状況の見通しは依然として不確実であるが、企業はこれまでの期中報告期間に使用された仮定を更新して、利用可能な最新の情報を反映することが期待されることも指摘している。彼らは、昨年の年次及び期中報告と比較して、仮定及び測定値がどのように変化したかを企業が開示することを推奨している。
感応度分析の明確な開示は、以前に減損があった場合も含め、非常に重要である。感応度分析では、IAS第36号134項(f)及び135項(e)(例えば、主要な仮定及びヘッドルームに割り当てられた価値)により要求されるすべての情報、及びIAS第1号により要求される情報(「判断及び見積り」のセクションを参照)を提供しなければならない。資産がどれだけ減損に「近い」かを示すために、企業は、資産の回収可能価額が帳簿価額と等しくなるために、主要な仮定に割り当てられた値が変化しなければならない金額を提供しなければならない。企業が、仮定に対する合理的な変更が減損を招くことはないと考える場合、企業は「合理的な変化」と考えるものを示さなければならない。仮定の通常の変化に加えて、企業は、資産の帳簿価額がパンデミック前のキャッシュ・フロー・レベルに回復する予想日の遅延にどれほど敏感に反応するかを開示することを検討しなければならない。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」とCOVID-19ビデオ・シリーズでは、COVID-19が減損レビューにどのような影響を与える可能性があるかについてのより詳細を提供している。これには、とりわけ、将来のキャッシュ・フローを見積もる際に考慮すべき要因の議論及び開示の要求事項のリマインダーが含まれる。 |
IFRS第16号「リース」
COVID-19をきっかけに、多くの企業が、さまざまなリースの契約条件(例えば、支払時期、支払額、契約期間)を変更した、又は変更するプロセスにある。さらに、IASBは、COVID-19に起因する賃料減免を会計処理考慮する際に借手に救済を提供するためにリース基準を修正した。
借手及び貸手は、供与した又は受けた救済措置を会計処理する際に適用される会計方針について、明確な開示を提供する必要がある。さらに、借手が、IFRS第16号の最近の修正で提供された救済を受ける場合は、特定の開示が要求される。
賃料減免を供与した貸手は、現在の市場状況がオペレーティング・リース契約の対象となる資産に重要な変化をもたらす可能性のあるリスクを反映して、適切な開示を提供しなければならない。
COVID-19の結果としての判断の重大な変化(例えばリース期間に関して)は、明確に伝達しなければならない。使用権資産の減損をテストする際の見積りの不確実性は、説明し、定量化しなければならない。
借手が財務諸表に対するリースの影響に関して提供しなければならない追加情報の開示(IFRS第16号B48項参照)は、企業の財政状況、業績及びキャッシュ・フローに対するパンデミックの影響に関する財務諸表の利用者が既に入手可能な情報を補完する可能性がある。このような情報は、(ⅰ)リース契約によって提供される柔軟性又は課される特定の制限、(ⅱ)報告される情報の主要な変数に対する感応度、及び(ⅲ)リースから生じる他のリスクに対するエクスポージャー(例えば、流動性リスク、業界慣行からの逸脱、借手のリース・ポートフォリオに影響を与える通例でないか又は独特のリース契約条件を含む)を理解するのに役立つ場合、財務諸表の利用者にとって目的適合性がある可能性が高い。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」とCOVID-19ビデオ・シリーズでは、COVID-19の影響が、借手及び貸手にどのように影響するか、特に賃料減免の会計処理に関してどのように影響する可能性があるかについての詳細を提供している。 |
COVID-19に関して及びより一般的には、企業の財務業績及び財政状態についてのリースの影響を明確に提供するために、明確で包括的な開示が必要である。
2019年、企業は初めて財務諸表にIFRS第16号を適用した。一部の規制当局は、提供された開示に改善及び洗練の余地があると考えている。我々は、以下の当局の主要な発見事項を強調する。
判断
リース契約に関する重要性のある会計上の判断は、十分に記述しなければならない。特に、契約にリースが含まれているかどうかの判断、リースが含まれている場合には、当該リースの条件は企業に固有でなければならない。
会計方針
開示される会計方針は、企業の状況に固有のものでなければならない。会計方針は、決まり文句(boilerplate)の言葉は含まれているが、明らかに重要性のある項目を取り扱わない場合は、あまり役に立たたない。
定量的開示
借手は、報告期間の純損益計算書に影響する費用及び減価償却費に関するIFRS第16号53項により要求される情報を開示しなければならない。これには、リース負債の測定に含まれていない変動リース料及びIFRS第16号の免除規定(例えば、短期リース又は少額資産のリース)に起因するものを独立して開示することが含まれる。
IFRS第16号53項により要求される開示は、別の形式が適切でない限り、表形式で表示しなければならない。表形式又は適切な相互参照を使用しないと、利用者が情報を見つけることが困難になる。将来のキャッシュ・アウトフローのエクスポージャーは、例えば、認識されていないリースの延長オプション又は変動リース料がある場合、十分に説明しなければならない。
IFRS第16号58項により要求されるリース負債の満期分析は、適切な期間帯で、他の金融負債とは別個に開示しなければならない。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
COVID-19に関連するビジネスの中断により、企業が通常のビジネス慣行の下で顧客契約を締結できなくなる可能性があり、企業が強制力のある権利及び義務を有するのかどうかの判断が困難になる可能性がある。
