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病院のホームページの作り方

医療機関におけるホームページ作成

ホームページは、組織の顔であり、医療機関においても、同様です。 今やほとんどの関係者が、ホームページを確認してから医療機関を訪問すると言っても過言ではありません。そのように重要なホームページですが、どのようにホームページを作るべきでしょうか。 自身で作成する場合であっても、外注するとしても、どのようなイメージを伝えればよいのか、どのような視点でチェックすればよいのか、必要な視点を解説していきます。

はじめに

医療機関のホームページは、患者だけでなく、その家族、周辺医療機関、取引相手、自治体など公共機関、その他多くの人の目にふれ、そのホームページの内容をもって、医療機関の質を判断されるものです。
さて、そのように重要なホームページですから、十分に時間をかけて検討する価値があります。
良いホームページは、とても見やすく、検索エンジンの検索結果でも上位に示され、閲覧者が感覚的に操作するだけで、目当ての内容にたどり着きます。
一方、課題のあるホームページは、必要な情報にたどり着けないことが多く、色や文字書式が統一されていないことも多いようです。内容がカテゴリ毎に分類されていないものや、一般的に流行している配置ルールに沿っていないもの、タブレットやスマホに対応していないものなどは、見にくいホームページと言えるでしょう。
本稿では、ホームページの作り方について解説します。ホームページの作り方とは、デザインの方法です。デザインというと、服や建設のデザインを思い浮かべる方が多いと思いますが、ボタンの色や配置などの、見た目だけのことではありません。ホームページを閲覧する人々の設定・目的の設定、そして情報整理なども、ホームページデザインの重要な要素です。

以下の手順に沿って、解説を進めていきます。

1.基本計画と2.基本設計

1.基本計画~ホームページ(以下、「HP」とする)の在り方を定める

基本計画では、まずどのような閲覧者がいるか想定します。患者さんだけではないはずです。HP上で看護師募集もしているでしょう。取引相手の会社や、患者さんの家族も見るはずです。すべての閲覧者の視点で、考え抜くことがポイントです。
次に、今のHPに課題があれば、課題をリスト化します。その課題を解決する新しいホームページを設計します。文字の大きさが変更できないのか、情報が古いのか、SEO対策がされていないのか、様々な意見を、なるべく多くの人にヒアリングすることをおすすめします。
筆者のコンサルティング経験では、ペルソナ設定と言って、仮想的な閲覧者を設定する方法をとります。その仮想の人は、何歳なのかなど設定し、その人が見やすいHPになっているかどうか、確認するという手法です。
様々な閲覧者がいる場合は、閲覧者によって画面の入り口を先に分けることで、見やすいデザインにすることができます。
まずは、いきなりHPのコンテンツ配置をデザインするのではなく、閲覧者のプロファイルを想定して、スマホで見ることが多いのか、どのような職業か、どのような目的で閲覧するのか、すべてを整理してみることが重要です。
医療機関によって、閲覧者は異なります。他医療機関の、センスの良いと感じたHPを真似るのではなく、自身の医療機関に合った計画を立案します。

2.基本設定~基本計画の実現に向け、手法を選択する

基本設定では、概要設定・情報整理・閲覧ルート設定をしましょう。
概要設定は、基本計画に沿って設定します。

以下のような設定内容を事例として示します。
患者(と家族)向け・関係会社向け・その他、の3つの大きな区分をつくり、迷いにくくするレスポンシブデザインにより、スマホ・タブレット・PC対応を一元化する問診票や同意書のダウンロードなど、院内文書を事前に確認できるようにする障碍者の閲覧にも配慮したアクセシビリティを確保する。
上記の事例のような設定内容を似たようなカテゴリにわけてリスト化するとよいでしょう。
設定段階では、それなりにHPデザインの専門的な知識が必要です。上記のレスポンシブデザインやボタンをフラットデザインにするなど、デザイナーの助言があれば、よりよい設定ができるでしょう。
画面のデザインを最新のデザインにすることは重要でしょうか。最新でなくても、少なくとも時代遅れでない、一般的なものである必要はあります。
他の一般的なHPと同じ操作で、目当ての画面にたどり着くことができれば、閲覧しやすいものになります。そのための情報整理をして、たどり着きやすい閲覧ルートを設定します。

3.コンテンツ配置設計と4.運用計画

3.コンテンツ配置設計~コンテンツを作成し、設定通りに埋め込む

コンテンツ配置は、院内協議ではなく、トップダウンで優劣を決めたうえで、全体最適を考えて配置しましょう。
どの部門も、自身のページを目立たせる必要があると思うでしょう。看護師募集をどれだけ目立たせるべきか、医療機器導入の連絡をどの位置にするのか、経営判断として、優先順位を決定する必要があります。
その後のコンテンツ作成は、各担当者が一定の作業をすることになるでしょう。ただし、最終的に、色合いや表現などを統一する作業を忘れてはいけません。
HP管理部門によって、最終修正しなければバラバラの体裁となり統一感に欠けてしまいます。

4.運用計画~ホームページ開設後の運用方法を設定する

せっかく新しいHPが立ち上がったとしても、そのままにしていては陳腐化するのがHPです。
SNSとの連携を組み込むなど、変化を持たせることで絶えずHPを更新する機会を作り、常に新鮮な情報発信ツールとして活用しましょう。情報発信するべきことは、たくさんあるはずです。
運用開始後は、以下の項目を定期的に確認・検討することが有効です。

  • アクセス状況を定期的に分析し、不要なページがないか、ページの階層を見直す必要がないかなど、ページ構成の見直しを検討する
  • 外部からの攻撃やセキュリティ上の懸念がないか、確認する
  • 問い合わせはないか、その対応について、確認する
  • SEO対策に問題が発生していないか、確認する
(HP更新作業について)

HPの更新は、CMS(content management system;コンテンツ管理システム)と呼ばれるツールを利用して、簡単に更新できるよう整備しておくケースが増えています。
HPは生ものですから、すばやく更新するためにも、CMSの活用を検討すると良いでしょう。

(コンプライアンスやセキュリティについて)

「医療機関ホームページガイドライン」など、厚生労働省の通知などを確認して掲載する内容を最終チェックして、コンプライアンス遵守に配慮することも重要です。また、定期的にシステム監査や侵入検査(ぺネトレーションテスト)を受けることも、安定的に運用するために検討していく必要があります。

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