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地域医療連携推進法人の会計

会計基準の異なる非営利法人の連結会計に関する考察

第189回国会に医療法の一部を改正する法律案が提出されました。改正の目玉の一つが地域医療連携推進法人の認定制度の創設です。地域医療連携推進法人の参加法人は病院等の医療機関を開設する非営利法人を対象とする一方で、根拠法の異なる非営利法人が適用する会計基準は多岐にわたるため、地域医療連携推進法人全体を対象とした、いわゆる連結会計についてはまだ詳細な議論が行われていません。

地域医療連携推進法人の連結会計に関する諸論点

医療法人の事業展開等に関する検討会の「地域医療連携推進法人制度(仮称)の創設及び医療見直しについて」においても、地域医療連携推進法人全体の財務諸表の作成については「技術的な課題を整理しつつ検討する」と課題が認識されている。この地域医療連携推進法人の連結会計を検討するにあたっては、下記の諸論点を考慮する必要があると思われる。

【論点1】多様な参加法人の異なる会計基準の調整

地域医療連携法人には医療法人だけでなく、学校法人や社会福祉法人等の多様な非営利法人の参加が想定される。それぞれの法人に適用される会計基準は異なっており、また地域医療連携推進法人自体も一般社団法人の形をとるため、法人全体で適用する会計基準をどうするかが論点となる。具体的には、例えば病院会計準則のように共通の会計ルールに基づき、各法人の財務諸表をどのように組み替えたうえで連結するかといった論点がある。

【論点2】内部取引・未実現損益の調整

地域医療連携推進法人が実施する業務として、病院等相互間の機能の分担及び業務の連携の推進、医療従事者の研修、医薬品等の供給、資金貸付等の医療連携推進業務が想定されているため、地域医療連携推進法人全体の財務諸表を作成するにあたっては、参加法人間での資金貸借や医薬品売買といった内部取引や医薬品在庫等に含まれる未実現損益の調整をどのようにしていくかといった論点がある。

【論点3】法人全体の財務諸表の内容

地域医療連携推進法人全体の財務諸表として想定される損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書等の様式をどうするか、注記や附属明細書等の追加情報についてどうするかといった論点がある。特に多様な参加法人個別の財務情報をどこまで追加情報としてどこまで開示するかについては多様な意見がでてくるのではないかと思われる。

図表:地域医療連携推進法人の連結会計に関する諸論点

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