さらに、企業の一部の顧客は財政上の困難及び流動性の問題を抱えている可能性があるため、企業は、顧客の取決めの回収可能性を適切に評価し、変動対価(例えば、返品の増加、製品又はサービスの使用量の減少、ロイヤリティの減少)に関連する見積りの変更を検討する追加の手続を策定する必要があるかもしれない。
顧客を支援するため又は財又はサービスの購入を継続するインセンティブを顧客に提供するために、企業は、購入コミットメントを減らすために契約を改訂する、顧客がペナルティなしに契約を解約することを認める、価格譲歩、将来の購入の値引き、無料の財又はサービス、支払条件の延長又はロイヤルティ・プログラムの延長を提供する可能性がある。
さらに、企業自体が財政上の困難及び供給の混乱を経験している可能性があるため、顧客に前払いを要求する、財の引渡しが遅れるなどの措置を講じる可能性がある。また、履行しなかった場合、サービス・レベルの合意を満たさなかった場合、又は契約を終了した場合に、ペナルティを支払う又は返金する場合もある。さらに、履行義務を充足するための予想外のコストが発生する可能性がある。
企業は、COVID19-パンデミックの結果として生じるこれらの状況又はその他の状況によって、収益認識の方針が影響を受けるかどうかを慎重に評価しなければならない。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」は、COVID-19が企業の収益認識方針にどのように影響する可能性があるかについてのより詳細を提供している。 |
いくらかの進歩を指摘しているが、一部の規制当局は、顧客との契約からの収益に関して企業が提供する開示についての改善の余地を引き続き識別している。彼らは、企業が、特に以下の問題に関して、基準の要求事項を自身の特定の状況にどのように適用したかについて明確な理解を提供することを確保するために、収益関連の開示を批判的に見直さなければならないことを指摘している。
収益の分解
収益の分解は、収益の性質、金額及び時期が最も敏感に反応するリスクを反映しなければならない。
収益認識の時点
企業は、履行義務を充足し、収益を認識する時点を開示しなければならない。履行義務が一定の期間にわたり充足する場合、企業はその理由を説明しなければならない。「一定の期間にわたる」収益認識の進捗状況を測定するために使用した方法についても説明しなければならない。履行義務が一時点で充足する場合、企業は、どの時点で履行義務が充足するのかを十分に説明しなければならない。
変動対価
変動対価の性質及び見積り手法は、どのように制限されるかを含めて開示しなければならない。関連するリスクは明確に示され、誤解を招くものであってはならない。見積りの不確実性が収益に対する下方修正の重大なリスクを示している場合、企業は、変動対価の制限が適切に適用されていることを確認しなければならない。
契約の獲得又は履行のためのコスト
企業の活動に目的適合性がある場合、契約の獲得又は履行のためのコストの会計方針及び定量化を開示しなければならない。
重要な判断
収益認識に関する具体的な判断を開示しなければならない。これは、特に、企業が代理人としてではなく本人として行動していると判断する際に行われた判断、及び複数要素契約に単一の履行義務又は多くの履行義務が含まれているかどうかを判断する際の判断に当てはまる。感応度分析又は潜在的な結果の範囲のような定量的開示は、見積りの不確実性を含む判断に対して提供されなければならない。
デロイトのA Closer Look「収益認識:企業が本人として行動しているか代理人として行動しているかの評価」 *10では、企業が本人又は代理人のどちらとして行動しているかの評価についてのより詳細を提供している。 |
契約残高
企業は、契約資産及び負債がどのように生じ、それらが前年比でどのように変動するかを開示しなければならない。履行義務の充足とキャッシュ・フローの時期との関係を、明確に説明しなければならない。
契約変更
契約変更がある場合、このような事象の会計処理は会計方針から明確にしなければならない。
企業の財務活動に関する情報
サプライヤー・ファイナンス契約
サプライヤー・ファイナンス契約(「リバース・ファクタリング」とも呼ばれる」は、購入者とサプライヤーの双方の流動性に関して便益をもたらすように設計されることが多い。いくつかの法域では、サプライヤーへの迅速な支払いを奨励する公共政策のイニシアチブに対応して、それらは一般的になっている。
サプライヤー・ファイナンスに関する取決めの条件はさまざまであるが、通常、サプライヤーは、第三者の金融機関から請求書の条件に沿って、またその前に支払われ、後日、第三者の金融機関は購入者から請求書の条件に沿って、又はその後に返済を受ける。
IFRS解釈指針委員会(委員会)は、2020年6月の会議でサプライヤー・ファイナンスの論点について議論し、暫定的なアジェンダ決定を公表した。
委員会は、関連する請求書がリバース・ファクタリング契約の一部である場合に、受け取った財又はサービスに対して支払う負債をどのように表示するかについて議論した。委員会は、企業は次の場合にのみ金融負債を買掛金として表示すると結論を下した。
- 財又はサービスに対して支払う負債を表している。
- 請求されているか又は納入業者と正式に合意している。
- 企業の正常営業循環期間において使用される運転資本の一部である。
これらの負債を区分して表示すべきかどうかという問題について、委員会は、IAS第1号を適用して、企業が以下のように表示すると結論付けた。
- 当該負債が買掛金と類似した性質及び機能を有している場合(例えば、当該負債が企業の正常営業循環期間において使用される運転資本の一部である場合)にのみ、「買掛金及びその他の未払金」の一部として表示する。
- 当該負債の大きさ、性質又は機能により、区分表示が企業の財政状態の理解への目的適合性がある場合には、区分して表示する。このような負債を区別して表示することが要求されるかどうか(買掛金とその他の未払金を分解すべきかどうかを含む)を評価するにあたり、企業は当該負債の金額、性質及び時期を考慮する(IAS第1号の55項及び58項)。
