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職員満足度調査(Deloitte Tohmatsu Workforce Index) のご紹介

今後の医療業界を見据えたとき、「働き方改革」は重要な鍵となります。デロイト トーマツ ヘルスケアでは、「Deloitte Tohmatsu Workforce Index(DTWI)」という医療機関向けの満足度を調査するサービスを提供しています。一般的にある満足度を確認するだけではなく、医療経営や働き方改革を考える上で必要となる医療機関の戦略の浸透や業務の繁忙状況なども、本調査を通じて確認できます。

医療業界における「働き方改革」の難しさ

  • 「医師の働き方改革」の実行が難しい

現在、厚生労働省が主となり「医師の働き方改革の推進に関する検討会」が進められていますが、医療業界における働き方改革の難しさとして、医師の労働時間管理が挙げられます。患者主体の仕事であり、労働時間をそもそもコントロールし難いことに加え、医師法の応招義務との兼ね合いもあり、医師の労働時間管理を進めることそのものの難易度が高いと考えられています。

  • 金銭報酬によるインセンティブが効きにくい

医療機関の収入は診療報酬に基づき決定されるものであり、毎年職員が昇給することが前提となっていません。ビジネスが急拡大することもないため、毎年昇給することを職員に対して約束し難い収支構造になっています。また、成果というものが必ずしも数値化されるものではないため、業績連動型賞与もなじみにくく、人件費のコントロールが難しくなっています。すなわち、金銭報酬によるインセンティブを効かせ辛い業界であると言えます。同一労働・同一賃金なども要請されますが、必ずしも対応しやすい業界とは言えないと考えられます。

  • 企画機能が充足されていない

医療機関の管理部門の体制を見ると、日々のオペレーションを回すことに一生懸命にならざるを得ない状況が見受けられ、例えば経営企画や人事企画といった「考える」機能が充実できていないところが多いように思われます。こういった企画的な機能は片手間で果たせるものではないため、「働き方改革」を進めるためには、経営企画や人事企画といった「考える」機能を充実させる必要があります。

 

職員満足度の状態を把握しておくことの意味

医療機関を含む世の中の事業体(ビジネス主体)は財務指標、すなわち売上や利益を経営の結果として捉えています。これは経営のアウトプットであり、その事業体の業績や経営の成果が財務指標により客観的に判断されます。これらの財務指標は毎月、あるいは四半期毎に把握され、その結果を踏まえて次の施策を考えていくことになります。

ところが、この結果に対するインプット(経営資源)である「ヒト」の状況、すなわち職員満足度について十分把握できていない、あるいは把握していても時々(年に1回程度)把握しているというレベルのところがほとんどです。特に、労働集約型であり、売上が診療報酬という仕組みで決定する医療機関にとって、職員一人ひとりの状況を把握し、その満足度向上に向けた取組を行うことは、重要な経営マネジメントの一つであると考えられます。

一般に、患者・利用者の立場からの「良い医療機関」のイメージは、財務状況から判断されるものではなく、そこで提供される医療の質のレベル、もっと言うと「医師や職員の対応」により、ここで診てもらいたいと思うかで決まると言っても過言ではないと思います。当医療機関の職員は生き生きと働くことができているのか、できていないとすればその原因は何なのか、その状況を把握しておくことが医療機関にとって重要な視点であることは言うまでもありません。

 

DTWIの特徴、有用性

デロイト トーマツ ヘルスケアでは、Deloitte Tohmatsu Workforce Index(以下、DTWI)という職員の満足度を把握するためのツールを提供しています。既に多くの職員満足度調査が普及していますが、デロイト トーマツ ヘルスケアが提供するDTWIは、上流にある経営的な視点や組織文化に影響を与える職員の価値観など、独自のユニークな視点を加えたものとなっており、主な特徴として、以下の点が挙げられます。

  1. 一般的な項目のみならず、経営的な視点(例:ビジネスモデルに関する質問)や「働き方改革」に関する項目(例:業務の繁忙さに関する質問)についても確認できるようになっている。
  2. 複数施設を経営している法人であれば施設別の比較ができ、また、職種別や階層別などの切り口により詳細な状況を把握でき、優先的に取り組むべき課題を抽出できるようになっている。
  3. 職員の価値観について確認する項目があり、その医療機関がどのような組織文化(例:ワークライフバランスを重視する風土)を持っているかを把握することができる

このような特徴を持つDTWIですが、単に調査結果を開示して終わりではなく、今後どのような施策につなげていくのか検討するための材料として活かすことができます。

すなわち、検討を踏まえ施策を講じた結果、このDTWIのスコアにどのような変化が生じたのか(改善したのか)を確認できるため、組織全体、職員の状態をあるべき姿に近づけるマネジメントツールとして有用であると考えています。

DTWIの事例

実際にDTWIを実施した事例をご紹介します。

複数の病院をグループ経営されている法人で、施設毎の比較ではあまり傾向は変わらなかったのですが、(詳述しませんが)幾つかの施設では特徴的な傾向が見られました。また、以下のような職種別の特性が判明しました。

  • 医師:仕事そのものがモチベーターであり、方針を示してくれさえすれば後は自由にさせてほしい
  • 看護師:組織体制を整備してほしい
  • コメディカル:自分たちの活躍や組織貢献をきちんと評価してほしい
  • 事務:上司・部下間で気軽に相談したい
  • 介護:きちんと評価し、処遇を改善してほしい

この病院の特徴として、仲間意識が非常に強く、お互いに助け合う文化が醸成されていたように見受けられました。職場の雰囲気が良いというのは実際に訪問した際にも感じられたところですが、スコアにも如実に現れていました。医師以外に共通して見られる傾向としては、「評価をきちんとしてほしい」という声が挙がっていたため、今後、人事評価制度の再構築も視野に入れながら組織改革を進められていくようです。

このように、より具体的に何が起こっているのか、何に対して施策を講じるべきなのかを把握することができ、これに現場職員に対するヒアリングを加えると、より詳細な組織の状態や職員の状況を理解することができます。

「職員の状況」を経営指標の一部と捉え、常にウォッチしながら、良い方向に向かってマネジメントするという考え方を定着させていく上でも、DTWIはより効果的なツールであると言えます。

 

執筆

有限責任監査法人トーマツ
リスクアドバイザリー事業本部  ヘルスケア 

※上記の部署・内容は掲載時点のものとなります。2020/02

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