委員会は、リバース・ファクタリング契約の一部である又は一部となる負債の認識の中止には、IFRS第9号が適用されると考えた。当該契約の一部である負債の性質についての企業の評価(上記参照)は、関連するキャッシュ・フローが営業活動又は財務活動のいずれから生じたものであるかという性質を決定する際に役立つ可能性があると考えた。
リバース・ファクタリング契約は、企業の流動性リスク開示にも含めなければならない(より詳細については、「流動性リスク管理」のセクションを参照)。
さらに、これに関して行った判断が、行った判断のうち財務諸表に認識した金額に対して最も重大な影響を有するものに含まれる場合には、リバース・ファクタリング契約に関連する負債及びキャッシュ・フローをどのように表示するかについて経営者が行った判断を開示しなければならない(IAS第1号122項)。また企業は、リバース・ファクタリング契約に関する情報が当該財務諸表の理解への目的適合性がある範囲で、当該情報を財務諸表において提供しなければならない(IAS第1号112項)。
執筆時点では、委員会のポジションの最終決定は2020年末までに予定されている。 *11これは、サプライヤー・ファイナンス契約に関与する企業は慎重に検討しなければならない。
財務活動による負債の変動の開示
規制当局は、IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」が要求する財務活動から生じる負債の変動に関する企業の開示に、改善が必要であることを引き続き指摘している。2019年9月、IFRS解釈指針委員会は、企業に開示目的についてリマインドし、調整表のみでは十分ではない可能性があることを明確にするアジェンダ決定を公表した。
IAS第7号で要求される調整表は、純債務残高の変動ではなく、財務活動から生じる負債の変動のみを表示するものであるため、過去に一部の法域で表示されていたような純債務の調整表(多くの場合、現金及び財務活動キャッシュ・フローを生じさせないその他の資産を含む)とは異なることに留意しなければならない。要約すると、IAS第7号で要求される調整表は次のようにしなければならない。
- 現金又は現金同等物残高は含めない。
- キャッシュ・フロー計算書で財務活動に分類されるキャッシュ・フローを生じるすべての負債(例えば、借入金又はリース負債、及びそれらが企業の財務活動の一部を形成する場合のサプライヤーへの債務)を含む。
- 例えば財務キャッシュ・フローを生み出す負債のヘッジ手段であることにより、キャッシュ・フローの計算書に財務活動として分類されるキャッシュ・フローを生じるすべてのデリバティブを含む。
- キャッシュ・フローから生じる変動及び非現金の変動の両方を含める。
- キャッシュ・フロー計算書と調整する。
法人所得税の影響の報告
法人所得税の報告は、特にCOVID-19パンデミックの状況を踏まえると、引き続き規制当局及び投資家が注目する分野である。
財務諸表に関しては、IAS第12号「法人所得税」で要求される実際負担税率の調整は、企業の実際負担税率の持続可能性及びそれに影響を与える要因に関する重要な情報源である。調整項目の性質及び当該項目が生じた理由を明確に説明し、重要な1回限り又は通常でない項目と反復が予想される項目とを明確に区別しなければならない。
法人所得税は、特に不確実な税務ポジションに関して、IAS第1号に従って開示される見積りの不確実性の一般的な発生要因である。翌事業年度に重要性のある修正を生じる重要なリスクは、感応度又は生じ得る結果の範囲等の定量的情報を含めて開示しなければならない。その後の期間における重要性のある修正の可能性も、例えば、税金の注記に含まれる可能性のある有用な情報でもある。
デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」は、COVID-19が繰延税金資産の認識及び将来の課税利益の評価を含む、法人所得税に関する企業の報告にどのような影響を与える可能性があるかについてのより詳細を提供している。 |
COVID-19の影響を受ける可能性のある多くの分野を強調してきたが、リストははるかに長くなっている。デロイトのIFRS in Focus「新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項」は、以下を含む、他のいくつかの分野を取り扱っている。
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Brexitと2020年財務諸表
規制当局は、英国の欧州連合からの離脱の決定の、企業に起こりうる影響についての開示の重要性を引き続き強調している。英国で重要性のある事業を行う企業の2020年12月の財務諸表には、Brexitが企業の業績と将来予測に及ぼす可能性のある影響に関する説明が含まれると仮定しなければならない。この説明には、2020年12月の財務諸表に対する移行期間の終了の影響を、より詳細に分析することが含まれる可能性が高い。
英国の離脱の最終条件に関する重大な不確実性と不明点は、移行期間の終了(2020年12月31日)に向けて又はその後、ある程度解消される。これは、IAS第10号「後発事象」で要求される修正を要する後発事象及び修正を要しない後発事象の両方を識別し、必要な開示を行うために、年度末報告の計画時に報告期間後の事象の包括的なレビューを取り入れなければならない。
2020年末までにより明確化が見込まれるが、Brexitの完全な経済的影響はすぐには明らかではないかもしれない。企業は、引き続き見積り及び予測に関する課題に直面し、目的適合性のある開示を提供する必要があることが予想される。
金利指標改革
銀行間金利(IBOR)などの金利指標は、世界の金融市場において重要な役割を果たし、金融商品の何兆ドルもの指数となっている。多くの法域で、代替的リスク・フリー・レート(RFRs)への移行に向けて作業が進行している。これは、より信頼性の高い金利を実現し、IBORに組み込まれている信用リスク・プレミアムを組み込む必要がない商品及び取引に対して堅牢な代替手段を提供することを目的としている。
フェーズ1
2019年に、IASBは、「金利指標改革」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号の修正)を、いくつかの既存の金利指標の長期的な存続可能性に関する不確実性から生じる会計上の問題に対処するために公表した。
本修正は、特定のヘッジ会計の要求事項を修正して、ヘッジされているキャッシュ・フローとヘッジ手段のキャッシュ・フローの基礎となっている金利指標が、金利指標改革の結果として変更されないと仮定して、企業がそうしたヘッジ会計の要求事項を適用できるように修正した。
本修正は、2020年1月1日以後開始する事業年度に適用される。
デロイトのIFRS in Focus「IASB、『金利指標改革』(IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の修正)を公表」 *12は、フェーズ1の修正の詳細を提供している。 デロイトのA Closer Look「金利指標改革-フェーズ1(IFRS第9号及びIAS第39号の修正)及びフェーズ2(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正)を適用する際の金融商品の開示」 *13は、金利指標改革-フェーズ1及びフェーズ2を適用する際の、金融商品の開示を示している。 |
フェーズ2
2020年にIASBは、「金利指標改革—フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正)を公表した。
本修正により、企業は、財務諸表の利用者に有用な情報を提供しないことになる会計上の影響を生じることなく、IBORなどの指標金利から代替的指標金利への移行の影響を反映することが可能になる。
本修正は、多くの企業、特に金利指標改革の対象となる金融資産、金融負債又はリース負債、及び当該改革の影響を受けるヘッジ関係にIFRS第9号又はIAS第39号「金融商品:認識及び測定」のヘッジ会計の要求事項を適用する企業に影響する。企業は、金利指標改革から生じるリスクの性質及び程度、それらのリスクをどのように管理しているか、金利指標から代替的指標金利への移行の進捗状況を含む移行をどのように管理しているかに関する開示を提供することが要求される。
本修正はすべての企業に適用され、任意のものではない。2021年1月1日以後開始する事業年度に発効し、早期適用は認められている。本修正は遡及的に適用され、改革によって直接要求される変更によるのみで中止されたヘッジ関係の復活が含まれる。
デロイトのIFRS in Focus「IASBが金利指標改革-フェーズ2を公表:IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正」 *14は、フェーズ2の修正のより詳細を提供している。 デロイトのA Closer Look「金利指標改革-フェーズ1(IFRS第9号及びIAS第39号の修正)及びフェーズ2(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正)を適用する際の金融商品の開示」は、金利指標改革-フェーズ1及びフェーズ2を適用する際の、金融商品の開示を示している。 |
気候変動
投資家及び規制当局から、財務諸表に気候変動の影響を反映し、関連する判断及び見積りの適切な開示を提供することへの期待が高まっている。
ニック・アンダーソンIASB理事が執筆し、オーストラリア会計基準審議会(AASB)及び監査保証審議会(AUASB)による以前の公表物に基づいて作成されたIFRS財団の公表物「IFRS基準と気候関連の開示」 *15は、IFRS基準を適用して作成された財務諸表に対する気候関連及び他の新たなリスクから生じる潜在的な影響について議論している。IFRS財団は、この公表物を補完するための教育マテリアル *16も公表した。
Principles for Responsible Investment groupからのオープンレターは、前年と比較して(追加の考慮事項及び期待される開示の面で)気候変動の影響を反映することに関する作成者及び監査人の両方に対する期待が、増加し、より具体的になることを明らかにしている。
そして2020年11月、気候変動に関する機関投資家グループ(IIGCC-33兆ユーロ以上の資産を代表するヨーロッパの投資家グループ)は、レポート「取締役及び監査人によるパリ協定準拠の会計の提供に対する投資家の期待-資産、負債、利益及び損失に対して2050年までにネットでゼロの排出量に達する影響を適切に反映する会計書類」を公表した。当レポートは、「その後にのみ、経営者、投資家及び債権者がパリ協定と整合的な方法で資本を展開するために必要な情報を有する」と述べている。また、取締役、監査委員会、監査人によるこの目的を達成するための行動、及びIFRS財団の公表物「In Brief: IFRS基準と気候関連開示」で強調されている要求事項の適用を求めている。
気候変動が財務諸表にどのような影響を及ぼすかの詳細については、以下を参照してください。 |
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通貨と超インフレ
インフレの水準の上昇と、現地通貨と国際的に取引される通貨との交換の制限は、世界中のいくつかの経済の特徴である。これらの問題は、以下のような財務報告の課題を示している。
- 経済が超インフレであるかどうかを判断し(この用語はIAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」で定義されている。3年間の累積インフレ率が100%に近づいているか又は超えることを含む、超インフレのいくつかの特徴が含まれている。)その場合には、財務諸表における金額には一般物価指数を適用しなければならない。
- 現地通貨と国際通貨の両方が一般的に使用されている状況での企業の機能通貨の決定。IAS第29号は、(その経済で事業を行う企業ではなく)機能通貨が超インフレ経済の通貨である企業にのみ適用されるため、現地通貨が超インフレである場合、特に重要である。
- 単体財務諸表の貨幣性項目を換算する、及び親会社の報告通貨に在外営業活動体の財務諸表を再換算するための適切な為替レートを特定する。
インフレ又は為替の問題が重要な判断につながる、又は見積りの不確実性の発生要因となる場合は、IAS第1号122項及び125項が要求する開示を提供しなければならない。
国際通貨基金(IMF)のインフレ予測やIAS第29号に定められた指標を含む執筆時点における入手可能なデータに基づいて、以下の法域は2020年12月31日終了年度の財務諸表について、IAS第29号を適用する目的及びIAS第21号「外国為替レート変動の影響」に従った在外営業活動体の再換算を行う超インフレ経済にあると考えなければならない。
- アルゼンチン
- イラン・イスラム共和国
- レバノン
- 南スーダン
- スーダン
- シリア・アラブ共和国
- ベネズエラ
- ジンバブエ
執筆時点では、IMFの予測によると、スリナム共和国は2020年12月末までに超インフレ経済であると考えられる可能性がある。関係する企業は、状況をモニターして、そうであるかどうかを判断しなければならない。
規制上の焦点となる他のトピック
キャッシュ・フローの計算書
財務活動から生じた負債の変動に関する要求事項と、及び上記で説明したサプライヤー・ファイナンシングとファクタリングの取決めの処理について明確にする必要性に加えて、キャッシュ・フローの報告は、より一般的に依然として焦点の当たる領域である。特に、キャッシュ・フローの適切な分類を決定する際には注意が必要である。一般的な落とし穴には、次のものが含まれる。
- 非資金取引(リースの開始など)は、キャッシュ・フロー計算書から適切に除外しなければならない。
- 新規の借入金からの入金と借入金の返済は相殺せず、総額で報告しなければならない。
- 関連会社及び共同支配企業から受け取った配当金、又は取得時に支払った現金の純額を開示しなければならない。
- 取得関連コスト及び取得後サービスに対する対価は、営業活動によるキャッシュ・フローに分類しなければならない。
- 非支配持分の取得によるキャッシュ・フローは、財務活動に分類しなければならない。
- ヘッジ手段として会計処理されるデリバティブからのキャッシュ・フローは、ヘッジ対象ポジションのキャッシュ・フローと同じ区分に分類しなければならない。
引当金及び偶発負債
引当金の認識及び測定は本質的に判断の領域であり、含まれる主要な判断の明確な開示は重要である。例えば、義務が生じる時点及び事後のキャッシュ・フローの金額と時期の不確実性についてである。
さらに、引当金に関する開示を提供する際には、以下の点を検討しなければならない。
- 開示は十分に詳細に行わなければならない(例えば、第三者の請求に対する引当金がある場合、これは時期を含めてさらに説明しなければならない)。
- 異なるクラスの引当金を集約してはならない(例えば、不利な契約の引当金は、法的、商業的及び規制上の請求に関する引当金と集約してはならない)。
- リストラクチャリング引当金がIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に定められた認識要件をどのように満たすかを説明しなければならない。IAS第37号は、現在の義務が存在し、経済的便益を有する資源の流出が発生する可能性が高く、信頼性のある見積りを行うことができる場合、引当金を認識しなければならないことを規定している。
- 引当金及び関連する保険の補填は、財政状態計算書に総額で表示しなければならない。
- 保険の補填資産の回収がほぼ確実であるという結論を裏付ける十分な情報を提供しなければならない。
公正価値測定
同様に、公正価値の算定は、特に観察可能でない「レベル3」インプットの使用が要求される場合、主観の行使となる可能性がある。投資家が含まれている見積りを理解できるようにするために、使用する評価技法。重要な観察可能でないインプット及び感応度の明確な開示を提供しなければならない。
以下は、規制当局によって頻繁に不十分な点の要因として識別されている。
- 公正価値の感応度は、特に非金融資産に関して記載しなければならない。感応度分析は、主要な仮定の合理的に考え得る変化の影響を示さなければならない。
- 評価技法の選択に判断が要求される場合は、適切に説明する必要がある。
- 企業が「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」のような科目を使用する場合は、金額が何を表し、公正価値がどのように算定されるのかを説明する必要がある。
- 企業が確立された評価技法に対して会社固有の調整を行う場合には、これらを十分に詳細に説明しなければならない。
- 評価のインプット及び仮定(例えば、割引率)は、財務諸表の他のセクションで使用されるものと一貫していなければならない。
- 子会社が上場している場合、子会社についての処分コスト控除後の公正価値は、子会社の市場価値を大幅に超過してはならない。
- 公正価値ヒエラルキーの開示には、経常的な公正価値測定及び非経常的な公正価値測定がすべて含まれていなければならない。
- レベル3に分類される項目の期首残高及び期末残高は、調整表を作成しなければならない。
付録
2020年12月31日に終了する事業年度に強制適用される新しい及び改訂されたIFRS基準及び解釈指針
下表に記載の各修正基準についての解説は、デロイトトーマツのウェブサイト「IFRS基準別の解説」を参照いただきたい。(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/finance/articles/ifrs/ifrs-kaisetsu-1.html)
修正基準:
- IFRS第3号「企業結合」の修正-「事業の定義」
- 「財務報告に関する概念フレームワーク」の修正。「IFRS基準における概念フレームワークへの参照の修正」を含む。
- IAS第1号及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の修正-『重要性がある』の定義
- IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の修正「金利指標改革」
IFRS第3号の修正—「事業の定義」
IFRS第3号の修正には、以下の点が含まれる。
- 事業とみなされるためには、取得した活動と資産の組合せは、最低限、ともにアウトプットを創出する能力に著しく寄与するインプット及び実質的なプロセスが含まれていなければならないことの明確化。
- 取得したプロセスが実質的かどうかを判断するのに役立てるための追加のガイダンス。何が事業と考えられるのかの解釈を助けるための新しい設例。
- 市場参加者が欠けているインプット又はプロセスを入れ替え、アウトプットの産出を継続することができるかどうかの評価の削除。
- 顧客に提供される財及びサービスに焦点を当てることにより、事業及びアウトプットの定義を狭める。コストを低減する能力への言及を、削除する。
- 任意の集中度テストでは、取得した活動と資産の組合せが事業ではないかどうかの簡略化された評価を可能にする。取得した総資産の公正価値のほとんどすべてが単一の識別可能な資産又は類似した識別可能な資産のグループに集中している場合、それは事業ではない。
- 統合された活動と資産の組合せが事業とみなすべきかどうかが明らかではない場合に判断を適用することのリマインダー。
デロイトのIFRS in Focus「IASB、IFRS第3号における事業の定義を修正」は、IFRS第3号の修正—「事業の定義」のより詳細を提供している。 |
「IFRS基準における概念フレームワークへの参照の修正」
2018年に改訂「概念フレームワーク」を公表した際に、IASBは独立の文書「概念フレームワークへの参照の修正」を公表した。本文書には、「フレームワーク」の1989年版及び2010年版への参照が含まれる基準について、新しい「フレームワーク」に参照する結果的修正が含まれている。
デロイトのIFRS in Focus「IASBが、改訂版の「概念フレームワーク」を公表」は、IFRS基準の結果的修正を含む改訂「概念フレームワーク」についてのより詳細を提供している。 |
IAS第1号及びIAS第8号の修正—「『重要性がある』の定義」
本修正は、IAS第1号の「重要性がある」の定義をより容易に理解できるようにすることを目的としており、IFRS基準における重要性の基礎となる概念を変更することは意図していない。また、本修正により、以下の変更が行われる。
- 重要性がある情報を重要性がない情報で「覆い隠す」という概念が、新しい定義の一部として含まれる。
- 利用者に影響を与える重要性の閾値を、「影響を与える可能性がある(could influence)」から「影響を与えると合理的に予想し得る(could reasonably be expected to influence)」に変更した。
- IAS第8号の「重要性がある」の定義は、IAS第1号の「重要性がある」の定義への参照に置き換えられた。さらにIASBは、一貫性を確保するために、「重要性がある」の定義を含める又は「重要性がある」の用語を参照するように、他の基準及び「概念フレームワーク」を修正した。
デロイトのIFRS in Focus「IASB、『重要性がある』の定義を修正」は、IAS第1号及びIAS第8号の修正—「『重要性がある』の定義」のより詳細を提供している。 |
IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号の修正-「金利指標改革(フェーズ1)
IFRS第9号、IAS第39号、及びIFRS第7号の修正は、以下のとおりである。
- 金利指標改革による影響を直接受けるヘッジ関係に、IFRS第9号又はIAS第39号のヘッジ会計の要求事項を適用する企業に影響する。
- 特定のヘッジ会計の要求事項を変更して、金利指標が金利指標改革の結果として変更されないものと仮定して、ヘッジ会計の要求事項を適用する。
- 金利指標改革の影響を直接受けるヘッジ関係のすべてに強制適用される。
- 金利指標改革から生じる他の帰結からの救済を提供するものではない。ヘッジ関係が、修正基準で特定されている理由以外の理由で、もはやヘッジ会計の要求事項を満たさなくなった場合、ヘッジ会計の中止が要求される。
- 企業が本修正を最初に適用する報告期間の期首時点で存在していたか又はその後に指定されたヘッジ関係、又は企業が本修正を最初に適用する報告期間の期首時点で存在していたその他包括利益に認識された利得又は損失に遡及的に適用される。
デロイトのIFRS in Focus「IASB、『金利指標改革』(IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の修正)を公表」は、IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号の修正-「金利指標改革(フェーズ1)」のより詳細を提供している。 |
2020年のIFRS解釈指針委員会のアジェンダ決定
IFRS解釈指針委員会は、IFRS基準の正式な解釈指針を開発し、IASBがIFRS基準を修正することを提案する活動を行うとともに、アジェンダに追加しないことを決定した論点の要約を、多くの場合提出された会計上の論点の議論と共に、定期的に公表している。
2020年8月、IFRS財団の評議員会は、更新版IFRS財団デュー・プロセス・ハンドブックを公表し、IFRS解釈指針委員会が公表したアジェンダ決定の説明的資料がIFRS基準自体から権限を得ており、したがってその適用が要求されることを確立した。
IFRS財団デュー・プロセス・ハンドブックは、企業がその決定を行い、必要な会計方針の変更を決定し実施するための十分な時間(例えば、企業は変更を適用するために、新たな情報の入手やシステムの適用が必要となる場合がある)を与えられることが期待されることを指摘している。会計方針の変更を行うために十分な時間がどのくらいなのであるかの決定は、企業の具体的な事実及び状況に応じて決まる判断の問題である。それでも、企業は、どのような変更も適時に導入し、重要性がある場合には、当該変更に関連した開示がIFRS基準で要求されるかどうかを検討することが期待される。
2020年に、以下のアジェンダ決定が委員会によって公表された。 *20
2020年1月 IFRICアップデート |
IFRS第16号-リースの定義-意思決定権 |
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2020年3月 IFRICアップデート |
IAS第21号及びIAS第29号-超インフレの在外営業活動体の換算-為替差額の表示 |
IAS第21号及びIAS第29号-在外営業活動体が超インフレとなる前の為替差額累計額 |
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IAS第21号及びIAS第29号-在外営業活動体が初めて超インフレとなる際の比較対象金額の表示 |
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IFRS第15号-契約を履行するための訓練コスト |
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2020年4月 IFRICアップデート |
IAS第12号-資産の回収に関する複数の税務上の帰結 |
2020年6月 IFRICアップデート |
IFRS第16号-リース料が変動するセール・アンド・リースバック |
IAS第12号-子会社に対する投資に係る繰延税金 |
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IAS第38号「無形資産」-選手移籍金 |
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2020年12月 IFRICアップデート |
サプライチェーン・ファイナンス契約-リバース・ファクタリング |
2020年12月31日に終了する年度から早期適用可能な新しい及び改訂されたIFRS基準及び解釈指針
IAS第8号30項は、新しい及び改訂されたIFRS基準が公表されたが未発効の場合、その潜在的な影響を検討し、開示することを要求している。上記のように、これらの開示の十分生は、現在の規制上の焦点となっている領域である。
以下のリストは、2020年11月30日時点のものを反映している。当該日以後、財務諸表が発行される前にIASBから公表された新しい及び改訂されたIFRS基準の適用による潜在的な影響についても検討し、開示しなければならない。
下表に記載の新しい基準及び修正基準についての解説は、デロイトトーマツのウェブサイト「IFRS基準別の解説」を参照いただきたい。(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/finance/articles/ifrs/ifrs-kaisetsu-1.html)
IFRS | 発効日-以下開始する事業年度 |
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新しい基準 |
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IFRS第14号「規制繰延勘定」 |
2016年1月1日以後に開始する事業年度の財務諸表にIFRSを初度適用した企業 |
「IFRS第17号の修正」を含むIFRS第17号「保険契約」 |
2023年1月1日 |
修正基準 |
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IFRS第10号及びIAS第28号の修正-「投資者とその関連会社又は共同支配企業間での資産の売却又は拠出」 |
IASBは2015年12月にこれらの修正の発効日の無期限延期を決定した。早期適用は認められる。 |
IFRS第16号の修正-「Covid-19に関連した賃料減免」 |
2020年6月1日 |
IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号「保険契約」及びIFRS第16号の修正-「金利指標改革-フェーズ2」 |
2021年1月1日 |
IFRS第3号の修正-「概念フレームワークへの参照」 |
2022年1月1日 |
IAS第16号の修正「有形固定資産-意図した使用の前の収入」 |
2022年1月1日 |
IAS37の修正-「不利な契約-契約履行のコスト」 |
2022年1月1日 |
IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」、IFRS第9号、IFRS第16号及びIAS第41号「農業」の修正-「IFRS基準の年次改善2018-2020」 |
2022年1月1日、設例に関するものに限定されるため発効日が記載されていないIFRS第16号の修正を除く。 |
IAS第1号の修正「負債の流動又は非流動への分類-発効日の延期」を含む「負債の流動又は非流動への分類」 |
2023年1月1日 |
以上
*1 内容については、デロイトトーマツのウェブサイト(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/finance/articles/ifrs/ifrs-covid19.html)を参照いただきたい。
*2 金融庁のウェブサイトに、本声明の仮訳が掲載されている。(https://www.fsa.go.jp/inter/ios/20200602.html)
*3 デロイトのIAS Plusのサイトで視聴できる(英語)。(https://www.iasplus.com/en/tag-types/global/special-topics/covid-19)
*4 内容については、企業会計基準委員会のウェブサイトの日本語訳を参照いただきたい。(https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/201407-1.pdf)
*5 IOSCOのウェブサイトを参照いただきたい(英語)。(https://www.iosco.org/library/pubdocs/pdf/IOSCOPD532.pdf)
*6 本ガイドについては、デロイト トーマツのウェブサイト(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/finance/articles/ifrs/ifrs-ifrsinfocus-20160722.html)を参照いただきたい。
*7 デロイトトーマツのウェブサイト(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/finance/articles/ifrs/ifrs-ifrsinfocus-20200331.html)を参照いただきたい。
*8 本誌2019年1月号「A Closer Look:引当マトリクスを使用した営業債権への予想信用損失モデルの適用」を参照いただきたい。
*9 内容(英語)については、デロイトのIAS Plusのウェブサイト(https://www.iasplus.com/en/publications/global/a-closer-look/intercompany-loan-assets)を参照いただきたい。
*10 本誌2019年9月号「A Closer Look:収益認識:企業が本人として行動しているか代理人として行動しているかの評価」を参照いただきたい。
*11 (訳者注)このサプライヤー・ファイナンスの論点のアジェンダ決定(IASBはこのアジェンダ決定に反対しなかった)を含む、2020年12月のIFRS解釈指針委員会についてのIFRIC Updateが2020年12月14日に公表された。企業会計基準委員会のウェブサイトに掲載されているIFRIC Updateの日本語訳を参照いただきたい。(https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/ifric_202012.pdf)
*12 本誌2019年12月号「IASB、『金利指標改革』(IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の修正)を公表」を参照いただきたい。
*13 本誌2020年3月号のA Closer Look 「金利指標改革-フェーズ1(IFRS第9号及びIAS第39号の修正)及びフェーズ2(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正)を適用する際の金融商品の開示」を参照いただきたい。
*14 本誌2020年12月号「IFRS in Focus「IASBが金利指標改革-フェーズ2を公表:IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正」」を参照いただきたい。
*15 IASBのウェブサイトを参照いただきたい。(https://cdn.ifrs.org/-/media/feature/news/2019/november/in-brief-climate-change-nick-anderson.pdf)
*16 IASBのウェブサイトを参照いただきたい。(https://cdn.ifrs.org/-/media/feature/supporting-implementation/documents/effects-of-climate-related-matters-on-financial-statements.pdf)
*17 本誌2021年2月号「A Closer Look「気候変動に関するパリ協定に沿ったコーポレート・レポーティングに対する投資家の需要」」を参照いただきたい。
*18 内容(英語)については、デロイトのIAS Plusのウェブサイト(https://www.iasplus.com/en/publications/global/ifrs-in-focus/2017/tcfd-final-report)を参照いただきたい。
*19 英国デロイトのウェブサイト(https://www.deloitte.co.uk/climatechange/)を参照いただきたい。
*20 一連のアジェンダ決定については、企業会計基準委員会(ASBJ)のウェブサイトの「IFRS関連情報」の「IFRS-IC会議」のページ(https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/ifric.html)を参照いただきたい。
本記事に関する留意事項
本記事は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、その性質上、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません。また、本記事の作成または発行後に、関連する制度その他の適用の前提となる状況について、変動を生じる可能性もあります。個別の事案に適用するためには、当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき、本記事の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。